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206+高校ライフのお供は一体?/中

 続いてアサキです、放課後です。

 部活、ねえ、入る気が無かった所為で結構難航している部活選びだが、此処は妥協出来ないからな。


「ヒコク君っ、部活決まったっすか!?」


「いや全然」


「なら良かったっす!」


「は?」


「ごめんなさいいやそういう意味じゃなくてあの」


 フドウは相変わらず僕に耐性がないらしくわたわたしている、は? って言っただけでこれじゃあな、返事してるだけなんだが。


「えっと、ボクの友達っつか幼馴染っつーんすか? それがヒコク君をぜひ部活に誘いたいって言ってるんす」


「……お前友達居たんだ」


「酷い! 居るっすよ!」


「で?」


「あ、ええと、ヒコク君授業中とかずっとゲームやってるから、それ話したらぜひ! って」


「とりあえずプライバシーを他人に漏らしていたことを謝れ」


 ゲームやってるから、って何だその部活。ゲーム同好会とかそんなところか? そういう楽な部活なら入ってもいいかもしれないな……幽霊部員大歓迎なところが良いかも。


「それで、放課後一組来るって言って――」


「シギー!」


「あ、ゼン君こっちっすよー」


 噂をすればなんとやら、廊下をトップスピードで走る音がしたかと思えば現れたのは茶色の何かだった。否、茶髪の誰かだった。……茶髪というか、最早金髪だなあれは。


「いんやあ悪いね、化学室掃除とか厄介なものをしていたもんで遅れちまったよ、俺としたことが何たる」


 ひとつ分かったことは、また面倒臭いのが増えたということだけだった。フドウより遥か高い身長はきっとマヒルよか高そうだ、なのにフドウに肩を回すほぼ金の茶髪、潰れんぞ。


「ゼン君が掃除とか似合わないっすね!」


「ホントホント、この華麗なるゼン君にお掃除なんて似合わなーい」


 うわあうぜえ帰って良いかしら。


「――で、君がヒコク君?」


 あ、帰れない。


「まあ」


「ふっ、君が彼の有名なヒコクか、噂は兼々聞いてんよ」


「え、ヒコク君って噂の人なんすか!?」


「二組では大分な」


 つい頭を抱えた、二組って……要因が軽く二つは浮かぶんだけど、何なのあいつ等死ぬの?


「んでそのヒコクがゲーマーだなんて噂を聞きゃあ飛んで来るっきゃねーでしょ此れ!!」


「よっ、よく分からないけど流石っす!」



「――で?」


「「……」」


 僕はひとつ溜息をついて、目の前で広げられる元気な会話に区切りを打つ。


「用件は簡潔に、面倒臭ぇことは却下、はいどうぞ」


「ちょ、ちょいシギ、こいつホントヒコク君? うちのクラスのヒコク君と大分キャラ違うんだけど」


「ヒコク君はヒコク君っすよ? え、何でです――」



「――早く」


「「はい」」


 フドウまで返事しなくても良いんだが。茶髪はフドウから離れひとつ咳ばらいをすると、ウインクひとつに僕を指差した。


「我がゲームクリエイト部に入部しないか痛たたたたたッ指はそっちに曲がらね――」


「うざいキザい似合ってはいるがうざい黙れ」


「ヒコク君!? ゼン君はこういう人なんすっ、許してあげて!!!!」



 つい手が出てしまったが本題に移ろう。


「いやあね? うちの部活って――」


「ゲーム同好会?」


「ゲームクリエイト部! ――は部員が俺入れても四人しか居ないのよ、二年が三人に一年は俺だけ。三年は居なくて昨年で規定の五人切っちゃったからもう二人入らないと廃部なんだよなー。つー訳でヒコク君とやら、ゲームラブだとシギに聞いたし、ぜひうちに来ないかい?」


「具体的にどういう部活内容か二十文字以内に」


「皆で楽しく様々なゲームをします」


「きっかり二十文字っす……!」


「ぜひ入部します」


「しかも入るんすか!?」


 ゲームするだけなら入るに決まってんじゃん。他に好きなこととかないし。


「ちなみにもう少し説明すると、うちの部活入ると自動的に生徒会の仕事付き合わされます、先輩が生徒会員なんで」


「それは手伝いたくないのでもう二人其の二組の奴等部活に道連れ連れてきて良いですか」


「え、マジ? ヒコク兄とロクジョー? ゲーム好きな方なら大歓迎だって部長も言ってたし、連れてきてくれるなら俺も楽になって嬉しいからいいよ」


 仕事とかしたくないからカイトとユウヤに任すか。つか……ええと、ゲームクリエイト部? 作ってないのにクリエイトとか言っていいのかな、つかそんな部活に生徒会メンツ居ていいのかな。


「じゃあ先輩に言っとくな。明日の放課後迎えに来っから! ……あ、俺ワタヌキゼン、ゼン君って呼んでくれて構わないぜ☆ で、お前はヒコク……」


「アサキ。ユウヤと被るようなら名前で構わない」


「そっ、んじゃあアサキだな、宜しくしてこうぜ?」


「はいはい宜しくゼン君」


 金茶髪(※命名)ことゼン君――僕は呼べと言われた名前で呼ぶからな――はそんなことを言って僕の肩に触れた。フドウにだけかと思ったが、随分馴れ馴れしい輩だな。





「ゼン君、ちょっとアレだけど良い人なんすよ」


「悪い奴には見えないから安心しろ」


 ゼン君が去ってからフドウはそう呟いた、アレが悪なら世界は大半悪だろ。



 ゲームクリエイト部とやら、明日吟味しようじゃないか。





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