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299+一人と一匹での過ごし方。



 やっほー! ユウヤだよっ!

 何か全力で開放された気分☆ テストが終わったからかな、勉強しなくて良いからかな……! もう暫く勉強は良いよ……俺の頭がぱーんってなるよ……たった一教科みっちりやっただけなのに頭ぱーんってなる。皆何で勉強なんて出来るのかな? まぁでもそんなのもう気にしない! とりあえず後は冬休みまで学校なんて知らん!! 俺は休みをエンジョイするんだーい!!

 ――って訳で朝です、どういう訳とかは聞かない約束です。



「さあって、何をしようかな!」


 ちなみに今日はアサ君居ません、久し振りにユキ君ん家に出掛けるんだとか何とか。――にしたって朝の九時から出掛けるのは早くないか、何時だって体たらくな癖して出掛ける時はアクティヴなんだからもう。

 俺一人というか寂しいというか――いや、別に寂しくはないけど――何せやる事は無い。だって一人だしなぁ、ゲームしたっていうんだけど今やりたいゲーム無いしなぁ。……読書とか? 無理、漫画しか読めない、父さんとかアサ君みたくあーんな字の小さな字の羅列読み漁るなんて無理、特に父さんとかあれは無理だって、知ってる? 父さんの部屋って文学もんばっかなんだよ? アサ君みたくライトノベルとか挟んでくれるなら未だ良いけど――いや、俺は無理だけどね?

 コンピュータで遊んでも良いけど流石に飽きた、昨日勉強しなくて良い嬉しさにかまけて遊び過ぎてやることねぇよ。


 朝ご飯終わって洗濯して、だ。掃除したって良いけど未だ部屋汚れてないし、テレビでも見ようかなぁ……。

 何かもう趣味っていう趣味が無い自分に溜息をつきながらテレビリモコンを片手にソファに向かえば、其の白いソファの真ん中に何やら模様付きの何かを発見した。……嗚呼、そういえば俺一人じゃないんだっけ。


「ソファを一人占めとは良い度胸じゃないか」


 名も無きにゃんこ、ええと、我輩は猫である、名前は未だ無いってか。

 そんなことはどうだって良い、俺は座ろうとしていた場所ににゃんこが座っているではないか、君の家はテレビの横だろうに。リモコンで猫をつっついてみる、畜生反応しやがらねぇ。此処は横にどかすか……何故ど真ん中に座るんだ名も無き猫よ。

 丁度人が座れないよう計算して座ってるんだかは知らないけれど、本当何でど真ん中だよ、今の家主は俺なんだぞー! マヒル兄には凄い懐いてた癖に! マヒル兄が座ってると率先して膝に飛び乗った癖に!! ――俺の膝にも乗っかってくれないかな! ……あれ違う?


「おいにゃんこ」


「にゃう」


「畜生俺の負けだよ!!!!」


 可愛いなお前!! がつんと言ってやろうと思ったけど可愛い過ぎて何も言えねぇよ!! 自分のうなじでも強調させてんのか此の野郎、振り向き方がドツボじゃねぇか。此のにゃんこが女の子なら俺はもうメロメロだね! ……あれ? そういえば此のにゃんこってメスなのかな……? モモちゃんに聞き忘れた。

 しかし誰も居ないからって何時までもソファの裏手に立って馬鹿やってるのも性に合わない、ツッコミも居ないし本当の馬鹿みたいじゃん!! ……どうせ馬鹿だろって思った奴俺の前に出て来い。

 俺はとりあえず其処を退いて貰う為の作戦を立てることにした。ええと、やっぱ所詮はにゃんこな訳だから――



「にゃんこ! おやつの時間だぞ!」



 作戦一、食べ盛りの子猫なんだからえさで釣ればこんなもの――


「なう」


 猫は俺はいちいちキッチンから運んで来た食い物を一瞥するなり何事も無かったかように一声鳴いた。其れはもう見下すように。


「……」


「……」



 さ、作戦其の二! そうだね! 朝ご飯食べたばっかりだから要らないんだよね! 猫なので猫じゃらしでじゃらしてみる!!

 ……お、此れは効果的か? 其の名の通り猫パンチでじゃれているではありませんか! お、お、良い感じ良い感――飽きたし此の野郎、見事に飽きたし一切触れて来なくなったし。……一人で楽しんでた俺って一体。


 え、ええと、此処まで来たら最終作戦!



「猫さま、少々横に寄って頂けませんか」


 ――とりあえず頼んでみる。


 ――猫は何か言いたげな顔をしながら少々横に逸れた。……通じるもんだなぁ、……冗談だったのにって言ったら怒られるだろうか。

 にゃんこの気が変わらない内に座ることにしよう、回り込んでソファに座ってからまた猫を見たら、何とも愛らしい(※元々)表情をしたにゃんこと目が合った。





「……可愛過ぎるぞお前め!!!!」


 さっきまで自分が超気を遣っていたのを忘れて、俺は結局にゃんこを抱き上げましたとさ。

 やっぱり飼おうよ此の子! だってこんなに可愛いんだもん!!





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