第六十六話 やっぱり地道が一番なのだろうか
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鋼鉄の鎧を貫いたことで領民から喝さいを浴びたオレは、再びグエイグの剣を構えると、今度は鉄の台座の据えられた銀水晶龍の素材である水晶体に狙いを付けていく。
先ほど貫いた鋼の鎧よりも格段の固さを誇る銀水晶龍の水晶体を断ち斬ることができれば、この剣の強度はエルクラストでもかなりの上位食い込む固さを誇る剣ということが証明されることになる。
「翔魔殿より預かったこの銀水晶龍の水晶体だが、変異種ということもあり、通常の銀水晶龍の水晶体の数倍以上の固さを発揮しておるわ。ワシも長い事、害獣素材の研究もしておるが、こんなに個体差が出た素材は初めてだぞ」
鉄の台に据えられている水晶体は、途中で合体して双頭の銀水晶龍になった物が置かれているようだ。
「変異種の素材か……確かにステータスは高かったからなぁ」
「その剣には銀水晶龍の水晶体の粉も混ぜて鍛え上げてあるからな。強度アップにも靭性アップにも貢献してくれているはずだ。思いっきり、地面に向けて振り切ればいいさ」
グエイグが自らの作ったチタン合金製の剣を見て自信に満ちた顔を頷いていた。領民達も次に行われる据え物斬りに向けてボルテージが上がっていく。オレもその熱気に当てられていた。
「いくぞっ!」
振り上げた剣を力いっぱいに銀水晶龍の水晶体に向けて全力で振り下ろしていく。剣の刃が水晶体に触れると、鋼鉄の鎧を貫いた時とはけた違いの手ごたえがオレの手に跳ね返ってきて、欠けた水晶体の破片がオレの頬を掠めて飛んでいった。そして、全力で振り抜いたことで大気が震え広場の砂が舞い上がっていた。
やべえ、斬れなかったか。
巻き上がった大量の砂煙によって両断できたかは確認できないでいた。やがて、砂煙が晴れていくと鉄の置台に据えられていた水晶体が粉々に砕けているのが、目に飛び込んできた。その様子を見た領民達がやんやと囃し立ててくる。
「粉々に割りおったか。太刀筋がよほど立っていなかったのだな……剣の腹で叩き割ったというのが正解であろう。だが、安心しろ。ワシの作った『絶対に折れない剣』は鈍器としても優秀であるからな。あのクソ固い銀水晶龍の水晶体を叩き割っても傷一つ付いてないぞ」
グエイグが四角錘の剣の様子を確認しながら、ニヤニヤとした顔をしていた。絶対にオレがまともに刃筋を立てられないと見切っていたと思われた。
「この剣が鈍器としても有能なのは理解しましたけどね。それに、オレの怪力で固い物を攻撃しても折れないのもクリアしてます。けど、なんだか納得いかない」
「ワシの作った剣の出来に不満があるのか? 要求されてスペックはかなりの部分で満たしていると思うぞ」
スペックは満たしている。それはオレもよく理解しているのだが、スタイルがやはり納得がいかないのだ。突くことも刃で斬ることもできると思うが、形状がどう見ても剣とかけ離れているのが気になってしょうがなかった。
やはり、剣術や武術全般については地道に修練を重ねて腕を磨くしかないと思われた。
「グエイグさんの剣は素晴らしい出来ですが……オレには扱いかねる剣と思いました」
「そうか? ワシは十分に扱えていると思うぞ」
扱えることは扱える。ただし、剣として扱うよりも鈍器としての方が扱いやすい可能性があった。
「今回の件でオレもちょっと真面目に剣の修行をしようと思いました。グエイグさんにはお手数を取らせましたが、できればこの素材の普通の剣を制作してもらえるとありがたいです」
「なんと! 翔魔殿が剣の練習をされるのか?」
グエイグはオレが剣の練習をすると言ったら驚いた顔をしていた。オレだって必要だと思えば練習くらいはする。
こうして、グエイグさんの作った四角錘のチタンブレードはお蔵入りとなり、新たに通常のチタン合金ブレードを制作を依頼することなり、オレは武術の師匠を探すことにした。
例の戦闘狂のお姉さんに武道の嗜みを教えてもらおうかな。でも、力比べさせられそうだしなぁ(柊翔魔)







