第七十四話 怪しげな館が現れた
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警告音とともに周辺部全体を巻き込んだ『隠蔽暴露』を発動させていく。すると、辺りの景色は一変して今まで何もなかった場所に洋館のような屋敷が一軒、緑の草地の中に浮かび上がってきていた。
「翔魔様、アレってお屋敷ですよね? 今まで、見えてなかったのは巧妙に隠蔽されていたのが、検知に引っ掛かって暴露されたんですわ。きっと、あの屋敷に今回の銀水晶龍の変異体の事件のヒントがあるはずですよ」
「確かに怪しそうだね。まだ、時間もあるし探索してみようか」
オレはエスカイアさんにパーフェクトウォールを掛けると、飛んだまま屋敷に近づいていく。草地の奥にあった洋館は二階建てのお屋敷でそれなりの部屋数を数えた豪邸だった。けれど、外壁等はかなり薄汚れており、窓にはめ込まれたガラスも曇っていて中がよく見えなかった。
「翔魔様、感知系の魔術で中を調べてからの方が良いと思いますわ。それに、この異臭の元も気になりますし」
エスカイアさんが言う通り、屋敷に降り立った時から、かなりの異臭がオレの鼻を刺激しており、長時間嗅いでいると脳がズキズキと痛みだしそうな感じの刺激の強い匂いであった。
「おっけ、感知系で屋敷全体を精査するよ。それから、この匂いを風魔術で一旦吹き飛ばそう。長く嗅いでいていいような匂いじゃないし。あと、洋館に敵がいなそうならグエイグに連絡入れてヴィヨネットさんも見てもらった方がいいね」
先に探知系の魔術を連続発動させて、洋館の中に人や魔物が隠れていないかを調べていく。結果は、生命反応なしで、洋館の中には誰一人、生きている者は存在していなかった。
「結果は白ですか?」
「ああ、中に誰もいないようだ。とりあえず、二人に連絡を入れてくれ。現在地も座標で送っておいてね。その間にちょっと調べてくるからエスカイアさんはここで二人を出迎えてね」
「あ、はい。翔魔様、気を付けてくださいね」
エスカイアさんは心配そうな顔をしているが、エルクラストであれば滅多なことでは死なない身体になっているため、そう気を付けることもない気がしている。だが、油断だけは禁物であるので、いつでも剣を抜けるようにしていた。
屋敷に近づくほどに鼻を突く刺激臭が増していき、耐えきれなくなったオレは風魔術を発動させて一帯に漂う刺激臭を吹き飛ばすことした。すると、それまで動く気配を見せていなかった草地に埋もれる形で設置されていた彫像達が動き出し、オレに向って目から光線を放ってくる。咄嗟に張った障壁によって彫像達の放った光線は弾くことに成功したが、その間に多数の彫像達に間合いを詰められていた。完全に油断をしていたゆえに起きた失態である。
「意外と早いね」
彫像から繰り出されたパンチを避けると神の眼による鑑定を始めていく。
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動く彫像
魔物LV30
害獣系統:彫像系
HP:4450
MP:4340
攻撃:1390
防御:2360
素早さ:3450
魔力:1280
魔防:1340
スキル:豪拳 硬質化 破壊光線
弱点:なし
無効化:なし
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鑑定を終えたが、動く彫像は魔物LVが低い癖に明らかにステータスがSランクに近い強さを発揮していた。能力だけで見れば多頭火竜よりも強いかもしれない。だが、オレの相手になるほどの力までは持っておらず、速やかにスキル回収対象となってもらった。
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>豪拳をコピーしますか? Y/N
>硬質化をコピーしますか? Y/N
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「頂きました」
コピーを終えると同時に動く彫像のパンチを受け止めると、腕をへし折り、その腕を使って頭部にある制御石を思いっきり粉砕してやる。
ゴアァアアア。
制御石を失った動く彫像は身体を維持することができなくなり、砂のような粒となり姿を消していった。残りの動く彫像も襲い掛かってきたのを軽くあしらって次々に制御石を破壊して砂の塊に変えていった。
「ふぅ。こいつらは護衛というか見張り役なのかな。隠蔽までした上に見張りまで備えていたこの屋敷はトンデモなく怪し気がするぞ」
見張りを片付けたオレは更に内部を探索するために屋敷の入り口に向って歩き出していった。
急に〇イオハザードとかやめて欲しいからね。この刺激臭はいやな予感しかしないけどさ (柊翔魔)







