202+始めてのお使い。
「じゃあ号令お願いねー」
「きりーつ!」
一週間が終わったー! 高校って中学とそんな変わらないんだなぁと理解しつつ、俺は教科書何も入ってない鞄を持って立ち上がった。明日は休みだユウヤです!
「ユウヤー、一組行こうぜー」
「うーん!」
カイト君と同じクラスは始めてなんだけど、何だか違和感ってものが無い。ナチュラルだよね、何でだろ。
今日はアサ君のオトモダチを見に行くっていう使命があるんだ、家で聞いても何か教えてくれないし――まぁ恥ずかしいとかいう概念ではなくて面倒臭いということで――、だったらこっちから行ってや――
「ゆ、ユウヤさんというのは貴方様でしょうか……?」
「ふぁい!? ……はい?」
正直びっくりしたけど! 今声何処からしたの!?
とかなんとか考えてみたけど、どうやら背後らしい、怖ぇよ。振り返ってみたら誰も居ないとかやめてよね、……そっ、そんな訳ないか! ――って居ねええええええ!!!!!!
「あのっ、こっちっす」
「あ、居た」
これまたびっくりしたんだけど! なんか扉に隠れてた! 話し掛けたなら出て来て欲しいかも!
「うん? 君は?」
「あ、ええと、一組のフドウっす。ヒコク君からで、伝言を預かった者でして」
「……パシリ?」
「……まぁ」
初っ端なあにやらかしてんのかしら弟。
「――ごめんね! うちの子がいきなり!!」
「え!? だ、大丈夫っすよ!? ヒコク君には『フドウ、二組のユウヤんとこ行って来い』って言われただけっすから!」
恐らくこの子がアサキのオトモダチだと思うんだけど何よ此の純粋な子! 凄く良い笑顔で言い切られたらこっちが寂しくなるし! アサ君何で此の子とオトモダチになれたの!?
「ええと、……あれ? ……何伝えるんだったっけ……ちょっと聞き直してくるっす」
「駄目だ戻るな! 其れで戻ったら理不尽に怒られんぞ……!」
フドウ君は困ったことに肝心の伝言を忘れてしまったらしい。其処をカイト君が全力で制止した、流石は三年の付き合いになるカイト君だ、よく分かってるね!
「え? でも――」
「良いから! 一緒に行くんだ! 君を傷付けるのは未だ早い!」
「だ、大丈夫っすよ。此の数日で――結構言われてきたっすから」
「「……」」
――何を?
聞けませんでした、だっ、だってさっきまで満面の笑みを浮かべてたフドウ君が急に陰の差した表情したんだもん! 何かを悟った表情してんだもん! どうしたのフドウ君!?
「ふ、ふふふ……」
「フドウ君……?」
「フドウー、大丈夫かー?」
「大丈夫っすよー、ボクは元気だけが取り柄っすからー」
何故か俺達がおろおろさせられたけど、相変わらずアサ君のオトモダチって面白いよなー、と思った俺だった。
「遅ぇな……『職員室に用事あるから教室で待ってろ』って伝えるだけのはずなんだが」
結局用事が済んでから二組に出向いたアサキだった。怒ったのは言うまでもなく。