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26+体は大切にね。


「ねぇねぇねぇ」


「なーにさ?」


「何かやろーよー!」


「いーねー」


 ちは、カイリッス。今日は体育でバスケをやるんでちょい楽しみだ!! 今は元気に十分間走!! 一、二組合同だからユウヤと走ってます。


「――……」


 アサキも居るけど既に戦闘不能なんで話しかけられん、喋らないよ此の人。生きてるのかな。


「じゃ、無難にしりとりやろーぜー!」


 此の五分間アップペースで走ってた奴の双子の片割れとは到底思えないぜ俺は。ま、んな事は放っといて!


「おーっし! んじゃあ何か条件付きでやろうぜー」


「そいじゃしりとりしながら喋ろう!!」


 ユウヤの意見はいつも突飛だと思う。今日はツッコミが居るけどないから大変だな!!


「じゃ、しりとりのー」


「とー!」


「……微妙な……位置」


 おおう、ボソッとアサキがツッコんだ……! 息切れ切れでもツッコむのか天性のツッコミは!!


「カイト君からー!」


「と? とー……、とりあえず暇」


「まぁ楽しいからよくない?」


「……」


「……」


「……次アサ君だよ?」


「え……僕入ってんの……?」


「もち」


「――著しく生命活動の危機を感じる」


 深い。

 疲れて思考回ってないはずなのに深いってか濃い。


「類似点は感じるな」


「なら少し速度落とそうか?」


「確実にそれを望む」


「無理はすんな、そうしようぜ」


「絶対アサ君此の後しぬよね」


「熱出す事はないから安心しとけ」


「結構アサキ喋ってられるのね」


「ねー、俺意外。死ぬかと思ったよー」


「容易に人を殺せると思ったら大間違いだ」


「だからってアサキが生きてるのは奇跡」


「奇跡だよね、アサ君がもう十分走ってるよ」


「よく言う、僕だって走りたくな――」



『終わりー! 集合ー!!』


 ありゃ……案外早く終わったな……。おお、やっぱ喋ってると終わるの早いなー、ユウヤに至っては息すら上がってないからある意味怖い。……あ、俺もだった。


「はあ……あー……」


「ちょ、あー君真面目平気?」


「死ぬ……これ以上生命に衝撃を与えたら死ぬ……」


 アサキフラフラだな。フラフラだよ、フラフラミンゴだよ……何でも無いよ、ボケただけだよ……!!


「……」


「あー君真っ直ぐ歩こうよ、ぐったりし過ぎだと思うよお兄ちゃん」


「……」


「せんせー! アサキフラフラ過ぎなんで休ませて良いですかー!!!!」


 とりあえず俺は叫んでおいた。






 所は変わりませんがユウヤです、アサ君が準備運動の時点で体育館のマットにぐったりしているのを見て流石に大丈夫か心配です。にしても我が弟ながらやわっちーなーと思ったり思ったり。

 ただ今一組バーサス二組でバスケの試合中ー。点数は六対二十。え? だって俺がフルカウントで出てるもん。


「うぉらー!!!! ユウヤ引っ込めやー!!!!」


「誰が引っ込むかー!! 負けたら腕立て伏せとか嫌だもーん!!」


 腕立て伏せなんていーやーだー!! っていう感じからフルで出てますはい。


「だったら、此の俺様が相手だぜ!!」


『来たー! 行けーカイトー!!』


「俺はカイリだ覚えろクラスの取り巻き共!!!!」


 お、一組切っての運動馬鹿がやってきましたね、ふふふ。……今人の事言えないって言った奴俺ん前に出てこいや。

 カイト君の参上、ジャージをバサッと脱ぎ捨てて舞台から降りてきました。俺と勝負だと……?


「――君とは何時か決着をつけるべきだと思ってたんだ」


「――嗚呼、俺もだよ、ユウヤ」


 ひゅおおおおおー……(※風の音のつもり)



「……後十分だから急いだ方が……」


「「五月蝿い二等兵!!」」


「チアキだよ!!」


 五月蝿いクラスメートに褐を入れた所で、試合かーいし!






 五分後。

 十五対二十四。……おお、カイト君強い。シュート率が無駄に高いよ。まぁ後五分だから追いつかれやしな――


「大佐! 残り五分です!!」


「よし来た! 報告ご苦労軍曹!!」


 あ、この前雪合戦で隊長だった人。あの人位は軍曹だったんだ……カイト大佐……面白いね。


「選手交代! 奇跡のエースを最後の五分で入れるぜ!! ――アサキ!」


 何!? 此処でアサ君を使ってくるとは……! 相変わらずぐでってるから今回は出て来ないと思っていたものの……完璧な誤算だ!!

 コートにすってけてーと現れたアサ君は何時もの倍かったるそう。


「五分なら保つだろ!」


「僕のバッテリーは三分が上等」


「何時からお前はカップラーメンだ」


 と言いつつやる気満々なアサ君。あれ……何でこんなにやる気なのアサ君。奇跡のエース発動中はアサ君俺より運動神経良いしカイト君も居るんじゃ……――勝ち目なくね?


 ――シュパン


「え?」


「兄よ、試合は始まっているぞ」


 ……そんな華麗に3Pシュート決めながら言われても。





 ――案の定負けました。






 やっほ! カイトに戻りましてカイリッス! 勝った勝ったー!! 見事な逆転勝ちー!! 二十九対二十八で勝ったやっほー!!!!


「そんなに喜ばないでよー、俺達が惨めになる」


「お前は腕立て伏せ終えるのが早い」


 先生数分前に五十回って言ってたんだけどな?


「ねね、そういえば一組にあるあの軍のシステムみたいの何?」


「あー、ただの遊びだ。権力とか実力で勝手についたあだ名みたいな?」


 確か最初に誰かがサックラ先生を「提督!」とか呼んだのが始めだったかな……? つかもはやサクライ提督って凄ぇな……。


「楽しそー!!」


 食いついちゃった。


「ねね、アサ君は何?」


「参謀」


「何其れ」


「策士だよ、頭良いし。うちのクラスでずば抜けて頭良いんですよ彼」


 他がほぼ馬鹿ばっかなのは秘密だ。


「ちなみにユウヤは皆“派遣”と呼んでいる」


「何故派遣」


「派遣社員な勢いでよく来るから」


 ね、雪合戦っとか。

 うちのクラスによく居るし。……って、そういやアサキは……?


「……」


 あ、またマットでぐでってる。


「ロクジョー」


「はい」


「次の時間サボッていいから保健室に行け、とヒコクに伝えろ」


「イエッサー」


 体育教師の判断でした。

 無理は禁物だよ。例えクラスの頼みでもね。



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