22+案の定って言葉はこの為にある。
三連休!
休み! やっほーい! という訳でちわーッ! ユウヤです!! 一日行ってまた休みだなんて、何という嬉しさ……目一杯遊ぶぞー!!!! ――と思ったのに。
「寝てろ」
「あう」
熱出ました、昨日はしゃぎ過ぎました。てか原因は恐らく汗びっしょりのワイシャツ一枚の格好で、雪の中正座させられた所為だと思う。……けど言わない、いや言えない。
「……」
目の前で病人放って携帯ゲーム機カチカチやってるこいつの所為だなんてアサキの前で言ったら……うん、今言ったら間違いなく投げられる、本来の用途とは違う固いもん投げられる。
「マジありえねぇ」
「ど、どしたの?」
「うるせ病人」
聞いただけなのに!!!!
「病人は労るべきだよ!」
「自業自得はだあってろ摂氏38.5度」
「むー」
何やらゲームの進みが悪いみたいです。人が母親からベットから出ない様言われたからって酷いや。自分の勉強机の椅子に座り、机に両足を乗っけてザ☆ふてぶてしさを醸し出しているアサキは苛々している様です。
「畜生……鬱だ」
「急にどうしたのさ!?」
「折角五十階まで進んでボス倒せる後一歩で奥義出されたんだよ!!」
「……」
「俺が忘れてたのがいけないんだけど畜生!! もうやらん!!」
「アサ君、キャラ崩れてる」
「五月蝿ぇ!! もう死ねばいいのに!!」
駄目だこりゃ。アサキはゲームやら漫画やらのスイッチ入ると本当に駄目なんだよね。お兄ちゃんびっくり。
――Prrr...
と、電話の子機が鳴る。どなたかしらね。
「――はい」
ちなみにアサ君が出ます、俺はベットから出たら母さんに心配されて捏ねくり回されて終わるからね! 母さんはやるって言ったらやるからね!
「……嗚呼、……へぇ……うん、了解……はい……」
対応適当だなおい。カチャリ、と子機を置くアサキ、一体誰から?
「カイト」
「カイト君?」
「お前と同じく風邪引いたそうだ、馬鹿は風邪引かないはずなのにな」
「はいはい、で?」
「やることが無さ過ぎて暇だからうち来るって」
「……風邪は?」
「さぁ?」
「おいーっす!」
元気じゃん。
「俺様が病原菌に負ける訳ないじゃーん! 熱があるだけだから暇で暇でー!!」
「それはそれで凄いな。ま、良いか」
カイト君かなり元気だ。フラフラな俺とは大違い……。
「んで、何しに来たのさカイト君?」
「ん? 暇潰し」
「違うだろ」
「あ、そだった。アサキに話しに来たんだった」
そう言うとカイト君は左手の人差し指を突き立てて笑顔で言った。
「うちのクラスに転校生が来るんだって!」
「「転校生?」!」
楽しそうな話題キター!! 転校生!? 女の子かな!? 男の子かな!!
「そ。んで、クラス委員の俺がいっちーから話を受けたんだけど」
クラス委員だったんだ。
「今ユウヤの考えが手に取る様に分かる」
「ゴメン」
「ちなみに僕も同じ事考えたと思う」
「お前は知っとけアサキ!!」
「アサ君は知っておこう、友達なんだから」
「赤の他人だよ」
「いい加減友達って言ってくんないとグレるぞ」
はい、数分この話題を討論した後話題は戻る。
「三月ぐらいから来るらしいんだよ、名前は忘れたんだけど」
「で?」
「アサキ」
「断る」
「俺の代わりに学校案な――否定早い!!!!」
此の二人は学校生活で常にこんな調子なのかな。クラス遊びに行ってない間は何してるのか実に興味深い。
「面倒事は嫌いだ」
「無理承知で頼んでんだよ~、お前しか居ないし――頼む! 俺其の日外せない用事があって……」
「何だよ其れ」
「えっと、……父さんが、帰って来る」
そんな理由!? そんなのでアサ君が動くはず――
「……仕方ないな……」
動いた……!?
めっずらしい事もあるもんだな……。
「さんきゅーアサキー! 心の友!!」
「五月蝿い」
むー、アサ君がよく分からない。
何故、ほわっつ。でも、まぁお友達と仲良くしてるのなんて中学入って稀に見る光景だからいっか。
とにかく、今日はとっても暇でした、え、オチ? 無いよそんなの。
毎日変な暮らししてると思ったら大間違いだぞちくしょー。