18+生きる意味 思う事。
「……」
……。
「……」
……。
「……うう……」
Σ(゜Д゜)
今の僕はこんな感じです、多分。
って誰にも伝わらない悲しい沈黙でこんばんは。いきなりな入りすみません、なんか……夕飯終えて部屋戻ったら……PCに顔近付けて停止してる人が居たものでつい僕も停止してましたアサキです。
「あ、アサ君、ご飯終わったの?」
「うん」
あくまで冷静さを保つ僕。反応するな僕、頑張れ僕、兄が号泣してるからって反応したらいけない僕。
「……」
「……ねぇ」
「ん?」
「何泣いてるの?」
無理でした、聞いちゃいました。僕に泣いてる人を放っておける程の度胸はありませんでした。
「……聞いてくれるのかい……?」
「聞いてやるからPCから顔離せ、其れ僕も使うんだから」
怖ず怖ずと此方に顔を向けたユウヤはなんか滅茶苦茶悲しそうに溜息を吐いた。何があったんだこいつ。
「実はね、俺が行ってる掲示板の交流サイトの仲良い人が其処来るの止めるって言うんだよ……」
「ほう」
「何でも学校での居場所とか、家での居場所が自分には無いとか。だから此処に居ても迷惑だとか言って泣き言ばっかりな子なんだよ。前までは明るい子だったのになぁ……」
「ユウヤ、そいつ中学生だろ」
ザザッ
何か身じろいだ。
「な、何で其れを……!!」
「放っとけそんな奴。唯の思春期特有の中二病患者だ」
第一お前が行ってるその掲示板大半中学生って前お前が言ってただろ。
「思春期ってのは其れ特有に心の不安定からくる何かがあって、普段から情緒不安定になるらしいよ。だからその子も恐らく其れ。ユウヤが心配してやる事じゃなくて、そいつが自分でどうにかする事だ」
「でも~」
「でももかしこもない」
「かしこ」
シバくぞ。あえてスルーするがな。
「ネット相手にそういう事言ってる奴は僕は相手にしたくない。ユウヤが何か言いたいなら言ってあげれば? その内『自分なんて生きてても仕方ない』とか『死にたい』とか言ってきても知らないけど」
「……アサ君って、何気酷い?」
「今更知ったの? 何年双子やってんだか」
「……」
何やら其れを最後に会話が途絶えた僕等。……これじゃあ何か、僕等が喧嘩しているみたいじゃないか。ユウヤは再びカタカタとタイピングを始めたが、僕がそれを見る訳もなく。
「……」
「……」
本当に会話ないな。
「アサキ」
「何」
うわお、急に話し掛けんな。会話無いと思った瞬間で僕がびっくりした。
「今ね、『俺はもっと君と話したい』って、うったんだ」
「……」
「『私も話したいけど、貴方に迷惑がかかる。私は生きてても意味のない人間だから』だって」
「……」
「……」
……予想的中、ってか。
何も言わない状態が続くと、ユウヤは何やらまたカタカタとタイピングし出した。
「……アサキ」
「ん」
「アサキもさ、昔の方が明るかったよね」
「ん、今も明るいだろ」
「小六だったっけ、何かがあったの」
「……」
「……」
此の馬鹿は本当……変な所ばっか覚えてるから。
小六ね、今思い出すような内容じゃないんだけど、僕にとっての情緒不安定って奴は異様に早くやって来たって訳。
「……優しい言葉が欲しいだけなんだよ」
僕がそう口を開くと、ユウヤのタイピングの音も止む。ちゃんと聞いてくれている様だった。
「彼女は優しい言葉が欲しいだけ。彼女が言う程彼女の世界は壊れてないし、彼女が思う程周りは彼女を嫌っていない。唯、悲劇のヒロインになりたいだけなんだよ。だから――」
チラリとユウヤを見た。さっき流してた涙はもうなくて、僕をぼうっと見つめてる。
「――優しい言葉をかけてやんなよ。彼女の気が止むまで。そして怒ってやんな、ユウヤの気が済むまで」
「……ん」
ユウヤはまたPCに向かい合う。僕とユウヤの違う所は、素直に物事が言える事だと思う。もっとあるけど、それが一番の違いだよ。僕には言えないから、――そんな言葉、掛けられないから。
「……アサ君」
「……」
「アサ君も、少しはこの子みたいに辛い事を――色々吐き出してくれればいいのに」
「……一体何の事やら」
ふと思う。普段は五月蝿いくらいなユウヤだけど、やっぱり僕等は双子なんだなと。
「またまた」
「さっぱりだ」
「ふふっ」
――いつか負けてしまいそうだ。ユウヤのたまに見せる慈しみの様な微笑に。