13+ママの憂鬱。
メリークリスマス・イヴ! こんばんは、アサちゃんとユウ君の最愛のママ、シユウって言いますよ!! え? 名前が変? そんなのお母さんに言って下さい!!
今日はクリスマス・イヴですよね、だから何時も多忙で忙しいママですけど今日くらいはパパッと休みを――取れませんでした……、ガクッ。
会社の皆が休み取っちゃって、私は休めなくなっちゃったんですよぅ……。折角今日はアサちゃんとユウ君が作るという美味しい美味しい(※予想)ケーキを食べながら一緒にクラッカー出来ると思ったのに! 二人も悲しんでるだろうなぁ……――。
其の頃自宅――
「ケーキおいひ~」
「自分で作ったのを何を言う」
「本当うめぇな、これ」
「そして貴様はあたかも当然の如く居るなカイト」
――何か凄くエンジョイしている気がする。ユウ君くらいは残念がってくれると良いな……。……うん、気の所為よね! そして何と言ってもやっぱりプレゼント! わいわいやっている時に渡すのが前提な我が家だけど、二人は未だ純粋だから私からとサンタさんに頼む二つが必要な訳! 結局私が二人ずつ買うんだけどね☆ だってサンタさん来ないし。
う~ん、大変は大変だけどパパくんからのお金もあるし、何より二人の夢を壊したくないもの。親としてね!
――自宅。
「アサキ、母さんからのプレゼント何頼んだ?」
「ゲーム」
「サンタさんと言う名の母さんには?」
「漫画十冊」
「アサキえげつねぇ」
――実は気付いてるパターンって無いわよね。二人は純粋、そう、ピュアなのよ、ピュア。マヒルとは違うのよ! ……偏見とか言わないの、誰よ言ったの。気の所為気の所為!
にしても本当に残念だなぁ。でも普段からそうだし、でもパパくんも帰れないし……淋しい思いしてないかなぁ……――。
――自宅。
「シャンパン一気飲み、カイトいきまーす!」
「「うぇーい!」」
――双子のテンションが何故か同調してる様な気がする。ううん、そんなはずないわよね。アサちゃんがユウ君のテンションに被る訳ないわよ! だってアサちゃんだもん!(※理屈じゃない)
だから気の所為よ!!
――自宅。
「アサキ何かテンション高くね?」
「アサ君は少しでもアルコールを摂取するとこんなになるの、俺みたいだよね☆」
「あははん☆」
「ある意味恐怖だな、シャンパン」
――でもやっぱりママ忘れられてる気がする。気の所為気の所…………はぁ。ふん! 良いのよ別に! 今年で四十歳迎えたママの事なんて忘れて立派に育てばいいのよ二人共!!
「ヒコク、今日も無理入って悪かったな……」
シャラン(※ママ仕事モード切替の音)
「いえ、平気ですよ、仕事ですから」
「そうか、じゃあ今日は十一時まで宜しくな?」
「は……はい!」
部長の野郎ぉおおおお!!!!
――帰宅。
「ただ今~……」
なんてね、アサちゃんもユウ君も起きてる訳ないんだけどー。今時珍し過ぎる早寝っ子よね二人共……。アサちゃんの記念すべきオトモダチも泊まるらしいんだから少しくらい夜更かししてママに紹介してくれてもいいのに……。ショボン。
ま、良いの良いの、二人が健康なのは何より何より! ママは淋しくたって構わないのよ~!! 淋しくたって……淋しくたって……!! 淋しく、……のは、やっぱり嫌ね……。アサちゃんの「嫌なのかよ」とかの冷たいツッコミが欲しいわぁ……。
「……めげててもしょうがないわ……さて、適当に食べて風呂入るっかなー……――ん?」
ぶつぶつ言いながらも食材を模索しようと冷蔵庫に手を伸ばせば。
……冷蔵庫に、何か?
“Happy Merry X'mas!
母さんへ ユウヤ アサキ”
………………うわぁぁああん!!!!
ユウ君もアサちゃんも大好きだわぁ!! 親離れなんてさせないわぁ!!!!
二人の作ったケーキとそんなメッセージカード。お母さんを感激させたって何も出て来ないんだからね!
……とか言いつつ二人の部屋へ直行して枕元にプレゼント(サンタさん用)を置いて去る私。そしてアサちゃんのオトモダチにも買っちゃったプレゼントを置く。私って基本子供大好きだからねっ!
「うう……美味しい……ケーキ。ママ嬉しい……」
そしてアサちゃんとオトモダチの間で持って来ちゃったケーキを食べる。美味しい、美味しいけどしょっぱいや、何でかな……あれ、何でか前が見えないや。
ママ用に置いてあるケーキは二人の間で食べる私。だって二人は一度寝ると大体朝まで起きないからね、どうやらオトモダチもそうみたい、というか君お名前は?
「くー」
「すー」
「ぐー」
「りー?」
「何でやねん」
ふざけた様な寝息だけど、我が子だから可愛いわ、というか親から見ても二人は可愛いもん。美人なところはパパに似たのねふた……三人か。……いや、マヒルは突然変異だけど。……にしても寝ながらボケたりツッコんだりする我が子にびっくりよ。
「……お休み」
ふぅ、私も寝ないとね。ドアのノブに手をかけ、私は部屋を後にした。
2人とオトモダチ君、そして全ての子供達に――Merry X'mas!