表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
354/500

354+絶好日和? 体育祭!/午前1


 次いでアサキです。

 朝は曇っていたから全然暑くなかったけれど、開会式の時間ともなれば若干蒸し暑くなってきていた。……まぁ日が出ていなかったからこそ、生徒会長の言葉が三年振りにまともに行われたらしいんだが。ハヤ先輩、去年だけならぬ一昨年も朝から撃沈してたのか。――藍色はちまきにジャージ姿のハヤ先輩を拝めるのは非常に珍しいこと、って訳か。


 相変わらずの完璧な挨拶に全生徒が感動を覚えながら終わった開会式、直ぐさま競技が始まる中、僕はゼン君と共にクラスの指定場所に戻ってきていた。



「一年と三年絡みばっかで、午前中俺もあっ君もやること無いんだよねー」


 とのこと。

 ゼン君とエノミヤに任せた僕の出場競技はクラス対抗リレー、以上。――二人に其れを聞いた時即座に飲み物を奢りに出たのは言うまでも無い。

 部活対抗の方も午後だし、後の全員参加の競技も午後、――要するに、今此処に居なければならない理由が見当たらない訳だ。


「僕は木陰で休んで来る」


「え、始まって間もないのに早くもダウン?」


「若干ながら日光も出てきたし、そろそろ暑くなるだろうから其の前に休んでおきたいんだよ」


 苦笑いのゼン君にそう言えば、僕は一人で木陰に――とか思ってたんだけど、気付いたら横にフドウとコガネイが居た。


「俺達も暫く暇だからーアサキと一緒に休んでようと思ってー」


「あり、シギとハクって何か出るんじゃ?」


「長縄っす! 其れまで暇っすから」


 長縄は午前の後半だったからな。

 まぁ、誰が着いて来ようがどうだって良いが。一人先陣切って歩き出せば、背後から着いて来る気配がした。


「生徒会の方で何かあったら電話するから、携帯だけは持っててねあっ君」


「あいよ」


 ゼン君は最後に「俺はクソ実行委員見張っとくわ、」と、聞く人が聞けば嫌味にしか聞こえない一言を残した。










「去年に比べると、見に来てる人が多い気ーするよねー」


 木陰に移動後、コガネイがへらりと笑いながらそう言った。確かにそんな気もするが、恐らく去年は競技に出場してたから気付かなかっただけなんだろうな。


「沢山の人が見に来てるんすねー」


「みたいだな。来賓とか、親御さんとか、……他学校の学生とか」


 来賓と親御さんはまぁ良いが、文化祭でも無いのに学生が見に来て何が楽しいんだか。……まぁ一年生だったら、三ヶ月前までクラスメイトだったとかあるんだろうけど。


「俺地元若干遠いからなー、友達とか絶対来ないと思う」


「ボクは…………友達……」


「淋しいこと言ってんじゃねぇよお前」


 一瞬で表情に影差したぞお前、最早特技だろ其れ。

 コガネイはからからと楽しそうに笑みを零しながら、フドウに友達沢山出来たろー高校でーなんて軽く慰めの言葉を入れていた。

 ――中学の友人、か。…………まさかな。何処となく嫌な予感がして辺りを見回してみる、……まぁそんなことは無いだろう、わざとらしく大袈裟に、そう考えることにしておいた、








 んだけどもね。



「ちょっと出張ってくる」


「え? 何処行くんすか?」


「暇だし俺達も行くよー? ねぇシギ?」


 三人して座り込んでいた訳だが、どちらかと言われたらお前等には其処に居て欲しいんだがな。三人で動いたら着いて来られるし、多分。

 完璧な暇人約二名には其処に居て貰うことにして、僕は目的の方向とは逆方向へと歩みを進めた。嗚呼、途中でユウヤを拾っていこう、其の方がきっと良い。




 はぁ、体育祭なのに何で面倒事増えんの。





評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ