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21+雪合戦で後の祭り。


『明日は雪、全国的に雪となるでしょう』


 そんな予報を聞いたのは昨日の事だっただろうか。今家を出ようとしている僕の目の前は、銀一色に染まっていた。というか上からも来る銀、コレ……。


「あれ、今日始業式……」


「あー君見て見て雪だるまー!」


 そう言って僕より早く外に出たユウヤが何故か雪だるまを作成し終えていた。

 今から学校なのに何やってるんだ此の餓鬼は。おはようございます、アサキです、雪です、死んでいいですか?


「五月蠅い、寒いから寄るな」


「俺があっためたげるー」


「消えろ、早くしないと先行くよ」


「あう」


 何という事かうちの学校、雪くらいじゃ休校しません。畜生、休みだと思ったのに。

 そう言って僕はスタスタと学校へと歩き始めた。






「冬休み、有意義に過ごせたかー。始業式は雪で寒いから中止で宿題集めるぞー。そういえばあれだ、何か年賀状とか大変だったんだよな――」


 サクライ先生のSHR(ショートホームルーム)開始。面倒な話が始まるよ――とか思わなくて結構。だって先生――


「――じゃ、終わり」


 ――長話しないもん。

 凄い中途半端に話終わって気になるけど長話はないから生徒にとっては楽だよね。


「アサキー! あけおめ☆」


「明けてから会ったじゃないか」


「いーのいーの! もっかいやったって罰当たったりしやしねぇさっ!」


 軽い奴だな、もしかしたら神様から馬鹿にされるかもしれないぞ。

 というか、もう帰宅なんだから帰らせて、僕はもう三連休を楽しむんだから。


「カイトーアサキー外で雪合戦しようぜー!!」


「良いぜ! 俺はカイリだけど雪合戦ー!!!!」


「え、ちょ――」


 僕、帰るんだけど。

 クラスメイトに誘われてしまったので、断らないカイトダッシュ。――手には僕の腕。


「アサキもたまには身体を動かすぞ! どうせゲームとか漫画ばっかだったんだろうから」


 何故分かる。


「あ、ついでにユウヤ呼ぶ?」


「いっそユウヤだけで僕は帰――」


「「却下!」」


 ……うん。

 そして僕を呼んだ君、名前何だっけ?






「ダラッシャー!!」


「冷たッ! カイト容赦ねぇ!!」


「えへへへへへ」


「笑顔のままユウヤキター!!」


 楽しー! ユウヤです! 雪玉ドカドカ投げまくります。

 一組男子軍団計十八人(※アサ君抜きで全員)に誘われて雪合戦に参戦中。結局かなり嫌がったはアサ君は見てるだけで許されたみたいです。だって寒いのダメだもんね……。


「畜生!! どっちか押さえないと勝てないぞ!!!!」


「無理だろ!? ユウヤもカイトも無理だ!? 此の体力馬鹿達に勝てる気がしない!!!!」


「だ・か・ら、カイリだーッ!!!!」


「「グハァッ!!!!」」


 俺&カイト君VS一組男子。

 なのに俺達優勢って此れは何なんだろう、奴等が弱いんだな。


「隊長! ハルナ一等兵ダウンです!」


「仕方ない! 放っとけ!」


 酷いな隊長、放っとくなんて。


「こうなったら、奴等の弱点を取れ!!」


「へーん! 俺とカイト君のコンビに弱点は無――」


「チアキ二等兵! アサキを呼んで来い!!」


「「やめろ!!!!」」


 痛い所をつかれた! 俺がアサキに雪玉!? 無理に決まってるじゃないか! カイト君ならいけそうだけど後が怖いからやっぱ無理そう。


 そんな事でギャーギャー言っていたら朝礼台で一人漫画を読――此処学校とか言ったら終わり――アサキの元に……えーと、二等兵? ――が!!!!

 無理矢理に連れて来られるアサキが来るぞ、やばい、アサキが来たら俺達はどうすれば……!


「ふははっ! 我等の勝ち―――グフッ!」


 あ、威張ってた隊長が死んだ。どうやらカイトの雪玉がクリーンヒット☆


「ユウヤ、来る前に潰すZE☆」


「Oh、ナイスアイディア☆」



 (#´∀`)bグッd(´∀`#)



「「オラァアアアあ!!!!」」


「「ウワァアアアあ!!!!」」







「――で、調子乗ってうちのクラスの男子皆におもっきし雪玉顔面クリーンヒットさせた訳?」


「「はい」」


「……何か言いたい事は?」


「「ごめんなさい」」


「……やるべき事は?」


「「皆に謝ってきます」」


「行って来い」


「「はい」」



 顎で差されてダッシュな俺達。アサ君に雪の上で正座の上説教を受け、教室に後戻りして冷え切った身体を温めていた男子皆に謝りに行った俺とカイト君。


「明日、風邪引くな」


 そんなアサ君の予言が当たるかどうかは、明日になれば分かる事だ。



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