表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
17/500

17+夜は眠たい年頃さ。

「アサー」


「今は夜だ」


「君を呼んだんだよアサキ君」


 こんばんは、真っ暗な部屋で寝る準備万端なアサキです。隣のベッドから何やら声がしますが何か?


「何」


「寝れない」


「お休み」


「お兄ちゃんの話ちゃんと聞いてた?」


 ユウヤ、貴様が寝れぬか寝れまいかなど今超絶寝たい僕には全く関係ないわ……!


「昼寝し過ぎた……」


「お前が寝てた時間僕はゲームしてたから構いやしないお休み」


「流れで寝ないで! 独りにしないで!」


 ちっ。良いじゃないか寝たって。六時間ゲームやってた身としては明日の体力温存の為に早く寝ないとなんだ、時刻はただ今夜十二時程。僕等が起きてるなんて珍しい時間だ。


「アサ君、何かお話してよう」


「お前は五歳児か何かか」


「十三だよ」


「うるせぇ」


「寝られれば此の際何でも良いやい」


 ご尤も。じゃあ洒落もなくお伽話でもしようかと思ったが、やっぱり此処はハードにいこう。


「じゃあ普通の学生が異世界に飛ばされた話で良い?」


「話の選択ミスが否めないがまぁ良いや」


 良いのか。良いよね、つか僕もう眠いんだけど。


「ある所に一人の少年が――」






「――そして彼は言いました。『ここでお前を倒す訳にもいかない。お前は俺が止める』――」


 代わってユウヤです。何が代わったかって? 僕にも分からない事聞かないでよー。

 にしてもアサ君の話すやつは本格的過ぎる。かれこれ一時間程此の話が続いています。主人公と其の友達達が修学旅行に行く飛行機から異世界に飛ばされた所から始まって今は其の友達と何故か戦うシーンらしい。

 何故曖昧かと聞かれても困る、何か途中からアサ君の話が曖昧になってるんだから。


「『俺を止められるなら止めてみろ、太郎』花子は言った」


 何故俺なのに花子なんだろうね、てか主人公太郎って即興過ぎる。な割に内容濃いって何だ此の話。


「『君は間違ってる! 俺には分かる、君もこんな事してはいけないと知っているはずだ!』」


 太郎か、太郎なのか今のは。


「『僕は何も知らない、だから真実を求めていくのさ、タロー』」


 なんか太郎のイントネーションが外国風になったのは気の所為か? というか花子の方の設定が幾分格好良いだろ、頑張れ太郎。


「『待てよお前等』しかしそんな所に現れたのは過去二人の親友だった男、……えと、兄貴で良いや、真昼だった」


 兄貴がやってきた、兄貴は本当に二人の親友だったのだろうか。


「『こんな所でお前等が争っても此の世界は救えない、だから力を合わせてやっていこう』真昼はなんか格好良くそんな事を言って二人を和解させました。……で其の世界を救って元の世界に戻りましたとさ」


 あっさり!? なんか兄貴出て来てあっさり終わっちゃった!? 結局危機に瀕したっぽい異世界は救われたのかな!?


「……くー……」


「ありゃ、眠気が末期だったんかな……」


 長々話したアサ君は夢の中にゴートゥーした様です。僕も丁度眠いカンジだし、寝よっかな。お休み。






 次の日の朝。


「ね、マヒル兄」


「んぁ?」


「太郎と花子はうまくやってるのかい?」


「誰だそりゃ。一体何の話だ?」


 聞いてみただけだもん。えへっ。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ