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244+今年の祝日。

「今日は海の日ですね」


 何時だってクーラーガンガンなリビングで熱いお茶を啜りつつ、父さんがぽつりと呟いた。ユウヤでっす。


「うん、だから俺達休みなんだもん、ねえアサ君?」


「うん」


 休みの日のアサキって大抵テレビの前陣取ってるんだけれど、今日も例外は無かった。最早デジャヴだよ本当に、誰かこの弟に意外性って言葉を教えてあげて欲しいんだけど!


「ユウヤ、海の日はどんな日か知っているかい?」


「え? ええと、海の日? 海の日はー……海の日だよ」


「……」


 嗚呼! 微妙な顔された!


「アサキは分かるかな?」


「知らん。海に感謝するとかじゃないの」


「うん、大方正解」


 え、そんなので良かったんだ。


「海の恩恵に感謝する日、ってところかな、他にもあるんですけれど」


「ふえー」


 特に捻りがある訳じゃ無いんだね、テレビ画面から全く目を離さないアサ君に当てられちゃうくらしだし。


「でも父さん、海の日って二十日じゃなかったっけ?」


「おや、ユウヤでも其れは知ってたんだね」


 へっへー、――父さん、褒めてないね其れ。


「二十日だったんだけれど、……ええと、……何とかマンデー制度とかで……何だったかな?」


「何とか?」


「無理矢理連休にしよう、みたいな制度でね、だから今日になってるんだ、け、ど……スペシャル……じゃないな……」


「スーパー?」


「ハッピーだド阿呆」


「何だよ、アサ君知ってるなら早く教えてよ」


「はん、この僕が祝日関連の話で知らないことなんてある訳ないだろう」


 うわあ凄く自慢げ。でもアサ君、何かが違うよ其れは。


「そうそう、ハッピーマンデー制度。其のお陰で三連休が増えるんじゃないですかね?」


「そうなんだ! ……でも俺的には水曜とかに休みがあってくれた方が良いなー」


「どうしてです?」


「週の途中に休みの方が俺は嬉しい! アサ君は?」


 確かに連休は嬉しいけど、ど真ん中に休みとかあったら二日区切りとかで楽じゃない?

 俺はそんな自分の考えを口にしてから、話をアサキに回してみたんだけど。


「――毎日が休みならいいのに」


 なんか回さなきゃ良かったかな。


「其れは僕も思うよー」


「ああもうっ! 此の駄目な親子何なんだよー!」


 父さんはにこにこしながら普通に同意したし! 確かに休みなら嬉しいけど! 少しは頑張ろうよ! 今週から夏休みだよ!!


「約四十日連休って良いねー、僕も学生時代に戻りたいよ」


「夏休み休む気満々な父さんが何を」


 確かにアサ君のツッコミが最も過ぎる。




「昨年でしたっけ? GWに続きSWがあったのは」


 そして話はまた連休の話に。


「そうじゃなかったっけ? 九月?」


 アサ君が頷いたので間違いは無さそうだ。


「アレは本当に偶然な連休らしいので、今年は来ないんですよね」


「えー、来ないのー!?」


「ええ、再来年も来ないんじゃなかったかな?」


 じゃあ何時来るんだよ! SWカムバック!

 そして何か思いついた俺はアサ君を見てみた。自分が休めることに関しては神的感性を誇るアサ君なら何時来るか分かるんじゃないかなー……なんて。




「五年後」


「やっぱ知ってるんかい!」


 しかも五年後って、オリンピックより遠いな! ていうか閏年よりも待ち遠しいって何それ!!


「ちなみに五年周期って訳でも無いよ、閏年の関係で一年ズレる時あるから」


「ヤケに詳しいね……、携帯で調べたの?」


「調べたというか、ただただ気になった」


 祝日にどれだけ命掛けてるんだよアサ君。

 父さんは楽しそうに笑っているだけで、一向にツッコもうとしないし、こういう時本当にマヒル兄が恋しくなるよね! ツッコミカムバック!


「まあSWでなくとも本家のGWがあるんだから良しとしようよ」


「うーん、まあ、そうだねー」


 とりあえず直ぐ間近に夏休みがある訳だし、今日のところは良しとしよっか! うん!




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