278+人によってはハッピー週間。
はろう! ユウヤです! 空元気です!
「せんせー、ユウヤが蕩けてます」
「あらあら、ユウヤ君ったら」
元気な挨拶とは裏腹に机に突っ伏す俺、其の状態にカイト君が冗談を漏らせば、ほのちゃんは何だか暖かい眼差しを送って教室を後にしました。
「其の様子だと大変だったみてぇだな」
「聞かんといてカイト君、何か俺しょっくでまじでとろけそう」
そんなにかよ、と苦笑するカイト君。あれ、カイト君はそうでも無かったの? え?
そうそう、ただいま何の話をしているのかと言えば――考査のお話です。
「か、カイト君、まさかテスト上々だったなんて言わないよね……!?」
「あっはっは何言ってんだよ、俺様勿論素敵な結果が返って来ること間違い無し☆」(※色んな意味で)
其の爽やかな笑みで自信満々なことを言う――まぁ全然自信持てるもんじゃないんだけど――カイト君を見て、とりあえずほっとした俺。なあんだやっぱりそうだよねっ! えへへっ、良かった!
「二学期入って範囲広くなったよなー、つーか俺の許容範囲を遥かに凌駕してんぜ」
「俺は凌駕っていうか少しも入ってないよ」
「……いや、其れは入れろ」
高校入る時はあんなに勉強したのに、やっぱり無理です俺に勉強とか無理。あーあ、学校とか滅びるべきだよ!
「他の皆はどうだったんだろね?」
「さぁ? リョウコとかゼンとかに聞いたら聞くだけダメージ受けんの俺達だかんなぁ」
確かにね!
「――何の話をしているんだ?」
と、最早やけくそなトークになりかけていた俺達の所にミノルちゃんが現れた。あー、ミノルちゃんも勉強出来るんだよなぁ。
「今日のテストの出来の話だよー」
「ミノルは聞くまでも無くだろうな」
「ふむ、私も今回は其処まで出来たとは思わないが」
ミノルちゃんの其処までと俺の其処までの違いって一体何十点あるのだろうか。
「第一、テストというのは結果より経過、どれだけ本人が努力をしたかということが大事なんだろう?」
「「……」」
「確かに結果も大事だが、今の段階ならば経過を――って、おいお前達、何故私から目を逸らす……?」
「何も聞こえない!!」
「何かごめんなさい!!」
け、経過? ――分にも満たないやあはははは!!!!
「まぁ、何はさておき、明日も未だあるのだから今日からでも頑張れば良いんじゃないか?」
「頑張れるかなぁ……」
「あ、明日英語だから頑張れる」
「カイト君の裏切り者っ!」
ちっくしょう何気付いてんだばかやろう! 英語なんて日本語もままならない俺に出来るかってんだーい!
「はっはっは、英語だけはやんぞ、何時かアサキを越えてやる……!」
素敵な野望だけど、うちの弟の英語に対してのやる気の無さは尋常じゃないんだよね、なんて可哀相な無駄な覇気。……まぁ現段階だと其れでもアサ君の方が断然上らしいけど。
「目標は高く、だな、良い心掛けだ」
「ふははっ! そうと決まれば帰宅すんぞ!」
「ふーい」
俺には全くやる気ないけど、とっとと帰ってご飯食べたいのも事実なので、俺達は一組に向かいましたとさ。
嗚呼、半日なのに何だろう此の怠さ。