252+GC部の上級生達の日常。
「ちょっ、うおおおっ!」
「ふふっ、この勝負、私の勝ちね」
「相変わらずだなサチト、落ちゲーの弱さ」
ちっくしょおおおおおおっ! 俺だってなあああああああっ!
という訳で俺だ、サチトだ、仕方ねぇじゃん! 決して俺が弱い訳じゃねぇ! フウカの落ちゲーのプロさがぱねぇんだ!!!!
とか何とか。
只今俺達はハヤの家でゲーム大会――という訳ではない。へん、俺達だってたまには違うことすんだよ! お盆に入る前に宿題潰しちまおうっていう話をしていたんだが、俺とフウカが早速飽きて休憩にしている。目の前にゲームがあるのに宿題なんざやっていれるかーい!!
「お前達……何の為に俺の家に来たか、覚えてるよな?」
「覚えてるけどさぁ」
「疲れたんだもん」
「……はあ」
掛けていた眼鏡を外して、ひとり机に向かっていたハヤは深く深く溜息をついた。……ていうか、お前こそ休めよ、家ン中で倒れるとかやめろよ?
「ハヤはもう宿題終わったの?」
「え、嗚呼、俺は後人権作文だけだが」
「早ッ!! 何其の脅威のスピード!! キモッ!!」
「人を気持ち悪がってる暇があるならお前はとっとと続きをやれ」
一番続いてないだろうが、と再び溜息をつく生徒会長さまのお姿は実に様になっていました。
畜生、俺だってな、俺だってやる気にさえなれば宿題のひとつやふたつやみっつ(※以下略)
一時間後。
「ハヤ、このゲームやっても良い?」
「嗚呼、データ容量がひとつ余ってただろ、其れ使って構わないぞ」
ちっきしょおおおおおおおお!!!! 何なんだよ此の二人!! 俺だけ取り残して宿題全部終わらせやがった!!!!!
フウカに至っては一緒にゲームやってた癖にスピードぱねぇじゃねぇかよオイ! 此れが差か!? 秀才と凡人の差なのか!?
「……」
「サチト、手が止まってるぞ」
「うるせぇ! お前は何時までもパソコンに向かってないで少し休みやがれってんだ! 身体に障んぞ!!」
「……心配掛けてすまない」
愚痴を言うつもりが何時もの癖で呼び掛けに終わってしまった、俺の馬鹿!
GC部――言われなくともゲームクリエイト部はゲームをクリエイトしてこそGC部なんだが、やってんのは本当にハヤだけであって、他は基本ゲームをやっているだけである。部長の俺でこそ何も出来ないからな! 情報の授業なんざ苦手分野だぜ!
ハヤはきっと今も何か作っているんだろうけど、完成するまで見せてくれないし、其れまでは何時も放っておく。案外安易なゲーム作るんだけど、其れが面白いんだよな全く。
「サチ、サチト」
「ん、何だよフウカ」
「此のコマンドやって」
「……ははん、此の天下のサチト様に頼るとはお前もなかなか――」
「面倒臭い」
「ゴルァ!!」
「ほらサチト、早くやってやれ、そしてお前は宿題に戻れ」
「ったく――って、ハヤ、お前何立ってんだ?」
「嗚呼、休憩にしようと思って飲み物を取りに行こうと思ったんだが、――立ち眩みで目の前が真っ暗だ」
「だああああああッ!!!!! お前って奴はあああああッ!!!!! 良いからっ、俺が持ってきてやっから座ってなさい!!」
「いや、しかし」
「良いから!!」
ホント、手の掛かる奴等だよ!!
でもこんな日常だから、楽しいのかもしれない。