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363+絶好日和? 体育祭!/午後6

「お、ユウヤ戻って来た」


 アサキだけど。

 ユウヤが何処から見つけて来たのかアスカ君を連れて戻って来た。


「あの格好良い人何、知り合い?」


 先程急いで戻って来たゼン君も最初は息を切らしていたが、既に通常呼吸に戻っている。実にかったるそうだ。


「ありゃ俺達の元中のダチだ」


「……あ、文化祭来てた」


「其れ其れ」


 ぽん、と手の平を打ち合点がいったと笑えば、「あれはモテるタイプの優男だね」と真顔でそう指摘した。


「「……」」


 で、カイトと目が合った。


「「……無いな」」


「え?」


 やはり考えていることは一緒だった。


「何、あの人モテないって? 背は高いし雰囲気が儚げで優し――」


「其処な、間違ってんのは其処」


「え、何処?」


「アスカ君は確かに優しいけど、」


「「全ッ然優しく(ない/ねぇ)よ」」







「はい此れです!」


「はい、“親友”ですね? 其れでは連れて来られた“親友”さん! 何か“親友”としてアピールをお願いします!」


「アピール、ですか? ……特に思い浮かばないので、彼が中学生活で得た――補習授業の回数で良いですかね?」


「アスカー!!!!!!」


「……“親友”合格です」







 そんな会話が聞こえてきている訳では無いが、アスカ君が普通で終わらせないことなど容易に理解出来た。何せ何時ものこと。


「優しくて優しくないって、何だか分かりにくいね」


「アスカはそういう奴なんだ――ほれなんかこっち見てる、何か悟ってこっち見てる! アサキどうにかしろ!!」


「僕目ェ悪イカラ何モ見エナイ」


「こういう時ばっかだなお前の視力!!!!」



 此の遠さじゃ普通は見えないでしょ、お前が目ぇ良過ぎなんだよ。

 ゼン君はそんな僕達を終始楽しそうにしていたけど、ふと違う方を見てから真顔に戻り、若干目を細めた。


「ちょいあっ君」


「何?」


 視線も変えず声を掛けられ、気になって其方を見た。


 三走者目、――ムラサメ君、か。

 何だかおろおろしていた、何を引いたのかは分からないが、相変わらず何時か泣き出すんじゃないかとひやひやする――主に僕の周辺が――。


「あん? ……大丈夫なのかよあいつ」


「んー、俺達何やかんやで独走してるからねー、目立っちゃって可哀相かなー」


 カイトもユウヤも結構時間を掛けたが、他の部は更に時間が掛かっていて未だ二走者目にしか届いていない。当たりを引きやすいというのかあの馬鹿ど――


「要はくじ引きだよ、カイ君達はくじ運が良かったってことだよね」


「まぁ、俺は元々くじ運良いぜ、初詣とかの」


「ゼン君も良い方かなぁ。……ね、ゆっ君もくじ運良かったりす……あっ君?」


 くじ引き? くじ?


「くじ引きなの?」


「それが……どうかした?」


 しまった。やばいぞ此れ、果てしなくやばい。


「……あ」


 そしてカイトも其れに気付いた様子。僕を見て瞬きをすれば、「だっ、大丈夫だろ!」と、空元気にばしん、と僕の背を叩いた。


「痛い」


「大丈夫大丈夫! お前なら大丈夫だろ!! なっ!!!!」


「目が必死過ぎるよカイ君、一体どういうこと?」


「……」


 まぁ、ええと。言ってしまえば、




「僕さ――凶と大凶しか引いたこと無いんだけど大丈夫だよね」


「……え」


 ゼン君は、黙って苦笑いを浮かべただけだった。








「時間喰いましたごめんなさいすみません自害した方が良いですか?」


「ムラサメ言ってることが怖い」


 ムラサメ君は不安の境地に陥ると物騒なことを呟き出すらしい、たすきくれれば其れで良いから。


 ――其の後、何とかトップでゴールは出来たんだけれど、僕が計六回俗に言うハズレを引いたのは言うまでも無い。一度抜かれはしたけど、最後のゼン君の引きの強さには感謝するっきゃないな。





「あっ君、具体的にどんなくじ引いたの?」


「“イリオモテヤマネコ”とか、“あの日の自分”とか」


「具体的に無理なものから物理的に無理なものまで様々だね」


「そういえばあ、リョウコも一回トチッてたよねえ? 何だったのお?」


「は!? な、何でもないわよ!? くっだらなかったから!!!!」


「……ふうん?」




 さて、……次々、次最後だから次行こう!




リョウちゃんが一発目引いた紙=“恋い慕う人”

――勿論破り捨てました(発狂的な意味で)

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