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358+最終日に向けて。


「へぇ……ハザラさんに誕生日あったんだな」


 そりゃあるだろうよマイブラザー、そんなツッコミが入るべき一言を呟いたのは紛れも無い我が長兄なんだけども、アサキです。


「ハザラさんて、何か其処ら辺から生えててもおかしくないイメージが……」


 我が兄ながら珍しく馬鹿みたいな発言をしている、どうしたんだよマヒル。しかも真顔だからツッコむにツッコめないよ。


 ハザラさんが畑――まあ少し大きな家庭菜園程度だが――にうちの両親を連れ出してしまっている所為で、食事買出し係と化しているマヒルが帰って来て、先程した話を打ち明けた途端こうだ、お前も所詮はユウヤの兄貴という訳だよ。


「まぁ、サプライズパーティーは悪くねぇと思うけど?」


「だよねマヒル兄! さっすがは我等が司令塔!!」


「何時から俺が司令塔なんだよ、つーか今話聞いただろうが」


 ユウリに集られて苦笑しながらそう言うけど、其処まで嫌という訳ではないみたいだ。


「まぁパーティーってくらいだからケーキとか買って来て、其れで充分だと思うぜ俺」


「そーは行かないんだよマヒルお兄」


 うん、背後から声した、うん、背後で何やってるのかなオトワ。

 マヒルの買出しに付き合っていたオトワが、何故だか僕の背後からそう言った。何お前、僕を驚かすのが趣味なのかよ。一切顔には出さなかったけど、オトワに前に来るように言ってから僕は思った。


「? どういうことだ?」


「うちの近くに、ケーキ屋さんが無い」


「さっすが田舎!」


 何がそんなに楽しいんだユウヤ。


「じゃあ作ればいいだろ、ユウヤが」


「嗚呼そうだよ、ユウヤが作れば良いよ」


「そうだね! 俺が作れば――てちょい待てリトルブラザーアンド…………」


「older か elder か big な、まあ兄弟を表す単語は別にそうつけなくても――」


「はいはい分かりましたオールダーブラザー!! 今は勉強はいいです!! 畜生発音良いなっ!!!!」


 ユウヤがキレた、無駄に英語使おうとするからだマヒルにツッコまれるんだよ。



「で、俺ケーキとか作ったことないよ? 大丈夫かな?」


「お前なら出来る」


「え、根拠無くね?」


「ママはユウヤが作ったケーキならまずくても食うから安心しろ」


「出来なくない!? ねぇ、出来なくない!?」


 無駄に自信満々なユウリの顔にも、ユウヤはそうやって取り乱していた。確かにユウヤがケーキ作るのなんて見たこと無いな、あるとしたらランの弟がお菓子作り大好きってことくらいじゃないか、あれ此れ他人。


「まぁとにかく、やるっきゃないからやるんだユウヤ、ユウリも手伝ってやれよ?」


「勿の論! あたしに任せればもう何も心配は要らないね!!」


「俺は母さん達の様子見てくるわ」


「じゃあ俺は足りないもの買ってくる、アサキお兄も一緒に行ってくれる……?」


「……良いけど」


 オトワの頼みだけは断れないんだよな、僕。

 という訳で各々分かれて明後日の為に急遽準備することになった訳だけど。


 ……大丈夫かな、此れ。




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