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388+夏の合宿編。/一日目



「夏……だな、」


「夏……だね」


 ユウヤです、目の前が海です、やべぇテンションが上がる!


「おら、カイリユウヤ! 遊びに来ただけって訳じゃ無ぇんだからとっとと荷物運べ!!」


 カイト君と二人で真剣に海を眺めていたのに先輩ってば何を言うんだか、海に来たんだから先に遊ぼうよ!

 と、いうことで。俺達GC部の面々は部内合宿という名のタダの遊び合宿にやってきました。先輩達曰く勉強合宿の一環で、ってことらしいけど、



「海に来たのに勉強なんて、俺様達がする訳無いのにな!」


「だよねー!」


 俺達がそんなことを自主的に行う訳が無いのでありまして!!!!



「――もう一回言ってみ……?」


「だから、海で遊びたいから勉強は――げ、」


「あ、アサ君」


「良いから二人共、遠慮せずさっきと同じこと言ってみろよ」




「――べ、勉強が先だよなっユウヤ!」


「だよねっカイト君!」



 ――という話は、急に背後に現れた弟の笑顔によって早々に前言撤回された。

 遠くから後輩二人の「弟なのにあっ君先パイのが強いんだなあナツメっち」「……前から、だと、思う」なんて会話が聞こえたけど、お兄ちゃんはめげないんだから……!!


 合宿は全部で五日間。五日間の内で三年の先輩達はアマギリ君に勉強を教わるらしく、俺達二年は――とんでもない量の――宿題とその他苦手教科の補講をさせるとか何とか。一年二人は多分宿題でくたばるだろうからと特別何も無いけど、やる気があるなら何かしら教えるよっ! とアマギリ君は張り切ってた。学校側任意の合宿って訳じゃあ無いからアマギリ君は来なくても良かったんだけど、先輩達が頼んだら喜んでついて来たみたい、其処は流石アマギリ君。

 ちなみに確認で言っておくけれど、宿泊先はフウカ先輩の別荘です。あまり派手でないところを選んだらしいけど、海の見える家ってだけで相当だよね? そして俺的には別荘の派手さよりも、迎えの車が高級車だったことに気を遣って欲しかったかな。一般住宅に高級車って超怖かった。






「――さて、」


 各々荷物を室内に運び終わってから、皆が揃ったリビングルームでハヤ先輩が普段通りに声を発する。


「先に言ってある通り、今回の目的はあくまでも勉強だ。フウカからはそれぞれ好きなように施設を使って良いと聞いている、皆、海に面した部屋ばかりだ、好きに勉学に励むように」


 第一声其れですか、ストイックにも程があるよう。


「――だが、目的は目的でしかない」


 けれど、我等が生徒会長はやはり違っていた。


「俺達は人間であり、煩悩の数は知れたものではない。限度をもって飽きた時は好きなように過ごせ、何せ俺達はGC部だからな」


「流石先輩!」


「生徒会長!」



「部長の面目無ぇな」


「確かにオレも思いますわさっちゃん先パイどんまーい」


「ちょっと其処! 人の悪口になってんだろ!?」



 皆色々言ってるけど、うん、何だか楽しみだなぁ!






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