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157+仮、決戦!/前日


 リョウコ、です……!!

 別に初っ端こんななのは気にしないでよ!? 勉強中よっ、勉強中!!


「お姉ちゃん、私立のテストって、そんなに同じ単語が出るものかしら」


「え? ……あ!!」


 明日が入試だからと机に向かっているはずなのに、ノートに書かれる文字はたったひとつ。


「“誕生日”――って?」


「うるさいうるさい! い、いいからアンタはどっか遊びに行ってなさいよっ!」


「ふふっ、言われるまでもないわ。義務教育まっしぐらの私はすかさず古本屋にでも立ち読みに行くの。お姉ちゃんは滑り止めでしかないテストの為に今日一日苦しむと良いわ」


 ――其れは其れで凄くムカつく!!


 だけども。あのコトナと書いて馬鹿が去ったから、此れで落ち着いて勉強が出来るわ。滑り止めだろうがなんだろうが入試は入試、落ちる訳には行かないわよね。

 と、思うのだけど、どうしても落ち着かない私。誕生日、誕生日、今日はヒコクアサキとヒコクユウヤの誕生日。

 入試……もう放っておいていいかしら?

 い、いやいやいや! 入試の方が大事よっ!! 入試が一番! ヒコクアサキだってきっとヒコクユウヤに勉強教えてたりするわ――







「アサくーん、何見てるのー?」


「花」


「まあ、花屋だからね」


「花屋の花を見てると、心が安らぐよね」


「確かにねー、でもアサ君、何時からそんなに清らかな心を持ってたの」


「殴るよ」







 ――よねっ! きっとそうよ! それじゃなくてもギリギリっぽいヒコクユウヤを勉強させないで、何処か遊びに行ったりしないはずよ! 今プレゼントなんて買ったって、――私が一人で渡しに行けるはずもないんだから――。






 orz






 ……さあて、勉強しよう。










「アサ君ってばー」


「何」


 アサキですが、休みなのに花屋に来てるんです。さっきからユウヤが五月蝿い。


「そろそろ帰ろうよー、買い物帰りなんだからさー」


「……」


 昼の買い出しに出て、そのまま途中の花屋に入り込んだ僕等。だって入りたかったんだもん。


「俺が言うのは変かもしれないけど、勉強しなきゃだし」


「いや、本来お前が言う台詞だから其れ」


 まあ……仕方ないか、其の台詞を聞けただけでも前進な気がする。――此処には、後で来ることにしよう。



 明日、勝負だ。




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