12+クリスマス・イヴイヴ。
「明日が何の日か知ってる?」
明日――クリスマス・イヴですかユウヤ。
ちは、アサキです。今日は休みだ、ありがとう天皇。そしてクリスマスだから何だっていうのだろうか。
「クリスマス――恋人達の祭典とも呼ばれる名誉の一日」
「興味ない、僕にとってはアニメキャラの誕生日くらいなもんだろう」
「其処! 一部しか分からない発言は慎むよーに!!」
さーせん。
「で、其れが何?」
「だからさ、ケーキ食べたい」
「結局は己の私利私欲の為はお前は」
まぁ……クリスマスと言えばケーキ、其れは分かるよ。でもうちは親も居なければ金すら置いていかない。其れでどうしろと?
「いや、お金はパピーからくすねた」
「父さんからくすねるな!」
「ねだったらくれた」
あの親馬鹿が。
「本当は帰って来て一緒に食べたかったって」
帰ってくるな、仕事頑張れ。
「という訳でケーキ作ろう!」
「すまない、経緯が掴めない」
今の文の何処にそんな要素があったってんだ。ケーキ作る――って、ユウヤがやりたいだけなんじゃ……。
「てな訳で材料の買い出しに――」
「そういう面倒なの一緒行かないよ」
「――行って来ました」
早。ガサッとビニール袋を出したユウヤ、何か……大量だな。
「一から作るからスポンジ作りから決行だぞ! 明日は早く帰って来てねアサ君?」
「僕も一緒に作らなきゃダメなの……?」
「ダーメ! 気分的問題で一緒に作るのだー!!」
「はいはい……」
ケーキなんて買ってくればいいのに。……口には出さないけどね、寂しそうにされたら面倒だから。
「アサ君チョコとショートどっち派?」
うん? ……ああ、ケーキの話か。ていうかショートって分かりにく。
「どっちでも食えるよ、今の気分的にショート」
「む、俺はチョコ派だ」
「じゃあチョコでいいよ」
「自分の意思を持てアサキ!!!!」
何で僕怒られたんだろう。
「ま、じゃあチョコね」
だったら怒るなよ。
という訳で明日はクリスマス・イヴ、聖夜は明後日なのに盛り上がるのって大抵イヴだよね。でもユウヤは忘れてるみたいだから言わないけどさ、学校からのクリスマスプレゼントを忘れてない?
――通知表ってやつ。