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第七十六話 幻覚か現実か

誤字・脱字ありましたらご指摘お願いします。

投稿ミスりました。疲れが抜けねえダメですね。

 エルクラストで謎の屋敷の捜索をしていたオレが、怪しげな研究室の奥にあった扉を開けた先で見た光景は日本の首都である東京の都心に近い繁華街であった。扉を開けて出てきたオレの姿を街を行きかう人が訝しみながら通り過ぎていく。なぜなら、派遣勇者として会社の白い詰襟の制服を着て、腰から剣を佩いている格好をしていたからだ。


 思わず、開けていた扉を閉めて階段の方へ戻る。今しがた見た光景が理解できずにオレの頭は混乱に混乱を重ねていた。とりあえず、オレの頭がおかしくなっていないかを確かめるために元の部屋に戻って三人にも確かめて貰うことにした。


「エ、エスカイアさん、ヴィヨネットさん、グエイグさん!! 大変だ!! ちょっと来てくれる!」

「ど、どうされたのです。翔魔様!? そのように慌てられて?」


 クロード社長と通話していたらしいエスカイアさんが、オレの様子を見て慌てていた。オレも害獣程度ならこんなに慌てることはないが、さっき見た光景はさすがのオレでもビックリして度肝を抜かれる事態だったのだ。


「あ、慌てないで聞いてくれよ。実は、あの扉の先に階段があって、その階段を昇っていったら日本に出ちゃった!!」

「ん? 翔魔殿の言っている意味が分からんぞ。日本に出た? 日本は大聖堂でしか繋がっていないはずだが?」

「そ、そうですよ。翔魔様、大丈夫ですか? 大聖堂以外に日本に転移できる場所などわたくし聞いたこともありませんわ」


 オレの話を聞いた三人が頭に疑問符を浮かべて考え込んでいた。オレとしてはありのままを伝えたので、実際に彼等に見てもらった方が理解が早いと思った。


「マジで本当だから!! あの扉の先に階段があってそれを昇った先の扉を開けたら日本の東京に繋がってたんだって!! オレも驚いているんだ。だから、みんなにも確認してもらいたくて戻ってきた」


 オレは三人を連れて合成魔獣(キメラ)の製造研究室の奥にある扉にまで近づいていった。そして、日本に繋がっていると思われる扉のノブを回して開く。だが、先程まであった階段は姿を消し、扉の向こう側にあったのは物置と思われる小さな部屋があるだけであった。


 嘘ぉおおおおおお!!! さっきまで階段あったじゃん!? なんで無くなっている!?


 扉の先にあったのは四畳ほどの広さの物置で、研究資料や材料などが乱雑に積み置かれていた。しかし、先程まであった上に伸びる階段の姿は掻き消えてしまっていた。


「翔魔様? 階段など見当たりませんが……」

 

 エスカイアさんが室内を見渡し確認するように階段が無いことを伝えてきていた。他の二人も室内を見回しているが、エスカイアさんと同じように頭の上に疑問符が浮かんだような顔でこちらを見ていた。


「あれ? あれ? 確かここに長い階段があって突き当りの扉を開けたら日本に……。あれ? あれぇえ?」


 オレはついに白昼夢を見るようになってしまったのだろうか。仕事のし過ぎというほどの仕事もしていないし。記憶障害を引き起こすような病気になった覚えもない。確かに存在していたはずの階段が消えるなんて言うことはあるのか。


「翔魔様、お疲れなのかも知れませんわね。この屋敷の件を機構と社長に伝えたら、今日はお休みにしますか?」


 エスカイアさんが意味不明なことを言いだしたオレを気遣ってくれ、おでこに手を当てて体温のチェックをしていた。ひんやりとしたエスカイアさんの手がおでこに触れると、事態の急変にテンパっていた思考が落ち着いていく。何かがおかしい。絶対にさっきは階段があったのに、二回目に入った時は無くなるなんてあり得ないでしょ。


「確かにここにあったのだけどなぁ。現実問題で無くなってしまっているとは……」

「日本への転移魔法陣の維持には膨大な魔結晶が使われてますからね。絶対に大聖堂以外で繋ぐなんてことは無理だと、あたしは思ってますよ」


 ヴィヨネットさんもオレが夢か幻を見たと思っているようで、日本に繋がる扉があったとは信じてくれていなかった。


「むぅう……そうなのか……幻覚の罠にでもハマったのだろうか」

「かもしれぬのぅ。ワシも大聖堂以外で日本への道が開けるなどという荒唐無稽な話は信じられぬぞ。そんなことになれば、エルクラストでも日本でも何が起こるか分からんぞ」


 三人に否定的意見を言われたことで、もしかしたら幻覚の罠に知らぬ間にハメられて、ラリって見せられた幻影だったのかもしれないと思っていた。


「そうか……」

「翔魔様、クロード社長とブラス老翁には連絡がつきました。お二人からの指示は機構の職員が着くまで現場を保存しておくようにと聞いております」


 オレが幻覚に囚われている間に、エスカイアさん達は機構と会社に連絡をつけ終えて指示をもらっていたようだ。


「ああ、わかった。じゃあ、交代要員が来るまで各自待機で頼む」


 オレはみんなに指示だけを出すと、もう一度だけ階段があった物置の部屋に視線を送っていた。



 その後、機構から派遣された調査チームとともにチーム『セクス』の水谷主任も屋敷の方に駆け付けて、捜索していたオレ達から色々と情報を収集していった。オレは聞かれたことに答えつつも、一応あの階段の件は伝えておくことにした。


 日本に繋がる扉があったことを水谷主任も『幻覚の罠にはまったのでは?』と言って取り合って貰えそうになかったので、強弁することはせずに罠に掛かっていたことにしておくことにした。けれど、あの時感じたリアル感は本当に日本に居たような気がしたし、行き交う人々もオレを見て奇異な視線を向けていたのだ。


 だが、証拠となる階段もなければ、痕跡もないため、幻覚の見せた映像だと言われてしまえばひっくり返す証拠はなかった。


 こうして、魔境地区にあった廃屋敷は機構の調査チームと、(株)総合勇者派遣サービスのチーム『セクス』の合同調査チームにより、隅々まで徹底した調査が行われ、銀水晶龍シルバークリスタルドラゴンは蠱毒の儀式によって発生した『同化』スキルが埋め込まれていたことが判明し、あのまま湖で放置していたら改五というSSクラスの超ド級の害獣が誕生していたかもしれないと判明していた。


 一方、合成魔獣(キメラ)の製造研究室の方も調査を徹底的に行い、押収した資料を解析したところ、ミチアスでトルーデさんを取り込んでいた合成魔獣(キメラ)と同じ染色体をもった皮膚片が発見され、ミチアス帝国で暴れていた合成魔獣(キメラ)はここで幼生体が製造されたことも判明している。しかも、ミチアス帝国で暴れたのは試作段階の合成魔獣(キメラ)で完成を目指していたのは、自爆後に爆風とともに凶悪な死病をまき散らすタイプの物が研究されていたそうだ。


 資料にその合成魔獣(キメラ)が何体か完成したと記載された物が見つかり、機構も騒然となったが、結局のところは真偽不明ということで追加調査対象に加えられただけであった。そして、発見されたこの屋敷は魔素(マナ)濃度を上げすぎるという理由で取り壊しが早々に決定した。

更新遅れました。

諸事情により明日より土日の更新を無しにして平日五日のみ二〇時更新とさせてもらいます。今後とも(株)総合勇者派遣サービスをよろしくお願いします。

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