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251+久しぶりだよ。


「アッサくーん!」


 僕を呼ぶその声で起きた。いや、未だ全然昼間なんだけど、とんでもない暇さとクーラーの涼しさに負けた。アサキです。


「……何」


 寝ている僕を起こすなんてこと、滅多にしないユウヤだからこそ起こされると何があるのか考えさせられる。……あれ、何処に居るのあいつ。


「ごめんアサ君! お客さんなんだけど出てくれる!?」


「……」


 外に居た。どうやら洗濯物と格闘しているらしい、……仕方ない、出てやろう。

 黙ったまま立ち上ってそのまま玄関へ、と思ったけど、インターフォンがあるんだから使ってみようかと思った。……普通は皆使うらしいんだけどね。


「はい」


『あ、えーっと、ワタヌキです』


「……どなたですか」


『え? ええと、ユウヤ君とアサキ君の友達でーす』


 ……うん?


『あっれー、なぁシギ、此処で良いんだよな?』


『へっ!? あってるはずっすよ!?』


 ……あ、此の声って。


「……ゼン君と、フドウ?」


『お、もしかして其方はあっ君? そうそうっ、ゼン君だよ~』


『お久しぶりっす!』


 何で玄関先に此の二人が居るんだよ、え、家教えたことあったか? ……嗚呼、フドウには教えたか。


「で、何か用?」


『ふっつーに遊び来ただけよーん、さっきゆっ君に電話したはずなんだけど』


 当の本人せっせと洗濯物干してるけどな。どうやら僕が寝ている間に進んだ話のようだ。

 とりあえず面倒なので中に通せば、久しぶりに見る茶髪と……あれ?


「フドウ、何でお前金髪になってんの」


「聞かないで欲しいっす」


 何か深い理由があるらしい、久しぶりに見るネガティヴモードの表情だ。

 一ヶ月前までただの黒だったはずの髪がすっかり金髪になっている、僕の周りというのはどうしてこう髪の色がころころ変わる人多いんだか。


「あ、二人共いらっしゃーい! ちょっと待ってて! 此れ終わったら飲み物出すから!!」


 此れ、というのは勿論洗濯物なんだけれど。せっせと忙しなく動くユウヤを目で追ってから二人は、ソファに座る僕を見た。


「良い嫁さんになりそうだな」


「誰のだよ」


 誰でも構わないけど、あんな夫絶対嫌だと思うんだけど。

 しかしユウヤがああ動いているのにこのまま座っているのも気が引ける――普段なら全く感じないけど――。という訳で仕方ないから飲み物を出してやることにした、ありがたく思いやがれ。


「いやー、すんずしー、本当に外あっつくてさあ」


「暑かったっすねー」


「じゃあ来なきゃ良かったじゃん」


「暇だったんだから良いじゃーん、第一ゆっ君が言ったんだぜ? うち来れば? って」


 知るか、僕は寝てたんだっつの。


「ヒコク君は外出たくないだろうからってお兄さんが仰っていましたし!」


「……まあ確かに」


 此の糞暑い中、僕が目的も無く外に出る訳が無い。ゼン君もフドウも汗びっしょりじゃないか、余計出たくないね。というか前から言いたかったんだけどフドウ、お前何でユウヤに対して敬語なんだよ。



「お待たせー! ってわぁ! アサ君お茶出してくれたんだー!!」


「うん」


「珍しいね! 滅多に動かないのに! ありがとっ!!」


 ある意味当然なことな気もするんだけれど、まあ確かに滅多に無いことなので黙っておくこととする。


「ゆっ君偉いねぇ、家事なんて俺一切しないけど」


「あははっ、俺達ん家は親が日中居ないからね」


「今は居るけどな」


 集中し出したら止まらない父親がな。今は本を読み出して止まらない様子だけど。


「でも、俺が好きでやってるんだから良いんだよー」


「そして僕は嫌いだからやらない」


「正論だねあっ君」


 苦笑されましたが何か。家事なんて出来る訳無いじゃん、やって面倒を増やすなら僕はやらないよ。言われたことに対してひとつ溜息を付けば、ゼン君に苦笑されたんだけれど。



「――というこーとーでー、四人で何かして遊びましょー?」


「やっほい賛成! といってもうちゲームくらいしか無いけどね!」


 充分に涼んだところでゼン君が何故が立ち上がりつつ言った。ユウヤもノリノリなところ悪いんだが先に言っとく、僕は寝起きだ。


「げ、ゲームっすか……ボク、そんなに得意じゃないけど大丈夫っすか?」


「大丈夫じゃね、どうせゲームだし」


 よく考えるとフドウ抜けば皆GC部だな、そういやあの先輩共元気だろうか。


「よーし! そんじゃあ勝負勝負ー!!」


「おー!」




 はあ、もっかいだけ言わせて、僕、寝起きだってば。




 


 

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