表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
227/500

227+梅雨の合間に体育祭。/前

 こんにちはっ! っていうかおっはよー! なユウヤです!

 今日朝から我が弟が「梅雨なら土砂降れよ」とか悪態をついていたけれど、残念なことに中途半端な曇り空、要するに体育祭決行な訳ですね。



「ゆっ君おっはよ、はちまき超似合ってんね」


「ヒコク君のお兄さんおはようございます!」


 曇り空の元グラウンドに立ってたら、何処からか幼馴染コンビがやって来た。――あれ、整列中だぞ?


「えへへっ、ありがとゼン君! ゼン君も似合ってるよ!」


「まあねー、ゼン君って基本何でも似合っちゃうから仕方ない、この輝かんばかりの黄色いはちまきだって――」


「お兄さん、一組って何処並ぶんスかね?」


 流石は幼馴染だけあって、シギ君非常に彼の扱いに慣れているようだ、俺ちょっと感心。でもシギ君、一組は隣だよ、俺達が二組なんだからさ?



『――これで体育委員長からの挨拶は終わりになります、続いて生徒会長からの話――』


 二人が戻ればそんな司会の放送が入って、ハヤ先輩だな、なんて思っていたんだけど。


『――は生徒会長の体調不良につき会長代理の話、二年一組のキスギ サチト君お願いします』


 ハヤ先輩体調悪くなるの早いよ……。

 何処かから「俺!? 待てよ俺何も聞いて――ってフウカお前だろ!!!!」なんて聞き慣れた声がしたんだけど俺は気にしなかった。そしてその後、「駄々捏ねてねぇでとっととやれよ馬鹿サチト」とかいう罵声が俺の列の後ろの方からしたんだけど、それも気にしないことにした。







「あっさくーん――ってアレ、アサキは?」


 開会式的な何かも終わって、俺はさっそくテンションガタ下がりであろうアサキの元に向かった。高校の体育祭ってそこまで出る競技多くないから自由なんだよね、その代わり競技が楽しみだったりするんだけど。


「ヒコク君なら此処に居ますよ!」


 見当たらなくてシギ君に声を掛けたら、なんか横にあったヤケにスペース取ってる荷物みたいのがアサ君だったらしい、クラスのシート使いたい放題だなこの子。


「なんかごめんね」


「いえいえ、ヒコク君はクラスでもこんななんで大丈夫ッスよ!」


 それはそれで心配なんだけれど。でも確かに紫のはちまきした一組の人が“何だよあの荷物……嗚呼、何だヒコクか、なら仕方ないな”みたいな優しい眼差しが見受けられる。一組でこの子、ちゃんとやってけてるみたいで何よりだ!(※お兄ちゃんは盲目)


「アーサ君」


「ん」


「アサ君って何出るの?」


「しらね、フドウに任せた」


 嗚呼もう予想通り過ぎるよこの子。


「ヒコク君は何も出たくないみたいだったんスけど、何かしら出ないといけないというのでクラス対抗リレーだけッス」


「ふうん、アンカー?」


「はいっ、勿論ッス!」


「待てそれは聞き捨てならない」


 あ、アサキが起きた。


「え? うちのクラスって確か陸上部が多いとか……え?」


「はい、でも体力テストの結果はアサキ君が一番速かった、って……」


「うちの弟に負ける陸上部って何なんだろうね」


 ともかく、アサキがアンカーなことが分かったし、これで俺も本気出していけるなー、なんて。


 へへっ、中学の時もそうだったけど、俺もアンカーなんだよね。

 今度こそ負けないよ、アサ君?






評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ