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「……」


 ユウヤです、今の沈黙は俺のじゃありません、アサキのです。


「……」


 たった今まで明日からの修学旅行のおやつを買いに出ていたら(アサ君のも含)、何故か沈黙を決め込む弟が居た訳で、しかも立ちながら。……何してるんだろう……?


「アサく――」


「ストップ」


 止められてしまった。

 いや、アサキが無言だったとしても普段は気にしないんだけどさ。けどソファにも座らずゲームもせず、立ち尽くして床を見ながら立ち止まってたらこっちだって訳分からないよ。


「ユウヤ、とりあえず早急にリビングを後にして、二階で惰眠を貪るマヒルを起こしてくるんだ」


 未だ寝てんのあの人、もう昼過ぎてんだけど。


「よく分かんないけどりょーか――」


「振り向かずに行け、良いから」


 嫌に神妙な顔付きで言われたので、仕方なく言う通りにすることにした。








「で、どーしたアサキ」


 起こされても不機嫌じゃないのは良いポテンシャルだと思う。まあもし不機嫌だったとしても正午何時間過ぎてると思ってんだよ、な話なんだけどさ。そんな眠気眼なマヒル兄を一階に召喚してみて、うん、今風男子も寝起きはただの目付き悪いにーやんだ。


「Mission in possible的な」


「発音良いな」


「……あー、意味分かったわ」


 え!? 今ので分かったの!? 起きて数分な癖に何で分かるんだよ! 絶対おかしい、この人絶対俺と血なんて繋がってない!!!!

 リビングに戻って来て依然、アサ君の立ち位置は変わらなかった。


「という訳でユウヤ、先ずはお前、部屋に戻れ」


「ぅえ? 何でさ、超気になる」


「良いから。お前が此処に居たら――“奴”を逃がすことになる」


 そして何故かマヒル兄まで神妙な顔付きになった。……何よ“奴”って。



 うん? ――いや、まさか――


「ま、まさか、“奴”って……」


 心当たりがひとつ。……俺が居たら逃がすことになるってことは、俺が騒ぐとか、そういった話だろう。ということは――



「そう、G(=ゴキブリ)の襲来だ」


「ひあああああああ!!!!!!」


 ばたんっ。


 アサキの一言で二階に逃げました。

 む、虫は無理だ! ていうか奴は虫!? 蝶々なら大丈夫だけど蛾は無理だもんねーだ!







「みっ、耳元で叫びやがったユウヤめ……!」


「どんまい兄貴」


「お前が言うからだろうが」


「どんまい兄貴」




という訳で、修学旅行編スタート。

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