254+暑い日に食べたいもの。
「よおおっし! 明日は遊ぶぞおおおおっ!!」
数日で夏風邪から復活した馬鹿が何か言ってる、アサキです。
どう考えてもそこまで騒ぐ内容じゃないと思うんだけれど、もうツッコむのが面倒だから僕――基僕とマヒルとオトワはそんなユウリをスルーしておいた。ちなみにユウヤはハザラさんと母さんと買い物に行った。
「キャンプ行くからなキャンプ! 近くの河原でバーベキューすんぜ!」
「頑張れユウリ」
「頑張れ」
「え、ちょ、アサキもマヒル兄も手伝ってくれないのかよ!! 男手って大事だろうが!」
「じゃあ、俺が手伝おうか?」
「さっすがはオト~!」
「いや、オトワがやんなら俺やるよ」
正直アウトドア行事とか無理なんですけど、でもオトワがやるってのにやらないのはどうかと思う。マヒルもそう思ってたらしく即答で意見を切り替えたけどええ、僕はやりませんけど?
「……疲れた」
「本当、何も無いのって疲れるよな」
「騒がしいよりはマシだよ」
「おやオトワ、何故お姉ちゃんを見てそんなことを言うのかな?」
それじゃなくても騒がしいのが多いんだから、どうせならユウリも着いて行けば静かで良かったのに。
「でもあれだよな、オトワ」
「ん、何、アサキお兄」
「僕等が居ない時、ユウリとハザラさんのテンションを一人で総受けって怠くないの」
「ちょ、アサキ何聞いてんだよ」
「怠いよ」
怠いんだやっぱり。
ユウリは何だって!? とでも言いたげな表情――ていうか今知ったのかよ――をして「おおおおおとくん!?」と凄く吃って五月蝿かった、マヒルは陽気に笑ってるだけだし。
「でも、見てる分には面白いから良いと思う」
寛大な心だ、僕だったら蹴り飛ばしている、うちは普段一人で良かった。
「お茶しばきながらとかが一番良いと思う」
「茶ァしばきながら母親と姉ちゃん見てんのかお前は」
暢気というか、マイペースというか。
騒ぐ二人を見つつ茶をしばくオトワ――何故だろう、とても容易に想像出来るんだけど。かくいう僕も基本そんなな自覚があるけれど、小学生の頃からそんなスキルがあったかと言われれば否だ。
「楽しいよ、お姉もお母さんも実に五月蝿くて」
「褒められてるのか……? これは褒められてるのかあたし……?」
「そういうことにしとけば?」
そうしないと五月蝿いからね。
「たっだいまー!」
「おっかえりー! ママ達! ……ん、ユウヤ、何持ってんだお前」
「え、此れ? ホットプレートだけど」
「今日のお昼はこれでお好み焼きよ~!!」
「「暑ィよド阿呆」」
空気読め。