150+平穏カムバック。
Prrrr...
「はいもしもし――あら、ユウ君かと思ったらー!! 珍しいじゃない、アサちゃんからお母さんにお電話だなんて!!」
『ちょっとね』
「あら~、お母さんが恋しくなっちゃったのかしら?」
『うん』
「……え?」
『だから早く帰って来てよ』
「え、ちょ、ちょっと待ってアサキ、お母さん果てしなくぱにーっく。え、アサちゃんがお母さん恋しくなる? ――ないないないない」
『何故に息子を否定が親』
「だってアサちゃん? 貴方はアサちゃんなのよ? ユウ君なら話は別だけどさ?」
『たまには良いでしょ。母さんや父さんが帰って来てくれないと――僕の生命の危機だ』
「――はい? ちょっ、いや沢山待ってアサキ、何があったの、真面目に――はいはいはーい! 今いーきーまーすー!!」
『色々あるんだよ、そして母さん、後でかけ直していいから仕事に戻れば?』
「五月蝿いわね! 今愛息子の危機なのよっ!! 仕事なんて後で片付ける!!!!」
(……聞いてねぇ)
「で、で!? 何があったのアサキ!?」
『そんなに慌てなくても。……ただ』
「ただ?」
『クリスマス以降、ユウヤがろくな飯を作ってくれない』
「……へ?」
『色々上の空なんだよ、今日の朝はマスタードが塗られたトーストだった』
「……」
『昨日の夕飯、ダシの入ってない味噌汁が出てきた』
「うっわあ……」
『昼は生の野菜入り焼きそば――』
「もういいわ、何か色々分かった」
『そして全て本人が気付いてない』
「――ごめんね、明日には帰るわ」
『うん、そうして欲しい、死ぬ』
「シンヤ君はどうせ何時でも帰れるんだろうから、私から連絡入れておくから」
『うん、お願い、死ぬから』
「それじゃね、アサ君。……生きててね?」
『努力します』
「……これくらい言っておけば帰って来てくれるだろうか」
「アサくーん、夕飯出来たよー」
「……何?」
「キムチ鍋ー」
(嫌な予感しかしねぇ)
淋しさ空回り、元気さは取り戻したが日常に反映するユウヤだったり。