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238+前を振り返ってみて。


「ふっかーつ!」


 はいはいあいあいこんにちは! 完全復活ユウヤです☆

 え、まず何から復活したのか知らないって? もっちろん――テスト勉強……?

 結果なんてどうだっていい! 今はテストが終わったことに関しての喜びを思いっきり叫ぼう!


「おわたー!!!!」


「うるせえよ」


 うんもうよそう、一回が限度だよね。

 と、言う訳で後は夏休みになるのを待つだけなんだけれど、とりあえずアサ君のクラスに来てみた俺――と他数名、要するに皆居るんだよね! ホント暇人ばっかり!



「――うん? アサ君メール?」


 声に出したら怒られそうなことを考えていたら、珍しくも我が弟が携帯を弄っていた。あまりにも使われなくて可哀相なブルーの携帯、……まあ、俺も余り使わないんだけどさ。


「うん」


「誰?」


「ミトウ」


「……ミトウ?」


 誰? と聞こうかと思ったけれど、よく考えたら思い出せた。セイタ君ねセイタ君、何だか凄く懐かしい名前だよ。


「ミトウ? お前ミトウとそんなに仲良かったか?」


「普通」


 そんな懐かしの彼を覚えていたらしいカイト君――残念ながらリョウちゃんは知らないようだ――は、何とも怪訝そうな表情でアサ君を見た。


「どっちかってっとハルナとかの方が仲良かったイメージが……」


「そうでもない」


「去年クラスで一番仲良かったのセイタ君なの?」


「多分」


 へえ、俺もちょっと意外。名前の順とかの関係もあったしどっちかって言ったら――あ、今俺の口が滑いけないこと言ったっぽい、いち早く気付いた俺はアサ君に耳打ちしておいた。


「(アサ君、カイト君が目に見えて落ち込んでる)」


 一番仲良かったの部分に引っ掛かったんだろうね、セイタ君が一番仲良かったとか話したからか目が一瞬で死んだ。

 けれどアサ君はやはりアサ君で、全く気にしていない、というか面倒臭い、といった呆れた表情をしてカイト君を一瞥した。


「(此処は言い直した方が――)」 


「何でよ」


「え、だって」


「アレだよ、カイトはとりあえず別扱い」


 こっちが気を遣ってるのが馬鹿馬鹿しいくらい同テンションで話すものだから、此方の声のトーンも元に戻ってしまった。……別扱い? ……あ、そっか、アサ君にとってカイト君は仲良いのが当たり前なんだもんね。

 カイト君もおんなじような解釈をしたのか、ちょっと嬉しそうな顔をしていた。隠そうとしてるのかな、隠せてないよ全く。



「中学の友達かー、俺ぁ最近メールもしてないねぇ」


 少々落ち着いた頃、今まで会話に入って来なかった――別名入って来れなかった――別中学のゼン君がそう呟いた。


「私もね、会ってるのなんて近所の友達くらいよ」


 恐らくモモちゃんの話をしながらはあ、と溜息をついたリョウちゃん。

 まあ、中学の時は同じクラスになったことなかったから、リョウちゃんの友達関係とか特に知らないんだけどさ。


「フドウ」


「はい?」


「お前友達居たの?」


「はい!?」


 ――って、放っておいたらアサ君なんて話題振ってるの。シギ君がマジびっくりしてるんだけれど。


「い、いいいい居たっすよ! 何言うんすか!」


「いや、だってなんか……居なさそう」


「そんなことないっす! ええと、ゼン君でしょ、さっちゃんでしょ……」


「ちなみにさっちゃんてのはサチトんことだからー」



 ゼン君の補足の後、暫しの沈黙が走った。



「――やめてあげてっ! しぎしぎをこれ以上苛めちゃ駄目だよっ!!」


 ついに絶えられなくなったテナちゃんがシギ君を抱えた、まあ、気持ちは分かるよ。


「別に苛めてる訳ではなんだが、今回は僕が謝ろう、ごめん」


「ヒコク君謝らないで下さいよ! なんか僕が本当に友達居なかったみた――ちょっとひこっ、その憐れみの目止して下さいっす!」


「大丈夫だよしぎしぎ、テナとあー君が守ってあげるからね?」


「だああああ! 違うっすよおおおおお!」


 まあ、何か騒いでるけどそういうことで良いと思うんだ、うん。


 でもそっか、中学の友達……アスカしか覚えてないな、確かクラスにもう二人くらい仲良かった人居たんだけど……名前何だったかな?


 まあいいや、テスト終わったことだし、今度メールしてみよっと!




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