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25+一瞬キレそうになりました。


 今日の数学の時間がやって参りました。


「アサキ、ちょっと良いか?」


 何だか知らないけどサクライ先生に呼び出し喰らった。他の生徒は待ってろーと言った先生に連れられ、廊下で引き攣り笑顔の先生とご対面ですアサキです。


「何です先生」


「いや、な? 俺はお前が勉強面に関してナメてるけどナメてない事は知ってるんだ」


 どっちッスか。


「宿題は忘れてたら、徹夜してでもやってくるくらいちゃんとしてくるのは了承済みだ」


「はい、其れが」


「今日朝提出してきた数学はどういう了見だ?」


 ……うん?

 朝提出した数学プリントの事か……? 普通に出したつもりだったが……あ、一枚くらい出し忘れたのかな。


「すみません、ちょっと鞄から探して――」


「見ろ」


 そう言って僕が身を翻そうかとした途端、サクライ先生が僕の宿題を突き付けてきました。

 ……なーんも変哲もないじゃないですか、つか普通に五枚あるじゃないです――


 ん?


“名前 緋刻朝杞”


 の隣に


“数学なんてちょろいZE☆

 俺様にかかりゃおちゃのこサイサイ”


 とよく分からない表記を発見。そこでサクライ先生からプリントを掻っ払って二枚目を見てみる。


“x=怪盗だってそんなかんじ”

“おひゃひょーい”


 とか書いてある。三枚目。


“数学なんて死ねばいいのに”


 急に鬱だな。四枚目。


“にぱ☆”


 五枚目。

 数々ある計算式の最後に“49”と書き足されていて莫大な数字になっている。


 勿論全部、書いた覚えはない。


「……」


「アサキ、先生に分かる様に説め――」


「書き覚えはないですが、思い当たる節が二点ありますので待ってて下さい」


 先生の言葉を遮って僕はニッコリ笑った。まぁニッコリだったかは分からないけど。もしかしたらニヤリかもしれん。

 先生に預けて僕は向かう、思い当たる節に。


 ガラッ


『あれ?アサキ君今授業中……』


『あれアサくーん! 俺に逢いたくなっちゃっいたたたたた!!!! アサキ! アサキが今ゴミの如く掴んで引きずっているのは君のお兄さちゃんだ!!』


『先生、私用で此れ借ります』


『私用じゃ駄目だよアサ君!?』


『嗚呼、うん良いよ、ゴミですもんね』


『あーやせんせー!!!!』






「で、主犯はどっちだ」


「何がー? ――ごめんなさい言います言うから懐から護身用が当たり前みたいにカッター出さないで!」


「何だ、馬鹿兄貴の所為だったのか」


 廊下にて。

 隣のクラスで燻っていた兄を捕獲。そして――


「にゃー……」


 あ、猫じゃないよ此れ。怠そうに鳴いただけのカイトだから。


「確実にお前等貸した時に何かしただろ」


「あったり前だぜ!」


「自信満々に言うなカイリ」


 親指突き立て元気に言われても僕は許さんぞ。ツッコミは先生に任した。


「だってアサキの出来すぎててムカついたんだもーん」


「もーん!」


「しねばいいのに」


「おいアサキ」


「何です先生」


「こいつ等に見せた後に確認すりゃ良かったのにな」


「誰がそんな面倒を」


「おい」


「てかいっちー先生の前で見せたとか言うなー! 見てやったのバレただろー!」


「いや、今までの全て見たって分かってるから安心しろ」


「良かったー――って安心出来なさ過ぎる!!!!」


 グダグダ且つグダグダになって来たので方向修正。


「で、書いたのどっちだ」


「「どっちも」」


「先生こいつ等に煙突を」


「そうだな」


「待ってサクライ先生! ごめんなさいだから! 流石に1あったら父さんの仕事に支障が出るから!!」


「うちも! ……いや、特に無いや」


 無いのかロクジョー家。


「人の宿題に無闇に落書きはいけないぞお前等。今後気をつける様に」


「「はい」」


 うん。まぁこんなもんで許してやろう。こいつ等が馬鹿なのは何時もの事だしな、僕がどう出来る訳でもないだろう。反省したならそれで良い。皆もそういうのはやめた方が良いよ、成績関連は下手したら友達を失うぞ。


「んじゃ授業戻れユウヤ」


「ういさ、んじゃーねアサくーん」


 ゴミがゴミ箱に帰って逝く。


「帰らないよ」


 だから心を読むな。



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