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37+突撃☆お宅訪問。/後


 やーっと、バイト終わったー。

 時間的に規定時間に終わったけどさ、家に弟達来てるとなると何かもう早く帰りたいっていうな! ……は? ブラコン? 知るかよ馬鹿が。あ、すません、マヒルッス、……初めまして?


「アサキにユウヤ、ちゃんと居るかなー、セツの野郎電話であのテンションだったからな……」


 あんなテンションの奴がちゃんとやってくれてるか……え、何笑ってるの? え、何か変な事言った? だって電話……まぁ良いか。俺知らね。


「帰ったら家に誰か居る……ちくしょー嬉しいなこのやろー」


 俺の通う大学は、家からじゃ遠くて流石に死ぬんだよな……。ああ、何故可愛い弟達と離れて暮らさにゃいけねぇんだ、俺……!

 ――今はそんな事どうでも良い、とりあえず早く部屋に行こう!


「ただい――」


「「お帰りー!!!!」」


 早いよ、言わせろよ。


「兄ちゃんおっかえりー!」


「あー、ただ今弟よー」


 先に飯食っててテンションが上がっている弟が突っ込んできた。ふっ、良い弟だ、何て良いんだ家族って……!

 って、何で人が帰る前に食ってんだ……? 待ってようぜ其処は、何か悲しいじゃん。


「マヒルん先食ってるぜー!」


「うっぜぇぞセツ、テメェ人の家の食材適当に使いやがって!」


「え、ダメだった? アサキ君との電話じゃ何も言ってなかったじゃんけー?」


「そりゃお前が一方的に! ――ってちょい待ち。今誰って……?」


「アサキ君」


「……Pardon?(※訳:もう一回言ってください)」


「さっきの電話はアーサーキーくーん!!」


 ……。


「うっそぉ。俺あのテンションのアサキ君見た事ないよ? 十三年お兄さんやってんのに分からない」


 そんな……あんなテンションのアサキが!? ――面白過ぎる、見てぇ……!!


「あ、だったらより楽しいアサキ君とユウヤ君が今なら見れるぜ?」


「は?」


 何やらセツがニッコーと笑いながら何かをかっくらっている。ちょ、それ――


「ははっ、もっと持って来ーい!」


「テメェ未成年が酒かっくらってんじゃねぇぞクソが!!!!」


 何故未成年が酒盛りをしてる……!

 人の部屋で人の食品で、この馬鹿野郎!!


「兄ちゃんったらー、鍋は美味かったぜー?」


「鍋が美味くてもな! それは駄目なんだぞユウ――うん?」


 そしてヘラッとしているが、未だ俺に突っ込んだままの弟の発言に反応をする、いや、しようとしたら……


「馬鹿兄ちゃーん、俺はユウヤじゃなーくーてアーサーキー! 似てるからって間違えんなよー?」


 うぇおぁうぁああああああ!!!?


「ちょ! お前アサッ、お前どうしたよ!?」


「何がー?」


「お前が自分から兄ちゃんに突っ込んで来る訳ないでしょ!!」


「まぁ良いじゃん! ねぇユウヤー?」


「ねぇユウヤー? ――じゃないから! セツ! 俺の最愛のアサキに何やらかした!?」


「何って、一緒に鍋つっついてただけだぜ? なー、アサキ君?」


「なー、せっちゃん!」


「ちっがう! アサキがこんなテンションだなんて寧ろ気持ち悪い! ユウヤじゃん! テンションだけユウヤじゃん!!」


 ねー? とか二人でやってんなよ馬鹿! つかユウヤは!? アサキがユウヤテンションになってるってことはユウヤはもしかして――


「……」


 ――あの、一人ローなテンションを醸し出してる人ってまさか……


「……ユウヤ君?」


「――んだよ」


 君だよなユウヤ!

 何その冷めた眼……! それはアサキの役目だろうが……!


「あ、えっと、兄ちゃんが帰って来たー……」


「そう、で?」


「お帰りーとか?」


「永久に逝ってらっしゃれば良いのにクソ兄貴が」


 ――アサキの数倍タチ悪ィ……!

 ケッと言い飛ばしてくれやがりましたよえぇ、何なんだこりゃ、誰か助けて下さい!!


「二人共急にああなっちゃってさー、もー俺様びっくりって感じ?」


「驚いてんのか其れ、何したえぇ? 俺の愛すべき家族に何しやがった屑、カス、こんの外敵――」


「そんな罵倒の数々を並べんといて、流石にセツ君落ち込むから」


 まぁ良い。それより二人は何故こうなった……? アサキがニッコニコでユウヤがトッゲトゲ……あ、アサキは此れでも良いか――や、よくないか。

 そして俺がふと眼に止めたもの、それは――


「……鍋?」


「んー、鍋」


「……セツ、此れ何入れた?」


「具。――あ、ごめん、ちゃんと言う、だから睨まないで」


「――酒、とか入れてねぇよな? ……うん、そうだよな。未成年が食ってたんだもんな? お前は良いとしてもアサキとユウヤは俺の弟だし? そりゃー酒なんて飲ませた日には逆立ちして二十四時間そのまま腕立て伏せしつつごめんなさいって言わせ――」


「――ごめん、俺逆立ち出来ねぇや」


 やったのか貴様ぁあああああ!!!!


「だ、だってユウヤ君なーんも――」


「ユウヤはほぼノリで出来てる種族だから仕方ないんだよ! アサキもユウヤも酒ダメなんだから飲ますな屑が! シャンパンで酔うんだぞ!?」


 嗚呼、思い出した。昔あったな一回。昔父さんと四人で色々とあった思い出がフラッシュバッ――やめよ、これは良い、封印。アサキ可愛い過ぎるしユウヤ怖過ぎる。


「うー、そんな怒るなよー」


「金髪馬鹿がそう言っても可愛くも何ともねぇぜ、俺に其れが通じるのはユウヤだけだ」


 アサキがやったら恐怖だからな。


「兄ちゃん、そんなせっちゃんを怒らないであげてよー?」


 ――いや、アサキでも良いや(※弱いブラコン本能)。





 其の後双子反転は二人が直ぐ寝たので元に戻った。


 泊まってった三人の居る朝。


「あ゛ー、何か頭痛ぇ」


「アサ君ったら大丈夫? まぁ俺もなんだけどー。……ってそれよりマヒル兄」


「ん、何?」


「何でせっちー腕立て伏せしてるの?」


「ごーめんーなさーい!」


「嗚呼、アレはあいつが逆立ち出来ねぇからだよユウヤ」


「?」


「セツさん……馬鹿?」


「……うん、やっぱりアサキとユウヤはこうでなくちゃ」


 平和だ。やっぱり人ってキャラは大切だよ。



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