表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
237/500

237+何時だって無限大。


 お久しぶりです~、……え? もう誰だか分かるよね? ……そうだよね、もう忘れちゃったよね、モモですなんかごめんなさい。


「――で、どうなのよ」


 はう。

 一瞬何の話だったか分からなかったけど、そういえば今、リョウちゃんと一緒に喫茶店に来てるんでした。やっぱり夏は喫茶店で涼むのが一番だよね。

 え、ええと、ええと……何の話だっけ?


「ちょっとモモ、久しぶりに会った訳でもないのに何寝ぼけてるのよ?」


「ご、ごめんね、ぼうっとしてたの」


 学校が違ってもちょくちょく会ってるからそんなお久し、な気分は無いんだよ~。

 ……で、何の話?


「だから、今年はお祭り、行くの?」


「――うん! 勿論行くよ!」


 そうだった、夏だからそんな話してたんだよね! 毎年一緒に――去年は皆で――行ってるんだけど、今年はちょっと問題があって。


「本当に大丈夫? ――アンタテスト期間でしょ?」


 そうなんでした、私の学校、がっつりテスト期間なんです。リョウちゃんは今だからいいみたいだけど、私はちょうど一週間後、あははどーしよ。


「大丈夫大丈夫、所詮は一年生の期末試験だし、ね?」


「ね? じゃないわよ! それじゃなくてもアンタ中間ヤバいんじゃなかったの!?」


「大丈夫大丈夫! ……あ、でもいいよ? リョウちゃん他に行きたい人居るなら一緒に行っても……」


「アンタまたそういうこと言う! い、居る訳ないでしょ!?」


 そうだよね、もし居ても優しいリョウちゃんが言う訳ないよね。……顔は真っ赤だけど。

 自分でも分かってるらしくって、さっき頼んだオレンジジュースを一口飲んだ。……よーし。


「ねえリョウちゃん」


「ん?」


「今年はアサキ君誘わな――」


「帰る!」


「わー! ごめんねリョウちゃん帰らないでー!」


 ちょっとからかってみちゃおうとか思った私がいけなかったな! ごめんねリョウちゃんがそんなかわし方したことないから本当私なんかがごめんね!


「で、でもほらリョウちゃん! 去年は誘えたんだよ?」


「い、いい! 今年はいい! だ、第一ほら、アイツ今足怪我してるし!」


「え、そうなの?」


「……アレ? 言ってなかったかしら?」


「言ってないよ?」


「アレ?」


「……あれ?」



 ――という訳でちょっと説明を受けました。



「アサキ君が怪我なんて珍しいね~」


「まあね、全然運動とかしない人だし、あ、でもだからなんじゃないかしら」


 運動不足でってことかな、私は全然怪我とかしないけど。


「ま、本人は全然気にしてないみたいだから…………心配してないけどねっ!!!!」


 ……此れは初めての反応かもしれない、此の溜め方は初めて聞いたよ! でも凄く心配なのは良く分かったんだよ!


「それにさ、アイツお祭り嫌いとか言ってたじゃない? だから、また誘うのはアレかなあ、って」


 再びオレンジジュースを飲んで、ひとつ溜息をついたリョウちゃん。……――何時の間にそんな可愛くなっちゃったの?

 何この恋する乙女リョウちゃんたら! 悩める乙女が目の前に居るよ!? あわわわわ(※暫くお待ち下さい)



「だからいいの! とりあえず一緒に行くなら、ちゃんと勉強しなさいよね?」


「うん、分かったよ~」


 乙女リョウちゃんはそうやって私に厳しい一言を添えて、にっこりと微笑んだ。




 勉強かぁ……リョウちゃん、私が勉強頑張ったら、リョウちゃんも恋愛を頑張ってくれるかな?





評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ