135+読み間違えにはご注意を。
夜です、アサキです。
「んー……」
ベッドでゲームと洒落込む僕の横で、机に向かうユウヤ。
僕が色々言ったことからか、最近本当に真面目に自主学習を始めたユウヤ。なんやかんや決意が固いんだろうとは思っているから、茶々を入れることはしない。――けれど。
「あ、あー……あむ?」
――こいつが一人で勉強がはかどるかと聞かれれば、否だ。
「いっと、いず、――うん? いっつ? はあ?」
恐らく、いや、多分英語をやってるんだろうけど、全て日本語にしか聞こえない僕。やっているゲームが頭に入ってこない。
「いっとにははぶ……はず? もう良いや、はずでいこう! んで……あ、りー……読めん」
全部平仮名にしか聞こえねぇ。
本当に分からないと思うところ以外自分で考えろ、とは言ってあるけど、本当に大丈夫だろうか。
と考えている内に、ぺらぺらと頁をめくる音が聞こえてくる。違う頁でもやるのか?
「――どんと、のー……ピッコロ?」
――ピッコロ?
「ピッコロ……どりゅー?」
ちょっと待て、ピッコロって何だピッコロって、やけに其処だけ上手いこと発音したみたいだがピッコロって何だ。あのフルートより高い音が出る笛か、それともまさかあの七つのボールを集めて願いを叶えてもらう方か? どりゅー……描いた? え、ピッコロが何を描いた? ピッコロが描けるものなんざ指から出る光線の軌跡くらいだろうが。
「いんざすかい」
in the sky!? やはり後者のピッコロなのか!?
「あ、いけね、次の問題だこれ」
「ユウヤ、ちょっと見せろ」
いい加減ゲームも頭に入ってこないので、電源を切って教えてやることにした。先ずは謎の宇宙人の解明から。
「ピッコロってなんだ」
「ピッコロ? 此処ー」
……何、――これピカソじゃねぇか。
「ピカソだ阿呆」
「ピカソ? ――あ、此れピカソって読むんだ」
読めるだろ。
ユウヤはヘラリと納得の笑みを見せたが、個人的には学力難が否めな過ぎる……!
「えーと、じゃあ次は……下線部の意味? 知るかよ」
「知れよ」
文章問題なんて未だ未だ早い気もするが、こいつにはなんせ時間がないしな。……こんなで今までよく中学生やってたな、寧ろ感心する。
「英語って難しいなぁ。流石アサ君の苦手科目なだけある」
「うるせ、苦手だって良いだろうが、海外旅行の予定は無いぞ」
確かに英語は僕の苦手科目ではあるけど、お前程ではないから安心しろ。少し気を抜けばカイトに抜かれそうな気もするが――やべ、抜かれたらどうしよ、滅るしかないんじゃないか。
「ま、俺は海外行くならフランス行きたいから英語関係ないけどなー」
「じゃあフランス語学べば?」
「難易度上げないで下さい」
英語出来ない奴がフランス語だなんておこがましい、世界共通なんだぞ英語は。
「フランス人に謝って来い」
「ぼんじゅーる」
「誰が挨拶しろっつった」
駄目だこいつ、誰か粗大ごみ。
「えくすきゅぜ、もあ!!」
――は?
「ちゃんと謝ったよ!」
「……嗚呼、謝ってたんだ」
というか言えたんだ、僕がフランス語分からないからよく分からないけど。
「アサ君」
「ん」
「あれ、ら!!」
今、何って言ったんだ?
ユウヤはただただ笑っただけだった。
実際、ピカソをピッコロと読んだのは作者ですorz
テストでそう読んで本気でパニクった経験がありますよ←
皆さんも気をつけて下さいね(まず読まないよ