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181+遅ばれ進め、修学旅行。/じゅうに


 アサキです、もう家帰りたい疲れた。


「集合は此処で良いの?」


「うん、早く着き過ぎたけど」


 カトウと飯食って色々うろうろして、――時折カトウが一人騒いでいたけどまあ気にしない――時間より早く二班集合場所に到着した。

 最初から最後まで騒ぎ倒すのかと思いきや、カトウは常識人で良かった。寺とか回ってる時は比較的真面目だったし。今居ない奴等に是非とも見習って欲しいものだ。


「あ、ねえねえヒコクアサキ、さっき引いた――」


「気になってたんだけど、何でフルネームなの呼び方」


 何やら楽しそうに言って来たところ悪いけど、今がチャンスと尋ねてみる。唯一ランのことは名前なのに、何故男子陣はフルネームなんだろう。


「……癖かしら」


 なんつー癖だ。


「でも、中学入ってからよ!? 小さい時からこんなじゃないからね!?」


「分かってるよ、慌て過ぎでしょ」


 第一、別に小さい時からそうだろうが僕には関係無いだろっていう。まぁ何故か慌ててるカトウは放っておこう。


「……で、さっき何か言いかけたよね」


「え!? あ、嗚呼アレね、さっきおみくじ引いたじゃない、どうだったのか――」


「凶だけど」


「あら、見たの? 直ぐさまポケットに捩込んでたみたいだからてっきり……」


「見なくても分かる、僕は生まれてこの方凶から上を引いたことがないからな」


「……」


 ……うわあ、ひっどく哀れみの視線を送られた。別に悔しくなんか無いし。

 カトウが言う通り捩込まれた哀れなおみくじを取り出してみた。凶より上が出たことないって言っても、過去おみくじを引いたのなんて二桁未満だし、たまたまってことも――




「……」


 大凶だった。……ふむ、――おみくじなんて二度と引かねぇ。






 集合時間。


「やあアサキ! リョウコと二人っきりはどうだったんだい!?」


 騒がしいのが来た。時間ジャストとは……流石過ぎる。


「ばっ、馬鹿言ってんじゃないわよサキネユキ!! 二人っきりって言っても不可抗力でしょ!?」


「Non,non,non――不可抗力と言っても二人きりになれたのだよ? 何か無かったのかい?」


「え……な、無かったわよ。強いて言えばヒコクアサキにはもんじゃ焼きとはいえ料理をさせちゃいけないってことくらい……」


「おい其処、僕がひっくり返すの下手な話しない」


 小声でひそひそと何を暴露しているのやら。もんじゃ焼きが最初からぐしゃぐしゃになった話なんてしなくて良いから。僕の醜態を曝すな、あんなに爆笑しやがって……!!!! お好み焼きが上手く出来ただろうが!!!!


「アサキー」


「……カイト、何其のお土産オンパレード」


「気に入った物は手当たり次第いった」


 ユキが居るということは勿論此方も居るということで。振り向いてみたら両手が塞がって大変なカイトが居た。ビニル袋多。


「姉ちゃんの土産だぜ。セツさんの分もあんだぜ」


「あの人に買ったの? アヤメ先生が買うだろう」


「いーの! ちなみにマヒルさんにもあんぜ!」


「兄貴にもかよ」


 僕買う必要無くなったんだけど。……まぁ、食事代から拝観料まで全部カトウに任せっきりだったから買った訳もないんだけど。早くユウヤ帰って来ないかな……早めに返さないと。




「アサキ君、遅れてすみません」


 た、けど。……あれ? 何か一人異様にテンション低くない? 僕等側は皆そう思ったのか、青白い顔で斜め下を見遣るユウヤを見た。


「……ユウヤ?」


 声を掛けたら近付いてきた。怖い。


「ごめんねアサキ、アサキは怖くなんか無いよ、当然のことを怒ったまでだもん」


「ちょ、どうした」


「アサキが怖いとか言ってたらもう何もやってけないよ何で怖いなんて思ったんだろごめんねアサキ」


 怖ぇよ、お経みたいじゃねぇかよ。何、何があったの。


「ユウヤ君、お化け屋敷入ってからずっとこんななんだよ~」


「そんなに怖かったでしょうか……?」


「――……アスカ君とラン、人の兄貴に何て恐怖を与えてくれたんだ」


 にこにこと顔を見合わせて首を傾げているホラーの帝王と女王。……嗚呼、なんかもう泣きそうじゃないかユウヤ。


「ぐすっ……」


「良い歳して泣くな、……あーもー泣くなー」


「だって怖かったんだもん……」


 お化け屋敷とか明らかにお前お参りとか行ってねぇじゃん、とか。色々言ってやりたいことはあったんだけど今言っても聞いてるはずも無いから仕方なく慰めることにした。


「ほらっユウヤ! これやるから泣くな!」


「ありがとカイトく――ひゃあああああ!!!!!!!!」


「あ、バカイト! 今ユウヤにグロテスクな人形を渡すな! ユウヤも抱き着くな! つーか何買ってんだよ阿呆!」




「ヒコクアサキ、やっぱり彼はツッコミね」


「そうだねっ! アサキはボケにはなりきれないよ!」


 ホントにそうだよ、冷静に解説してねぇで手伝えや。










「二班帰りました」


「おっかえりい! ええと、一組だよねー、班長と副班長は携帯とカメラ置いてってねー。……その引っ付いてるのにはツッコんだ方が良いのか先生困っちゃう」


「キニシナイデクダサイ」


 旅館についてもそのままだった。早く引きはがしたい畜生。




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