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224+今週の出来事。


 ユウヤですよ!


「はあい、皆さーん、帰りのHR(ホームルーム)を始めるから席についてねー」


 今日も放課後になった! 相変わらずほやほやとした声音を発するは担任のほのちゃん先生、え、別に俺が付けたあだ名じゃないんだよ。自分で、


『ウタカタホノカって言います、出来れば“ほのちゃん”って呼んで欲しいかな?』


 って言ったんだから! ていうか可愛過ぎる先生なんだよ!


「今日も苦労様でした」


 とっても笑顔が似合う優しい社会科の先生なんです。

 でもちょっと、いや、かなり抜けている先生なんだ。言うなればモモちゃんの比じゃないってとこかな。今までも結構色々あった、……遭った。




「ああそれと――今週末は確か体育祭があったよね、皆、忘れないように」



『!?』


「?」


 ――そして今も。え、体育祭? 何それ初耳なんだけど。



「ほ、ほのちゃん! 其の話したことない!」


 慌てたように食い気味のカイト君が叫んだ。クラス一同が頷いている中、俺はとりあえずアサ君に電話をしておいた。

 まさかのコール零コンマ五秒。


「今週体育祭ってマジっすか」


『マジですけど何か』


「ありがとう」


 あっちもHR中なはず――しかもアサ君ハヤサカ先生の真ん前――なのに出ちゃう辺りが流石我が弟だと思う。



「あら、そうだったかしら、通りで何も決めた覚えないのねー、……どうしましょ」


 軽いなー。


「でもまあどうにかなるよね、大丈夫大丈――」




「夫、じゃありませんよ貴女は」



 アサ君に電話をした=ハヤサカ先生に用件が伝わる、とは思ってたのは事実だけど。

 ほのちゃん先生が可愛らしく適当な発言をしようとしたその時、後ろの扉から見たことのある眼鏡がそんなことを言った。び、びっくりした……!


「あら、な――」


「名前で呼ばない」


「……ええと、じゃあ、ハヤサカ君」



 本意ではないだろうけどうちのクラスを驚かしたハヤサカ先生は其の場で盛大に溜息をついた。ん、電話だ。


「アサ君?」


『先生行っちゃった』


「うん居るよ」


『“あの人は本当に……僕の先輩教師でしょうが”って言って行っちゃった』


「先輩の尻拭いだね」



「ヒコク君同士で電話やめなさい。あと一組解散して良いって伝えて下さい」


 やめろと言う割にちゃっかり使っちゃうのね先生。ちゃんと伝えて電話を切りました。


 という感じで此方の話に戻る。


「ウタカタ先生が言ったんじゃなかったですか? 二週間程前に“体育祭の件、宜しくね”――って」


「………………うん、忘れちゃってた☆」


「本当此の人ってば!!」


「それがほのちゃんだし仕方ないよハヤサカ先生」


「そうだよ仕方ねぇよハヤサカ先生」


 何だか呆れているハヤサカ先生に、俺とカイト君は言っておいた。

 ハヤサカ先生って最初は厳しい先生だなー、とか思ったけど、なんか……ただの苦労人な気がしてきた。



「とにかく! 早く決めること決めてとっとと生徒を帰して下さい、部活ある生徒だって居るんですから」


「まあハヤサカ君、生徒想いなのね」


「先生優しー!」


「まあ素敵!」


「惚れ惚れしちゃうわ!」


「黙りなさい三馬鹿」


 俺カイト君プラスゼン君だね分かります。さっきまで寝てたっぽいゼン君が仲間に加わったんだから仕方ない。

 ハヤサカ先生は「誰が餓鬼なんざ好きですか……!」と戦いている、相変わらずだなあ。



「でも……ひとつ問題があるの、ハヤサカ君」


「え、……な、何ですか急に」


 おや、ほのちゃん先生が何やら不安そうな表情をしている。どうしたのかな……さっきまで笑顔だったものだから、ハヤサカ先生もクラスの皆も心配そう。俺も心配だけど、何があったのかな……?





「――私、何決めるのかさっぱり分からないの」


「一ペン土か職員室にカエレ」





 凄い真顔で気の抜けることを言ったほのちゃん先生に、つい敬語が外れてツッコんだハヤサカ先生だった。






「リョウコ、おやつは何円までだ?」


「え、……好きでいいんじゃない? っていうか体育祭におやつっている?」



 ミノルちゃんがすっごい真顔で質問しているのと、リョウちゃんが困っているのを目撃したのは此の後直ぐだった。




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