表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
153/500

153+このまま休みが続けばいいのに。


「――ま」




「……今、声しなかった?」


「え、マジ? ちょっと見てくるー」


 玄関を指差してアサ君が言った。こんばんはっ、ユウヤだよ! 新年だって気にしなーい!! アサ君は指を差してはいるものの視線は完璧にテレビです、まあね、そうだよね、ゲーム中だもんね!

 リビングを出れば直ぐの玄関、ひょっこり顔を出す俺。


「――うわあ」


 ――玄関に死体があった。……違う、アレはマヒル兄だ。


「マヒル兄、お帰りー」


「た、だ……いま」


 何故切れ切れなんだろう。ぐったりと床に伏せる兄貴に歩み寄ってみたが、一向に動かない。


「……寝るな! 死ぬぞ!」


「死なぬ……此処……家……」


 訳:死なねぇよ、此処家なんだから。雪山でもあるまいし。

 俺は急いでリビングに戻る。



「アサ君大変だっ!!」


「何」


「マヒル兄のツッコミのキレが無い……!!」


「仕方ない、今はボケなんだ」


「そっか」


 再び玄関に戻る。


「ねー、今はボケなのー?」


「……」


 返事がない、ただのマヒル兄のようだ。


「ユウヤ」


「はい」


「とりあえず、俺を敬え」


「はーい」


 という訳で、冗談はさておき。








「ぐぁー、疲れ、た……」


 マヒル兄がご帰還です。冬休みはバイトしないつもりだったらしいけど、人が足りないって電話が来て午前中から出ていたマヒル兄。ソファを全て使ってぐったりであります。アサキが迷惑そうだ。


「疲れた……」


「お疲れ様ー」


 ぐったりし過ぎなマヒル兄だけど、今日って何時間労働だったっけ?


「八時間半で休憩三十分て意味分かんねぇ」


「労働基準法無視?」


「労働基準法って何?」


 アサ君がこっちを見て唖然としたのはさておき。うん、ほら、知ーらない!



「お前達、宿題終わったのかよ?」


 冷静さを取り戻したマヒル兄が、凄く聞いて欲しくなかったことを聞いてくる。超デリケートゾーンだ、あのままぐでってくれてれば良かったのに……!!


「おわた」


「そりゃお前はな」


「おわたよー、色んな意味で」


「おい」


 ええ終わりましたけど? もう何も考えたくないくらいに。漢字数学英語やーい!!


「宿題なんて終わらなくてなんぼだーい!」


「真面目になるんじゃなかったのか?」


「それとこれとは別っす」


 マヒル兄までそんな目でこちらを見やがりなさって……! 仕方ないじゃん! 向かってったって出来ないんだからさ!!


「ま、ちゃんとやれよ?」


「はーい」


「大学が二月で終わる貴様に言われたくないがな!!」


「こういう時だけ声張るよなお前は」


 画面に向かいながら叫ぶアサキ。マヒル兄も言ったけど、声張る場面が滅多にないのにそういうとこだけ本当……。


「そして兄ちゃんに貴様とか言わない」


「兄上、共にゲームなぞどうですか」


「やる」


「あ、俺もやりたいー」


 貴様から兄上に呼び方が変わったから、という訳ではないけど、このままゲーム大会に発展。三人でゲームなんて久しぶりだなー。他二人が強過ぎて勝てない時多いけどさ。


 楽しければ其れで良い、ってあるよねー。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ