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387+口ではどうにもなりません。


「アサ君、準備!」


「良いよ明日で」


「前日にして足りないものあったらどうするの!」


「フウカ先輩に頼む」


「お、おお……反論が出来ない……」


 ユウヤでっす! 明後日から部内合宿だっていうのに弟が準備しません!


「第一、部活の合宿っつったって、宿題とゲームあれば其れで大丈夫じゃん」


「お前の衣食住はゲームで完成するの?」


 恐ろしいこと此の上ない思考回路なんだけど……!

 現時点でがっつりゲームしかしてないアサ君、土日前にうきうきと準備した兄の弟とは思えないね!! ――俺のことだけど!



「勉強合宿だっていうから宿題やらないでおいたんだから、何もやらなくて良い分ゲームするだろ普通」


「いやそうだけどね? でも出掛ける前の準備ってやっぱり大事じゃないかな?」


「え?」


「後俺も明後日の為に宿題やらなかったんだって言ったら怒りますか」



「――あ?」


「声のトーンが違うよ怖いよ!」


 俺が夏休みの宿題を此の時期までやらないのは何時ものことですね分かります! だってやろうやろうと思っててもすーぐ飽きちゃうんだもん! 続いて漢字二問かな!


「終わらせろよ、」


「わ、分かってるよ……?」


「言ったな? 遊び倒したら残りの休み無いと思えよ?」


「……」


「目ぇ合わせろやコラ」


 画面ばかりを見ていたアサキが俺を睨んで来るものだから、つい左斜め上に視線を逸らした。ほ、保証は出来ないから返事は出来ないなぁあはははは。

 何時まで経っても視線を合わせない俺に、アサ君は溜息を吐いてゲームに戻っていった。


 ……あれ? 俺がアサ君に準備しろって言ってたんだよね?



「アサキ、で、準備は?」


「だから明日――」


「ループ! 話がループ! 其れかデジャヴ!!」


 最初から何も進んでないよ話! びっくりしたっていうかびっくりした!


「デジャヴなんて言葉知ってたんだ」


「其れくらい知ってるよ!! 馬鹿にしな……馬鹿だから仕方ないか」


「切替早ぇよ」


 我ながら学力の無さ云々は良く分かってるし、馬鹿にすんな! なんて言える訳が無い。テスト順位だけでも弟と何位差あると思ってんだ……!

 けど、今はそんなことじゃなくて、だ。面倒臭がりというよりは本当明日やるっつってんだろ、なアサキに何を言えば今から準備を始めてくれるだろうか。もし何かあったとして、困るのはアサキだから気にしなきゃ良いって言う人も居るだろうけど、――俺が心配性なんだから仕方ない。

 お忘れな方もいらっしゃるかしら、俺の優先順位のトップは基本アサキだよ悪いか。


「明日困っちゃうよー良いのー」


「良いって、困ったらそん時」


「いきあたりばったりやめようか」


「僕を信じろ」


「こういう時にそういう格好良い台詞出してきちゃ駄目だからね?」


 其の気にならないと適当なこと言うんだから此の子ったら!


 此の後俺が何を言っても動かなかったので、仕方ないから俺が鞄引っ張り出してきて勝手に無いものが無いかチェックしておいた。




「本当世話の掛かる子なんだから!」


「お前が勝手に世話してるだけじゃね」


 ……否定は出来ない。





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