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16+人に寄って出来る事。


 昼です、良い天気です、ユウヤです。

 昼飯を食べて部屋に戻ろうと階段をてけてけしている所です。アサキは未だ起きてないらしく下に降りて来てないから、母さんに起こしてくるよう頼まれました。


「アーサーキー!」


 バーンと部屋の扉全開!

 同じ部屋だから何とも言えないが。そしてベッドに居るアサキは――


「……」


 ――なんか漫画を読んでました。


「あら、あっ君起きてたの」


「……さっき」


「ふーん。母さんが昼用意してるよ?」


「うん、読み終わったら行く」


 直ぐ読み終わるんかな……俺は深く考えずにそのままゲームを始めることにした。


 ――数十分後。


「……」


「……」


 え、がっつり?

 がっつり読みに入ってる?


「アサ君?」


「読み終わったら」


 此れ以上言うとキレるのでやめる、母さん待ってるんだけどなぁ……。パジャマ姿で借りて来たと思われる漫画をがっつり読む弟、もう一時過ぎなんだけど腹減らないのこの人。


 ――更に数十分後。


「アサキー?」


 下からの母の声。やはり遅かったもんな……。とたとたと階段を上がってくる音、扉も開いて其処には母さんが現れた。


「あーちゃん、ご飯は――」


「読んでから」


「あ、あらそう……」


 母さんは俺を見る、首を横に振ってやると母さんは溜息を吐いて下に戻って行った。数冊ある漫画を読み終わるまでアサキは動きゃしない。誰の声も聞こえない――って訳じゃないんだけど。


「……」


「……」


 今の状態の此の子を扱える其の人は未だ起きて来てないし、いーか。


 ――更に更に数十分後。


「アサちゃん、未だ下りて来ないのー?」


「うん、アレは読み終わるまで下りて来ないよー」


 ゲームを止めて、リビングに参上した俺と母さんのぐだぐだな会話。暇な俺達は机に死んでぐでーっとなっている。


「かーさん、もう二時だよー」


「そうねぇ……早く食べちゃってくれないかしらー。お母さんも早くお片付けしちゃいたいんだけどー」


「無理だよー、奴等はどっちかが覚醒しないといけないんだからー」


「そうねー」


 ふっ、本当にぐだぐだ。にしても起きないし読み終わらないな奴等基俺の兄弟達。


 ちょっと変わってるんだよね、家って。癖の多い人が多いというか、今の場合アサキがああなったら俺と母さんには機嫌を損ねる方法でしかどうにも出来ないけど、今寝てる馬鹿兄貴ならば怒らせることなく普通に連れて来れる。かくいう俺も、――滅多に無いけど――起きない時は家族にしか起こせないらしいぜっ! ちなみにもう一つ言うと母さんが拗ねると父さんにしかどうにも出来ません。超万能型の父さんなら皆に対処出来るんだ。


「……ふぁ」


「「あ」」


 そんなことを考えていればお兄ちゃんのおはようです。ちなみに今二時過ぎなんだけど寝過ぎだよね馬鹿兄貴。


「おっはよーう。マヒルさん超ハラヘリ也、飯を所望する~」


 朝のテンションがおかしいのは家族の血筋。特にマヒル兄は眠いともう使い物にならない、格好良い今風の容姿イメージが全壊的に崩壊するよ!


「焼きそばでいいかしら?」


「うい」


「じゃあ先にアサちゃん覚醒させてきてくれないかしらね?」


「アサキ? おーう、お任せあれーい」


 軽装なマヒル兄は軽い返事で部屋に行く。……どうやって覚醒させるのだろうか……俺に対しては話し掛けるだけでキレるのに……。

 という訳で部屋の外から隙間越しに覗く俺。


『……』


『アーサキ、兄ちゃんと飯食うべ』


『……ん』


 ……あれ、普通。横に行って頭にポンッと手を置いて……あれ、普通に反応がある。


『何読んでたんだ?』


『カイトから借りてた漫画。明日返すから』


『ほぉ、カイトってんはこの前居た奴か』


『うん』


『今度兄ちゃんに紹介してくれよ、寂しいじゃねえかリトルブラザー』


『うん。テンションうざい』


 ……うん、分かった様な分からない様な。兄貴はアサ君の扱いが上手いんだな、そして何だかんだでアサ君はマヒル兄が嫌いじゃない、そんだけか。


「だから父さんは皆をどうとも出来るんだな、謎は全て解けた!」


「廊下で何言ってるのよユウ君」


「母さん、真実はいつも一つさ!」


「あらあら」


 下りてきた俺に母さんはクスリと笑ってリビングに戻った。

 今度ちゃんと覚醒チャレンジしよう、出来そうな気がする。


 ね。



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