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243+梅雨明け後の真夏日。


 ユウヤでっす! 滅茶苦茶暑いぜこん畜生! さっきテレビで梅雨明けしたって聞いたけど、だからっていきなりこんだけ暑いのはいけない! 蕩ける!


「ねっ、アサ君!?」


「……何が?」


 嗚呼、口に出していなかった。

 朝から微妙に暑くても結構我慢してた俺だけど、アサ君は起きたら即クーラー付けやがったからにとっても涼しいリビングです。

 え? 何で暑いかって? ――まあ、簡単に言えばクーラーで補えない暑さの中に居るんだよね。


「暑さだよ、あーつーさー!」


「嗚呼、そうだね」


 クーラーの中に居るからって軽い返事だなおい!

 こっちはクーラーで補えない暑さ――キッチンで料理中だってのに!


「其処そんなに暑いなら、手間の掛からないモン作れば良かったじゃん」


「ええ!? リゾット食べたいって言ったの誰!?」


 ゲームやりながらそう言った癖に!


「言ったは言ったけど、其処まで手間掛かるならそんなに……」


「や、リゾットはそうでもないんだけど、暇だからミートソース作ってるんだよ」


「……完全にお前の所為じゃねえの其れ」


 そうだった。



「ただいま帰りました」


 そうしてそのまま数分鍋と格闘していたら、誰かが帰って来た。

 あれー、こんな午前中に帰って来る人なんて我が家に居たっけ? とちょっと考えてみた。マヒル兄?


「はあー、涼しいですね」


「父さんどうしたの」


「ぅえ、父さん!?」


 まさか! 一番確立の低い人だよ其れ!

 アサ君の一件で暫くは自宅帰還していた父さんだけど、直ぐに何時も通り帰って来なくなった。流石はアサ君の父親だよ、毎回思うけど面倒だから帰らないって何なの。

 なのにどうした父よ、ひと月にそう何度も帰って来られるとこっちが怖いよ! 天変地異でも起きるんじゃないの!?


「うん、父さんですよ、……何か不都合でもありましたか?」


「いいいいいいえ! 全然! 寧ろうえるかも!」


「かもって何だよ」


 何やらきょとりとしている父さんは、一人テレビを占領するアサ君を一瞥してからダイニングテーブルに座った。


「うちの暴君は元気だね」


「クーラーがあれば何時でもこんなだよ。……で、父さん、今回の帰還理由は?」


 何が楽しいのかにっこにこな父さんにそう聞けば、え? 理由? と前置いてからより笑顔を濃くして呟いた。


「だって夏休みだよ?」


「…………え?」


 夏休み、だと?


「ねえ父さん」


「何ですか?」


「父さん、社会人だよね?」


 何がっつり夏休もうとしてるんだろうかこの人は。本来のツッコミがゲームに夢中なので俺が心の中のみでツッコんでおく。父さんの笑顔って本当に屈託なくてツッコミづらいんだよなあ、ユキちゃんとは何か違う、そしてアスカはもっと違う。


「社会人にも夏休みは必要なんですよ? ほら、また里帰りもしたいし」


「それはそうだけど、何時まで休むのさ」


「勿論八月一杯だけれど」


 おおう、やっぱり悪気とかそういうものが見当たらない……、仕事先の人達、困ってないのかな……。

 ――とかなんとか考えて俺は溜息をついたんだけど、このまま考えてたって父さんが仕事に行く訳でもないからもう考えるのは止そうと思い直した。ていうか俺的には父さんが家に居た方が嬉しいし!



「アサ君出来たよー、あ、父さん昼ご飯食べる?」


「はい、頂きますね」


 さあて、ご飯ご飯!






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