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263+てんてこまいに、てんてこまい。


「ねぇ! 買出し組何時帰って来るの!?」


「知らねぇよ!! もう少しで帰って来んじゃねぇか!?」


 ユウヤでっす! クラスメイトが喧嘩する勢いに言い合ってます! えへへっ、文化祭の準備期間ってこう皆に熱が篭ってて良いなぁ、――ま、そんなこと考えてる時間なんて全く無いんだけどね☆


「ヒコクユウヤ! アンタ暇なら生徒会行ってカーテン貰って来なさいっ!! 三つよ!!」


「うええ!? 俺!? っていうか俺暇じゃないよリョウちゃん!! ほらっ、こうやって制服を作って――」


「アンタ男の癖して器用ね! キリが良い時にお願いね!」


 元が真面目なだけあって、リョウちゃんは他の人より幾分せかせかと動いている。其の横のミノルちゃんは其れとは逆にのんびりしている――ように見えても多分急いでいるんだろうなぁ――から面白いコンビだよ、ちなみに二人はポスター作りをしているらしい。



「――皆! はいはい帰って参りました!」


「おっそくなってゴメンねー」


「あ、お帰り、カイト君にゼン君!」


 俺も早く終わらせちゃわないとなー、と思っていれば、色々買出しに出ていた買出し班(※班員二人)が帰って来た。


「ガムテープ!」


「はいよ」


「ビニルテープ!!」


「はい此れね」


「ビニル紐!!」


「投げるぞー」


「カッターくれー! はさみも!!」


「投げるぞー」


「其れは投げるなよ!?」


 二人は要求されていたものを手際良く皆に配分していた、でも流石に刃物投げちゃいけないよゼン君。


「よっすゆっ君、進んでる?」


「うん! ほら見て見て!」


 俺は自分が縫っていたものを広げ、今さっきまでチャリを漕いでいた癖に汗ひとつかいていないゼン君に其れを見せ付ける。


「おぉ、凄いねゆっ君、流石は専業主夫!」


「えっへへ! ありがとっ! 多分其れ褒めていないけど!!」


 何時から専業主夫だよ俺! 専業主夫はマヒル兄だよ!!

 そうそう、言ってなかったけど、俺のクラスの出し物は無難どころ突いて喫茶店になりました! あれだけ時間無かった癖に――今現在も存分に足りてないぞ!――そんな食べ物出す店なんて、って思うけど、此の案はほぼ俺が出したものだし仕方ない。皆も忙しいけど反対は無かったし――何より出し物を慎重に考えてる時間なんて、此れっぽっちも無かった訳だから……。


「あ! ゼン君! 今暇!?」


「ん? うん、今から生徒会の方手伝いに行かなきゃなー、くらいしか考えてなかったからね」


「ぅえ、何故に生徒か――嗚呼、そういえば三人しか居ないんだっけ」


 さっきリョウちゃんから頼まれたものを頼もうとしたんだけど、よく考えれば先輩達も大丈夫かな、三人で回ってるのだろうか?


「そーいうこと、まぁでもあっ君が手伝いに行ってるみたいだよ?」


「え、嘘、アサ君?」


「そそっ、さっき会ったのよ。都合付いたらこっち手伝え――って言われちゃったし、ハヤ先輩がくたばる前に行ってあげないと可哀相でしょ?」


 アサ君のクラスは教室準備の要らない出し物らしいから暇だったんだろうな、生徒会なんて所属した記憶無いんだけど、俺達はさっそくそういう扱いな訳だね分かります。ゼン君は「ゼン君ってばヤサシー」とか言ってたみたいだけど、俺には聞こえなかった。アサ君も引き摺られてったんだろうなぁ、ご愁傷様。


「という訳で、俺今から行っちゃうけど平気?」


「え? あ、うん、大丈夫! どうせならカイト君も持ってっちゃって良いよ! 皆に宜しく!」


「了解。おーいカイ君、生徒会室行くよー」


 やることが無いでいたカイト君を連れて、ゼン君は教室を後にした。買出しはもう無いだろうしね、あっちもどうにかしないと下手したらアサ君まで戦闘不能になっちゃうよ、あの子も体力無いんだから!!



「よーっし! 俺も頑張るぞー!!」


「ヒコクユウヤ、カーテン忘れないでね?」


 おっと、もう忘れてた。




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