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33+クラスに一人は居るよね、こういう奴。


 ふっかーつ! オス、オラカイリ!! インフルエンザなんぞという菌にやられて学校を休んでいたが、とうとう復帰☆

 ふっふっふー、俺様が居ない間孤独なロンリーボーイ(※訳:孤独な孤独少年)が淋しがっていたはずさ! そろそろ他人なんて言ってるアサきゅんも素直になるだろうなー!!


 ――といううはうはな夢を見ていたらあっさり寝坊して三限目から登校。馬鹿って言った奴手ェ挙げろ。


「おっはー☆ 俺様復活!」


「あ、カイトだー」


「本当だー、強い癖に休み日数半端ねぇカイトだー」


 うるせぇモブ共。ナイーブなカイリ君の身体は病に侵されやすいんだよ!! つか俺はカイリだ、覚えとけ!


「モブじゃないよ! 俺チアキだよ!」


「知らん、俺が知っているのはチアキはチアキでも下っ端二等兵だけだ」


「俺だってモブじゃな――」


「五月蝿い一等兵」


 所詮はモブなのさ、悔しかったら名前を貰え名前を。

 一等兵――苗字何だっけ?


「畜生……何時か俺だって名前を……」


「軍曹なんて苗字すらないんだ……」


「ハルナ貴様気にしてる事を!!!!」


 何やら友達同士の揉め事が勃発してるみたいですがスルーしてっと。

 我が親友の元へ急ぐぜ☆ ――と、思ったら。


「でもアサキ君って何でそんなに元気ないのかな……?」


「や、元気はバリバリだよ、僕バリバリ元気」


 あっるぇ? 何かアサキが女の子と話してるー? つか俺の席に座ってるー?


「ちょ、ちょちょちょ、アサキや」


「……やあ、赤の他人」


「其れ久しぶりに聞いた!」


 未だ言うのかこの根暗ロンリーボーイは!!


「あ、あ、ごめんなさいロクジョー君、席を私なんかが借りちゃって……直ちに退くからね? ごめんなさい」


「いや! 構わねぇよ!? 何故そんなに平伏した感じで去って行くのかな!?」


「あーあ、カイト君が女の子泣かせたー」


 やーん、俺としたことがー……


「って、違うがな!」


「心の中のボケにツッコまれても」


「アサキよく気付いたな」


 少し見ない内にアサキが成長している、カイ君びっくり。……誰だそりゃ。


「とにかく! 別にまだ休み時間だから座ってていーって! ……えーっと、みだれ……」


「苗字、それじゃあ訓読みです……音読みでお願いします」


「あ、ごめんなさい」


 正直特に面識ないから覚えてないんだよな……ラン……だっけ。


「じゃあ名前で呼ぶわ。……で、何故アサキとモモが一緒にお話を……?」


 最初に抱いた疑問をやっと吐き出せた。アサキとモモに接点なんてこれっっっっ(※中略)っっぽっちもなさそうなのに。


「私のお友達のおかげで、少し話をさせて貰える様になりました」


「モモのお友達?」



 ――居たの?



「今心に抱いた言葉を無闇に口にしない方が良いぞ。ランの其のお友達が貴様に報復に――」


「分かった! 分かったから怖い事言わんで!!」


「?」


 アサキが妖しくふふふふふとか笑いながら言うから実に怖くなったぜ! モモが気付かなくて良かった! つか其のお友達が怖ぇ!!


「嗚呼、カイトって大事な時に居ないよね」


「え、何かあったの? 楽しい事?」


「強いて言うならば騒ぎ」


「しくった!」


 俺を差し置いて騒ぎだと!? 何だその楽しそうな事!!

 結局退いてくれたモモが座っていた我が椅子に座り落ち込む俺。ちきしょー。


「そ、其処は落ち込む所なのかな……?」


「カイトにとっちゃな、馬鹿だから」


 ちきしょー、アサキ達が何か言ってるけど聞こえないー。


「馬ー鹿」


「何だと!」


「聞こえてるんじゃないか」


「ちきしょー!!!! インフルエンザの馬鹿! 俺の楽しみを帰せ!」


「寧ろ死ななかった事を喜べよ、今年のは色々危ないらしいぞ」


「あー、お医者先生が言ってた。……あ、そして聞きたい事を思い出した。その病院の先生がさ――」


「ふ、二人共!」


 何時の間にか世間話化していた俺達に頑張って割って入ったモモのちょっとした大声。ん、何だい。


「次、化学室……」


「「……あ」」


 移動だったそーな。――だったら早めに言って……!! しかし此れも口に出しちゃいけない気がしたのでやめとく。

 後一分程だけど、結局遅れました、だってアサキ走らないんだもん。まぁ良いや、ただいま学校!





 ――あれ、何かをアサキに聞きたかったんだけど……忘れたからいっか。



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