222+GC部歓迎会!/中
引き続いてユウヤです。
「第一回、GC部部内対抗ゲーム大会ー!!!!」
GCって某ゲーム機と同じ略し方だ、とアサ君が言ったのは数秒前、ややこしくなるのでツッコまないでおいた。
この大会のルールは非常に簡潔的で、人数が八人居る、ということで二人一組で色んなゲームをする――ってだけなんだけど。
『ハヤ戻るまで誰か一人だけどな』
何時戻ってくるんだかあの会長。
ちなみに俺はゼン君とになった、くじ引きなんだけどフウカ先輩はリョウちゃんとで嬉しそう。良かったね先輩。
「まずはアナログにトランプといこうか! よし、先ずは――ババ抜き大会!」
「「ちょっと待った!」」
「あん?」
ノリノリな所申し訳ありませんが、俺達――俺とカイト君――はほぼ同時に立ち上がった。
「ババ抜きは駄目!」
「つーか寧ろトランプはやめた方が!」
「何だよ何だよ、お前等トランプ苦手なのかよ、我が部の部員あるまじきだ」
サチ先輩は駄目だな、みたいな爽やかな表情をしているけども。先輩もやれば分かるのに……――トランプ、最強なのが居るんだよ……?
もふもふとしたソファにぼうっと座る我が弟を見て、俺とカイト君はひとつ溜息をついた。
「上がり」
「ヒコクアサキ君、君はイカサマの達人デスカ?」
数々のトランプゲームを熟していく内に先輩も気付いたらしく、すんごく良い笑顔でバンバン勝ちやがるアサキを見た。
「イカサマなんて面倒なことはしませんけど」
「ほわーい」
「あっ君強いねー、ゼン君びっくり」
トランプの類は苦手とかなんとか、俺に任せっきりなゼン君は楽しそうにケラケラと笑っている。畜生、全く勝てない。
大富豪で一度サチ先輩が勝ったと思えばアサ君次で下剋上起こすし。絶対狙ったんだよコレ、どういう頭してんの此の子。
「アサキ君、トランプの貴公子だったのね」
「ちょ、フウカ先輩! なんかダサいです!」
トランプを持ちながら怪しげにふふふふ、と笑みを零すフウカ先輩、リョウちゃんの直球ツッコミにも気付いていないようだ。
「アサ君は昔からトランプゲームは神的な運を発揮してたよねー、ポーカーとかお手のものでしょ」
「まあ……調子悪くてもフラッシュ」
「はい終了! トランプ終わり! 皆で昼飯にしよう! トランプなんざハヤが居たって勝てやしねえ!!」
手持ちのトランプ――ちなみにジジ抜きやってました――をばらばらっ、と宙に舞わせてサチ先輩が立ち上がった。負け過ぎて疲れたんだね分かります。ハヤ先輩も強いんだろうけど、――ハヤ先輩、アサ君と同じチームだしね。
俺達は散らばったトランプを集めてから先輩の意見に賛成することにした。確かに腹減ったもーん。