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348+疲れてくたばり死屍累々。


「つっかれた……」


 ゼン君だよ、テスト最終日だったんだよね此れが。いやぁ疲れた、何が疲れたって疲れた。半日は嬉しいけど、あっ君みたく全面的に『テストは半日だから大好きだけど何か?』精神には成り切れない、何なのあっ君あれでテスト完璧とか何なの。


「お疲れのようだな」


「あ、ミノルっちゃん。どうかゼン君を労って下さい」


「……ど、どのようにだ?」


 真顔だ、流石はミノルちゃんだ。


「ううん、もう何か労れてるよ」


「……そうなのか?」


 此の何とも言えない天然記念物級のキャラがゼン君の癒しになってるんだよミノルちゃん。

 先程最後の考査が終わって、昼ながら終業時間となった。俺みたいに机でくたばっている人も数名――あっ君込み――見当たるけど、他はやっぱ皆さん部活に行くみたいね。


「ミノルちゃん、部活は?」


「今日は無い」


「そうなんだ」



「――だからわたしと寄り道をする予定」


「!?」


 心拍数上昇。――って、また君ですかムラサメちゃん!! お願いだから斜め後ろに立たないでくれるかな!?


「や、やぁムラサメちゃん」


「こんにちは、ワタヌキ君」


 シュールな絵面だよ此れ。


「ゼン君のことはゼン君で良いんだけどなー?」


「そう。分かった、今度からそう呼ばせてもらう」


 あと出来れば立ち位置百八十度以外から声掛けるの止め――言えなかったけどね。

 ムラサメちゃんはすすすっ、とミノルちゃんの横にまで移動して、そういえば、と首を傾げた。



「ナツメ、どう?」


「ナツメ?」


 ナツメ……って?


「ムラサメ君の名前じゃねぇの?」


 二つ隣からのあっ君の声、寝起きっぽいのかヤケに言い方男前ーい。

 っていうか新事実、ムラサメ弟ってナツメって名前だったのね、いやはや聞いたこと無かった。


「…………あの子未だ名乗れてないとは……」


「い、いやっ! ゼン君が居なかっただけじゃないかな!? ほーらあっ君は知ってた訳だし、ねっ、あっ君!?」


「知らん」


 此処は気ィ利かしてくれよあっ君。

 再びあっ君が机にダウンしたので落ち込み気味なムラサメちゃんと其れを労るミノルちゃんへと向き直る。


「弟君、そんなにアレなのか……?」


「アレというものがどのように表現されるのかは気になるけれど、恐らくアレに値する」


「でも、結構頻繁に部活来てるし、何だかんだでまともな子じゃない?」


 ムラサメちゃんから聞いてた話よか随分と積極的じゃない、一度スイッチ入ると大丈夫なタイプなのかな。時折キョドってるけどぶっ倒れたりは……してないよなぁ。


「……そう思う?」


「うん、俺的にはね」


「……其れは良かった」


 あ、今の表情良い。

 ムラサメちゃんは控えめに、けれどふんわりと微笑んでセミロングの髪を揺らす。よく見ればムラサメ弟そっくりよね、……嗚呼、逆か。


「此れからも宜しく、副会長さん」


「まっかせなさーい! ゼン君女の子の頼み事断ったりしないんだから!」


「……プレイボーイ?」


「何か嫌だ其の表現」


 女の子二人にクスクス笑われる野郎と成り果てた俺、……まぁ、悪い気はしないけどね、ゼン君格好良いし。(※関係ありません)




「っていうか、ひとつ聞きたいことあったんだけど」


「何?」


 個人的自己解析を言えばゼン君、クラスの女の子の名前なんて一日あれば漢字まであれよあれよあっ君辺りに示唆出来たはずなんだけど、



「ムラサメちゃん、名前何てーの?」



 ――隣のはずの貴女の名前を、ゼン君未だに知りませんでした。



 気配消す達人なんですね分かりません……!


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