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145+冬の寒さ、到来中。


「ときにあさくんや」


 何故そんなにも呂律が回っていないのか分からないけどユウヤが恐らく僕を呼んだ。多分。アサキですが。


「あさくんはいまなにをしてるのかな」


「読書的な何か」


「てすといっしゅうかんきっててもかい」


 分かりにくい。

 てすといっしゅうかんきっててもかい? ……テスト1週間か。じゃあ答えは簡単だ。


「未だ一週間なんだから良いだろ」


「馬鹿野郎ォ!!」


 ガタンッ! 大袈裟に音を立てる椅子。けれどユウヤの方が五月蝿い。遅くなったけどアサキだよ。


「それは頭の良い人の摂理なんだよ! 俺みたいに日頃勉強してない――さ、最近はしてるけど――ともかく! そういうことなんだよ!!」


「問題、“摂理”の意味ってなーんだ」


「うぇ!? え、えと」


「万物を治め支配している法則、でした。引用、国語辞典」


「分かんないってば!!」


「じゃあ使わないで下さい、引用、国語辞典」


「そんなことまで書いてあったっけ!?」


 其の国語辞典の出展は恐らく僕だな。






「時にユウヤ」


「んー?」


 ユウヤが大人しく机に向かい直して少し経ってから。


「頭が良い人ばかりが余り勉強しないっていうのは間違いだと思う」


 話を少し振り返してみた。


「何で?」


「確かに僕は前日とかしか勉強しないけど、頭の悪い人の方が一夜漬けとかするパターンが多いはずだ」


「あっさり自分を頭良い部類に入れたことは悔しいけど認めざるを得ないよ」


「五月蝿い」


「でも確かに、カイト君とか完璧一夜漬けタイプだよね」


 今頃休みにかまけてゲームしてるんだろうな。


「頭良いっていうと、ユキちゃんとリョウちゃんとか?」


「その二人はコツコツやるタイプじゃないのかな、根は真面目だし」


 普段ボケてるユキも根は凄く真面目なタイプだと思うしね。真面目って思われたくない、みたいな。


「勉強の仕方って、点数に響くのかなぁ……」


「さぁ。でもユウヤ」


「んー?」


「そんなこと考える前に勉強した方が、少しは点数に響くと思う」


「だね」


 ユウヤは苦笑いをしてから再び机に戻っていった。



 さて、僕も読書が終わってしまった。まだ朝っぱらだというのにどうしようかな。……勉強? 何其れ美味しいの?

 朝から勉強とか論外でしょ、というか中学のテスト如きで一週間も前から勉強すること事態が間違ってる。皆、ちゃんと外で遊びなさい。


 そんなくだらないことを考えつつ、たまにはやる気になっているユウヤの邪魔にならないように部屋を後にした。



 二学期も今年も、終盤って訳ですか。




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