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「たんだいまーっ!」


「眠い……」


「帰宅時の台詞其れで良いの?」


 ユウヤでっす! 今日から二学期が始まりました! 何だか長く感じた夏休みだったなぁ……え? 長かった? ……やだなぁ、俺を騙そうとしたって無駄なんだから!



「おう、お帰り」


 リビングに着くなりそそくさとソファにダイブしたアサ君は置いといて、キッチンからした声に俺はもう一度ただいま、と返した。マヒル兄よ、大学はどうしたんだい。


「朝からツッコミたかったんだけど、マヒル兄学校は?」


「ん、今学期ほぼ授業無ぇから、自宅から車で行く」


「そうなの? てっきりサボりかと」


「アサキじゃねぇんだから」


 苦笑しながらそう言ったマヒル兄、アサ君が何か反論したみたいでもごもご聞こえたけど、もごもごとしか聞こえなかったから言い分は「もごもご」ってことにしとこうかな!


「お前達こそ、二年生は大事なんだからサボったりすんなよ」


「俺はサボったりしな……いよ!」


「其の間が兄ちゃんを心配させる要因だってことに気付こうか弟よ」


「僕がサボる訳が無い、教室出るの怠い」


「だから実技教科サボりそうで怖いよ兄ちゃん」


 わざわざ起き上がってキメ顔でボケたアサ君は、再びソファへと沈んでいきましたとさ。恐らく本人は至って真面目なんだろうけど、疲れてるならわざわざ起き上がらなくても良いのに……。

 マヒル兄は俺達が心底心配なようだけど、大丈夫だと思うよ俺。成績とかじゃなくて、サボったりはしないからさ! ……多分!




「マヒル兄こそ、もう四年生だけど大丈夫なの?」


 正直忘れてたけど、マヒル兄って今年就活だよね? 大丈夫なの……なんてマヒル兄に聞くだけ無駄な気がするけど、聞いたって別に良いよね。

 けど、まさかまさかのことで、マヒル兄の動きが一瞬、止まったように見えた。


「……え、……マヒル兄どしたの?」


「あ? 何でも無ぇよ?」


「動き止ま……ったよね?」


「んな訳無ぇだろ? ――俺に限って大丈夫じゃない訳無いだろうが」



 にっ、と。何時もの笑みで俺に返すマヒル兄、うむ、確かにそうだ。マヒル兄が何かあるなんて考えるだけ無駄だったよね! 何か思うことがあったんだと思うけど、マヒル兄なら大丈夫だろうし、万が一の時はちゃんと言うしね。






「ほら、着替えてから買い出し付き合えよ二人共」


「あ、うん! 今日は久し振りにマヒル兄の手料理だーい!」


「え、鮭のムニエル?」


「何で今食いたいもん言った? 作れってか?」


「俺も食べたい!」


「作るけどな」



 うん、此の弟甘やかせっぷりは正しくマヒル兄だ。





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