204+何てったってハイテンション。
「――って訳で平凡な高校生活を送っています」
「ははっ! 其れなら良かったよ、私も楽しい日々を送っているからね」
アサキです、学校帰りに自宅近くのファーストフード店にやって来ましたけど。カイトと、久しぶりにユキも一緒に。
「ユキんとこっておっ堅いカッタカタの学校っしょ? んなとこにユキ馴染めるかぁ?」
「何を言うんだいカイリ、私は順応性抜群なんだよ? 第一頭が良い学校だからと言って、皆が皆お堅い訳じゃないんだよ」
「ふーん、まぁ其れなら良いんだけどなー」
カイトは強炭酸な飲み物を物ともせず吸い上げている、ある意味凄い。喉どうなってんだか。
「カイリはユウヤと同じクラスか、何だか騒がしいクラスになりそうだね?」
「そうかぁ? 俺達全然静かだぜ?」
「嘘つけ、この前うちの担任の授業で騒いでたろ」
「あれはハヤサカが名前教えてくんねぇからだ! ハヤサカの野郎……!」
良いじゃん名前くらい、つーか何でそんなに名前知りたいかな。話が分からないはずのユキは楽しそうににこにこしながら、肘を立てて手を組んでいる。
「またも癖のある先生なのかい? アサキは本当に引きが強いね」
「悪いの間違いじゃないかそれ」
自分でも何時も思うよそんなの、普通の先生とか居ないのか、まぁ寧ろ三年間あの人な自信あるけど何か?
「ふふっ、とにかく二人が元気そうで何よりさ。会える機会も減った訳だし、こうやって会える日を大切にしたいね」
「だなぁ。俺ぁアサキと毎日会ってっけど、……やっぱユキも同じ学校が良かったなぁ」
「私もだよカイリ、けれど離れたって、私は何時でも君達のことを想っているよ!」
「俺もだぜユキ!」
「お前等の想い重い」
特にユキ、今の想いってのは絶対重過ぎだから。しかし元気そうなのは何よりだ、元気の無いユキなんて全く想像出来ないから、ある意味見てみたいとは思うけど。
学校変わっててもやっぱり馬が合うらしいこの面倒臭ぇ二人をどう止めてくれようかと悩む僕。此処公共の場なんだけど、学校なら未だしもやめろし。
「中学で転校してきた身ではこんなことを言うのもおこがましいのだが、こんな楽しい関係を持てた相手は君達しか居なかったんだよ」
「あれ、何々、ユキってこっち来る前友達とかは?」
「居たけれど、日本には居ないんだよ」
「「……は?」」
「あれ、言ってなかったかな? 私此処来るまで外国だよ?」
「「キイテマセンガ?」」
ユキって帰国子女だったのかよ、全く知らなかったんだが。
「え、じゃあ、ユキって英語とかペラペラなんです?」
「そうでもないよ、日本人ばかりの学校だったから」
新事実過ぎて全く反応出来なかった、聞かなかったから知らなかったんだけどやっぱり驚くものは驚くよね。
「でもやはりその経験が少しは役立ってくれているかな、英語は得意な方だから」
「俺も英語は好きだ、なぁアサキ?」
「うっせぇ嫌いだようっせぇ」
僕に振んな、英語と実技なんざ嫌いだ。死ぬれば良い、寧ろ勉強なくなれ。
それから少し話して別れた訳だけど。
……うん、やっぱり久しぶりに会っても楽なもんは楽だ。慣れた相手っていうのは。