352+暑いけど梅雨です。
ユウヤでっす! 梅雨だよ!!
「たんだいまーっ!」
まぁ、雨が降ろうと買い物に行かなくちゃいけないから基本俺には関係無いんだけど、
「ただいまー……アサ君?」
――うちの弟と飼い猫は大ダメージ気味の様子です。
リビングに来てみれば、制服のまま野垂れ死ぬアサキと、の上に子にゃんこが乗っかっててうっはあ可愛い。
「帰ってきたなら着替えなよー、っていうか今日クラスで話し合いとか言ってなかった?」
「知らん」
くぐもった声からそう返事を聞いてから、アサ君の背中に居るチカちゃんを床に下ろしておいた。猫が背中乗っかってんのに無関心貫ける弟凄くないか、俺絶対無理可愛過ぎるって。――俺には決して乗ってくんないけどね! 畜生!
ちなみに今週末は体育祭、一組は熱の入りが遅かった割に熱いとかで放課後皆で話し合いをするとか何とかで今日は遅くなる――はずだったよね、あれ?
「ゼン君とエノミヤに任せた」
「おま」
チカちゃんが退いたことで動けるようになったアサキは、一旦起き上がって目付き悪く俺を見る。ていうか一致団結して頑張ろう! な行事サボんなし! 俺ならノリノリよ!!
「だって怠い」
「其れで何競技も出ることになったりしてたらどうするの?」
「ゼン君を殴る」
「嗚呼……」
ごめんゼン君、其の時が来ないことを祈っておく、頑張れ。
「アサキ何出るの?」
「出たくない」
「何出るの?」
「無視かお前そうか無視か。……なるべく気楽そうなの選んで、ってゼン君には言ってある」
体育祭なんて全部気楽じゃない? だって楽しいじゃん体育祭、俺は動くの好きだからかなぁ。
出来ることなら何にも出たくないだろう――さっき明言してたしね――アサキは無表情にそう言って、其の連絡が後で来るのだろう携帯を凝視した。
「沢山出た方が絶対楽しいのに……」
「其れじゃなくても部活動対抗とか出るんでしょ、嫌だよ」
「クラス外項目でギブアップ!?」
そういや最近全く運動してるイメージ無いけど大丈夫だっけ此の子……! また怪我とかしないよね!? いやさせられたりしないよね!? また五組がうんたらかんたらとか嫌よ俺!! 其れに――
「――流石の俺も、二度目は許さないよ……?」
次アサキに怪我なんてさせたら、ゼン君の勢いのまま殴り込みに掛かっちゃうかも☆ えへへっ☆
「……何か言った?」
「ううんっ、何でも!」
訝しげなアサ君に視線で追われながらも、俺はそそくさと夕飯の準備に取り掛かった。
……ところで。
「ねぇアサ君」
「ん」
「クラス対抗リレー、勿論アンカーやるよね?」
そろそろお兄ちゃん勝ちたいんだけど、勝ち逃げとかしないでよね?