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第八十九話 害獣駆除はしたもののほっぺたが痛い

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「で、そのほっぺたの手形は何だい? SSランクの害獣による負傷には見えない気がするのは私の気のせいだろうか?」


 大聖堂の執務室で両手を口の前で組んで笑いを噛み堪えているクロード社長がいた。絶対にこの状況を楽しんでいるとしか思えない。オレだって好きで頬に手形を作ったわけじゃないのだが。


「名誉の負傷です。それ以外はノーコメントで」


 棘島亀ソーンアイランド・タートル討伐戦に参加した三人の主任がすべて呼ばれているので、静流さんが手形のできた理由を暴露する。


「柊翔魔がセクハラをしたから、ちょっと気合を入れてやっただけ。一応、ケリはついているから恨み言は言わないでおく」


 討伐後、転移で逃げ回るオレを追いかけ回して疲れ果てた静流さんであったが、最後に一度だけ引っ叩かせてあげると、以後は水に流して普通に接してくれていた。完全に事故で故意ではないことを理解してくれたようで非常に助かった。


「ほほぅ。静流にセクハラして生き残れるのは、柊君だけだね。どうだろうか、静流もいい歳だし、姉さん女房になるが三人目の嫁として迎えてみては」


 クロード社長が笑いを噛みしめるのを苦労していそうな顔で静流さんの嫁入りを打診してくる。けれど、これ以上、嫁が増えると色々とありそうなので丁重にお断り――


「ば、バカ者! クロードの冗談を真に受けるな。あたしが柊翔魔の嫁になんかなるわけがないだろうがっ!」


 っと思ったが、顔を真っ赤にしてアワアワしている静流さんを見ていると、ちょっといいかもしれないと思ってしまうオレは浮気性なのだろうか。お姉さんとは業の深い生物である。


「クロードの言葉を鵜呑みにするな。あたしは別にお前のことなどどうとも思ってないからな」


 とか言って、顔を赤らめてチラチラとこっちを見ないでくださいよ。気になってしょうがない。でも、オレはすでに二人の嫁(候補)がいるんでこれ以上は身体が――


「クロードも柊翔魔もそんな目でアタシを見るなっ!」


 静流さんが何を想像しているか分からないが、自分の妄想を振り払おうと頭の上を自分の手でブンブンと払うのはやめて下さい。可愛すぎて萌え死にそうだ。エスカイアさんや涼香さんもだけど、自分より年上の女性が時折みせてくれる少女っぽさにどうやら自分は敏感に反応してしまうみたいである。


「んんっ! クロード社長も静流も柊も遊び過ぎだぞ! 今はSSランクの害獣の討伐完了報告が先だ。きちんと仕事を終えてから遊んでくれ」


 隣にいた天木料理長が咳払いとともに静流さんで遊んでいたオレとクロード社長に注意を促してくる。


 おっと、いけない。静流さんが意外に可愛すぎて本来の目的を忘れるところだった。


 オレはお仕事モードに頭を切り替えて、先の害獣との戦闘での報告をクロード社長に上げることにした。


「すみません。ここからは真面目です。SSランク害獣棘島亀ソーンアイランド・タートルの水際駆除に成功しました。ドワーフ地底王国の港町ワズリンへの被害も軽微、負傷者は数名、死者無しです」

「ご苦労。エルクラスト史上初のSSランク害獣の駆除であったが、報告が上っているように人為的な工作を受けた痕跡が見られるというのは本当かね?」


 オレはすでに棘島亀ソーンアイランド・タートルがパワーアップした後のステータス表記を画像ごとクロード社長に送付しており、ディスプレイを展開したクロード社長がその画像や変化したあとの棘島亀ソーンアイランド・タートルの姿を真剣に見ていた。


「その件は俺も一緒に見て確認しているから間違いない。身体つきが変化した後は格段に能力が向上していた。あの一体に対してでもSSSランク、SSランク、Sランクの三人がほぼ全力で戦って駆除できたことを思うと何十匹も出てきたら対処は不可能だと思う。まぁ、『SSランク』がざらに出てくるとは思いたくないが、なんだかきな臭い話も小耳に挟んでいるんで気を付けるべき所か」


 改二に変化した棘島亀ソーンアイランド・タートルの凶悪さはまさに『天災』クラスになりうる力を秘めており、今回は発見が海中で色々と周りになかったので全力に近い力を使えたが、あれが人家の密集する街まで来たら大被害は免れないであろうと思えた。


「うちのチームに出向しているヴィヨネットさんが詳しい痕跡を調べ始めてますが、人為的に作られた害獣だとすれば、新種の合成魔獣(キメラ)以上の脅威になりかねないですよ」

「そうだな。柊翔魔の言う通りだ。あの害獣はあたし一人では倒せないと悟ったぞ。それほどまでに強力な力を持った害獣だった」


 害獣狩りが三度の飯より好きなはずの静流さんの口から弱気な発言が飛び出したのにも驚くが、オレもその意見には賛成であった。けれど、クロード社長は顔色一つ変えずに両手を顔の前で組んだまま黙って聞いていた。


「まぁ、今回はレアケースだと私は思っている。そう簡単にSSランク害獣がポンポンと発生したら、エルクラストが壊滅してしまうよ。今回の討伐褒賞もSSランクということで機構側への請求もかなりの額にのぼっているからね。けど、聞いたかい? あのSSランク害獣の落とした魔結晶でエルクラスト全土の需要の五〇年分を賄えるそうだ。被害軽微で駆除できたことに機構がとても喜んでいたよ」


 クロード社長は棘島亀ソーンアイランド・タートルの大きな身体の中から発掘された超巨大な魔結晶が生み出す膨大なエネルギーによってエルクラストの高度に発達した機器が長く使用可能になると教えてくれた。だが、今回は軽微な被害で抑えられたが、次にあいつと戦ったら場所によっては国が一つ滅びる戦いにもなりかねないのだ。そんなことをさせないようにオレ達は日々業務に励んでいる。


「オレもレアケースであって欲しいと思いますよ。さすがにオレもちょっとマズいかも思った害獣ですからね。より一層の警戒強化を機構に申し入れて貰えるとありがたいです」

「俺も柊の意見に同意だな。化け物クラスの派遣勇者二人でなんとかなっただけだからな。俺のチームだけなら足止めすらできなかったと思いますよ」


 天木料理長も危機感を募らせているようで、オレの意見を強く推してくれた。


「あたしも同意見にしておく。今まで何匹も害獣を狩ってきたが、あれだけしんどい害獣は初めてだ。人為的痕跡があるのであれば、柊翔魔の言う通りに警戒強化を機構に打診するべきだ」


 静流さんも戦った感触であの生物が危ない物だと感じ取ったようで、不機嫌そうであるがオレの意見に同意してくれている。


「分かった。主任三人が口を揃えて申し出たと言えば、機構も首を縦に振ってくれるだろう。その件は私に任せておいてくれ。細かい報告は各チームで纏めてから出しておくように。では、ご苦労だった」


 クロード社長はオレ達に解散を告げると、執務室から出て機構の理事長であるブラ老翁のオフィスへと向かって歩き出していった。残ったオレ達もそれぞれのチームのメンバーが待つオフィスに戻り、今回の事案の報告書をまとめることにした。


柊君はエルクラストに来るようになってからモテ期でも到来しているのだろうかね。エスカイアといい、涼香君といい、静流まで色気を出すとはね。案外、変なスキルコピーしてるのか? (クロード社長)

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