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319+いざ、白銀の世界へ。/in白銀の世界2



 おっはよん、ゼン君だよ。

 スキー研修二日目って午前も午後もスキーするんだけどさ、俺からしてみればもう地獄の何物でも無い訳よ。いや、別にスキーが嫌いだって言ってる訳じゃないんだよ? 運動好きだしね。でもスキーする為には標高高いところ行かなきゃで、今こうやって下から眺めてるだけで高いのもろ分かりの場所までリフトで上がるんでしょう?

 うっわあ何其れゼン君に死ねって言うのね、昨日頑張ったんだから一日くらい時間空けてくれたって良いと思わない? ――とか、言ったって誰も聞いてくれないから言わないんだけど。


「で、あっ君」


「ん」


「……起きてる?」


「ん」


 さっきから一言どころか一文字の返事しか返ってこないんだよなぁ、未だ滑ってもないのにゴーグルしてるあっ君もしかして寝てるんじゃないかな。

 俺が苦笑宛らにあっ君を見てたら、意外にも「ちょっと寝たから大丈夫、つかフドウを締め上げたい」と普通の返事……普通? 普通……うん、普通の返事が返って来た、シギ悪い。


「スキーなんてやって何が楽しいんだろ、つーかスキーを研修して将来何に役立てろってんだ皆が皆スキーのインストラクターにでもなれってか」


 眠いあっ君は意外と饒舌である。


「一年に一回行けば良い方、というか僕なんか学校行事でしかスキーしないし、毎年毎年スキーなんか行き腐る奴の気が知れない」


 ごめんあっ君、横に居る。シギん家の家族とよく一緒にスキー来るんだけど今は言わないでおこうと思った。

 其の後もつらつらとあっ君は色々なことにツッコミを入れ続けた、もう眠過ぎて頭ん中逆に悠長にフル回転してんだろうなぁ、後半来るともうスキー関係ない話になってたけどゼン君的に面白いから良いかなと思った。



「英語で遊んでられるのは本当小学生までだよね、中学になったら遊んでたら欠点喰らって死亡――」


『六班ー、此方に集まって下さーい』


 あっ君の話が某教育英語テレビの話になってから直ぐ、俺達の班に声が掛かった。ぶっちゃけ拡声器なんか使わなくても聞こえる気がしたけど、インストラクターの人とかってよくああいうの使ってるよねっていう。横のあっ君だって「アレ五月蝿ぇから壊れねぇかな」とか言ってるもの、俺だけがそう思ってる訳じゃないんだよ。










 カイリだ、今から凄い唐突なことを言うと、ユウヤが居なくなったんだがどういう。


「シギー、お前ユウヤ何処行ったか知ってるか?」


「ふぇ? お兄さん? ロクジョー君とリフト乗ったじゃないすか」


 いや、俺もそうは思ったんだが。

 上級クラスだからって結構飛ばし気味に滑りまくってたら他の奴等の体力が保たなくて、今ちょっとだけ休憩中ってとこ。リフトで登って来た此処で休憩してんだが、俺がスキー板外しーの板が滑ってったの慌てて捕まえに行きーの――してたらユウヤが消えた。


「……ま、ユウヤだから大丈夫だろ」


「……其れって大丈夫なんすか?」


「おま、……ユウヤがどうにかなる訳が無ぇだろ……!?」


「そんな常識無いみたいな目で見ないで下さい! え、其れ常識なんすか!?」


 ほぼ常識だろうが、シギったら駄目だなー。

 ――と、そうそう、俺もそうだがシギも全く疲れてないようだから暇だし朝のことについて聞いてみよう。


「んで、お前部屋で何やらかしたんだ?」


「はい?」


 何故其処でキョトンとした。少しも耳覚え無ぇのか。


「朝方にキレ気味のヒコクアサキ君がうちの部屋に流れてきたんですが?」


「……嗚呼!」


 今気付いたと言わんばかりに目が輝いたシギ、……本当怒られても知らねぇぞ俺様。

 しかし気付いたとなれば流石はシギ、おろおろとわたわたとばたばたと――ばたばたと? あ、こけた。


「うわっぷ、雪が口に入ったっす! うああ服にも入った冷たっ!!」


「見事な慌てっぷり過ぎて全俺が吹いた」


「真顔じゃないっすか!」


 頭から思いっきり雪に突っ込みやがった、ははっ、ざまあ。


「で? 何仕出かしたんだよ、ほれ」


「え、あ、ありがとうございます。ええと、別に何かをしたって訳じゃないんすけど……」


 差し出した俺の手を借りて立ち上がったシギが若干目を泳がしながら雪を軽く掃う。ええと、だのあのー、だの数回吃ってから苦笑したシギは、「すっごいくだらないんすけど……」なんて前置きをして頬を掻いた。



「――電気なんすよ」


「……は?」











「電気って?」


「えっとねー、俺って夜真っ暗じゃないと寝れない派でさー」


 ユウヤでっす、皆が休憩だっていうから俺も休憩しようとしたんだけど、――そのまま坂から落下しました、皆何処。辺りが吹雪いてきてて最早何も見えないし、仕方ないからたまたま会ったハク君に明け方の話を聞いてみた。



「そんで、シギは逆に暗いと寝れないらしくってー、じゃあどうしようかって話してたんだけど話してる内に話題がズレちゃってさー、結局二時くらいまで違う話してたんだけど其処ら辺で俺とシギが取っ組み合い始めてヒコク起こしちゃってー」


 何故人の弟が寝てる横で取っ組み合いを始めたんだろうか、「あ、別に喧嘩じゃないよ? ちなみに話し合いを始めたのも一時くらいからだしね、」って続けられたけど喧嘩じゃなくとも何故取っ組み合ったんだい。


「シギが瞬時に土下座したらヒコクも怒らなかったんだけどー、」


 瞬時に土下座ってシギ君……。


「ヒコクが寝たのって俺達が話し合い始めてからだったから事情知ってたし、どっちでも良いから早く寝ろって言ってまた寝たんだけどねー」


「……え、じゃあ何でアサ君キレ気味にこっちの部屋来たのよ」


 また寝たんなら良いじゃない、相当な五月蠅さでなければ其の後話してようがしまいがアサ君なら寝れるはずなんだけど……? 不思議そうな俺の顔とは対称的にハク君はへろんと特徴あるのほほん顔で首を傾げ、ただ一言、俺を納得させる一言を呟いた。




「ヒコクが部屋を出るまで其れが十五分毎くらいでエンドレスだったんだー」



 ――嗚呼、そりゃ参るって。






計十回以上叩き起こし騒ぎ続けた二人にガチ切れしなかったアサキの凄さ。

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