198+親友の決断。
「どう? モモ、新しい学校は」
「うん、女の子しか居ないけど、お友達も出来たよ~」
モモです、何だか久しぶり~。
高校生になった訳だけど、なんだか実感ってものが未だありません。だって仕方ないでしょー、未だ二日しか行ってないんだもん。うちにやって来たリョウちゃんにそんなことを言って、私は何時もながらのんびりとソファに座った。
「なら良かったわね、少し心配だったし」
「心配ありがと~。そう言うリョウちゃんは? 誰か同じクラスになった?」
「まあ、それなりに、って感じかな。ヒコクユウヤとロクジョーカイリが一緒だし」
アサキ君とは一緒じゃなかったんだね、とは言わない。優しさって大事だよね。
「あの二人初日っから凄いのよ、二人共明るいからいきなり馬鹿騒ぎしてクラスメイトに声掛けられててさ」
『全身全霊を込めて新たなクラスに馴染むことを誓うよカイト君!』
『安心しろユウヤ! ――中学ん時から馴染めてねぇから』
『え、あ、そっか、なあんだ心配して損し――って待って、馴染めてなかったの俺、え、ちょ、おい! アサキよか馴染んでたはずだよ!?』
リョウちゃんが話してくれたそんなこと、未だはっきり思い出せるよ~。というか何時までも忘れそうにないよね、あの二人のことは。
「クラスで馬鹿やれるのがアイツ等の専売特許よね、見てて飽きないのは良いけど、会話にちょくちょくヒコクアサキの名前が出て来るから皆誰なのか不思議がってるわよ」
「アサキ君、知らぬ間に有名になってる訳だね」
本人全く興味なさそうだけど。というか知ってても無視しそうだよね~。
リョウちゃんは溜息混じりにそう言ったけど、実際は結構楽しそうだった。良かった、リョウちゃんも困り事とかないみたいで。
「リョウちゃん、何かあったら何時でも相談してね、……私じゃ力になれないだろうけど……」
「そんなこと無いわ、頼りにしてる」
はう、頼りにしてるって……リョウちゃん以外の人から完全に言われたことない台詞だよー! リョウちゃんの期待に答えられるよう頑張らなきゃ! ……具体的に何頑張るかは決めてないけど。
「よーっし、私頑張ってリョウちゃんの背中押すね!」
「……はい?」
格好良いけど可愛いリョウちゃんは、イマイチ押しが足りないんだもん、だから私、頑張って背中を押すことに決めました!
勿論、恋のキューピッド目指して!