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第二十八話 肉食おねいさん達が仕事の鬼に変わったら・・・やばかった。

誤字・脱字あればご指摘お願いします。

「この条項はミチアス帝国の不利になるので、除外してください。こんな数字の援助金じゃ、この国から希少金属を受け取れると思わないでくださいね。それに設備投資ももっとしてください。最新の採掘機と製錬所建設の補助金、採掘における環境汚染に対する補償金も全然足りませんね。貴方達は子供の使いなの? この国から搾取をして日本だけが繁栄すればいいとおもっているなら、出直してきなさい。すでに他社からの打診は受けているわよ。貴方達だけが取引相手だと思わないようにね」


 朝から日本にある『(株)総合勇者派遣サービス』本社のオンボロオフィスで涼香さんが張り切って、商談に臨んでいた。オレ達は会社と国の陰謀(というより妥協案)により、現在はミチアス帝国への出向社員という形になっており、ミチアス帝国の復興のために色々と雑多な折衝に付き合わされていた。


 けれど、オレとしては経済や国家運営などさっぱり分からない上に、商談などもしたことがないため、実務を取り仕切っているのは、肉食系女子二人であるエスカイアさんと涼香さんであった。そして、オレの行う大事な業務は商談相手にお茶をお出しするという、お茶出し係の大命を拝している。


 別にオレが無能(実務経験は無いが)だからという訳ではなく、二人に任せると出向先の代表であるミチアス帝国の上皇トルーデさんからのご指示が出ているからだ。トルーデさんが過激派貴族を一掃して、新たに全権を掌握したトルーデさんが上皇のまま皇帝兼職し、国内の有為な人材を登用して国政を立て直している最中だった。


 帝室が壊滅したことで、国家の存続が危ぶまれたが、市井にいた前皇帝の私生児が賢明な人物であり、後ろ盾となったトルーデさんの強権の下で皇太子となり、国家継承の目処が立った。そして、新皇太子が市井での苦労人であったことと、税金や日本国からの補助金を搾取していた貴族層が軒並み死亡と改易されたことで、貴族に搾取され青息吐息だった住民達も喜び、顔に明るさが戻ってきていた。


 とはいえエルクラスト最貧国であることは変わりなく、上皇トルーデさんが二人を使って希少金属の開発利権を売り出すことを日本政府に認めさせていた。日本側も公安調査庁が主導した今回の依頼での失態を重要視して、日本国との専売契約だった希少金属の開発利権の一部を解放せざるを得ず、一般企業に参入させる許諾を得るために、我が社のクロード社長とエスカイアさんが関係省庁を暗躍したとか、しないとか言われている。そうして、得た開発権を復興費用に充てるため、商社との商談を行っているのだ。


 トルーデさんが、後継者に指名したアレクセイ皇太子との打ち合わせで作られた復興案では、涼香さんの異才が発揮されて、住民本位の政策が積極採用され、暮らしやすさとそれに対する税負担の透明性がキッチリと明示された新税制は、恐ろしく低い税制でありながらも弱者が這い上がれるセーフティネットが多数ある再チャレンジ型の社会保障に特化していた。


 これは復興案を主導した涼香さんが大学の在学中に考えていた国家税制らしく、現代日本にも見習って欲しいほど、公平で簡潔で分かりやすく、助けて貰いやすい税と社会保障の政策になっていた。


「柊君。お帰りになるようよ。お送りして」

「あっ、はい」


 商談を終えた商社の営業担当者を階段へ案内していく。オレはチームの主任ではあるが、魔物との戦闘以外ではあまりお役に立てないのである。ちなみにこっち(日本)に帰ってきてしまえば、エルクラストでの勇者の力は発現されず、ただの一般ピープルになってしまうため、猶更に役立たず感が半端なかった。


 なので、今できる仕事はお見送りとお茶出しだけなのである。


「ふぅ、あの商社はこっちの足元見ているわね。希少金属の相場を知ってて、あの金額とかはないわー。私が、構築したミチアス帝国の新税制を軌道に乗せるには是が非でもこの開発権を高値で売り付けないとダメね」


 皇城が消失して一ヶ月くらいになるのだが、仕事に目覚めた涼香さんと、クロード社長とともに官公庁街を暗躍する謎の事務員に変化したエスカイアさんは、夜のお仕事をセーブしてくれるようになったおかげで、オレの体調はすこぶる良好に回復していた。


 やっぱり、お仕事はほどほどに忙しい方がいいよね。


「そーいえば、涼香さん。次の商社の方が見えられますよ」

「そうね。次のところは有望株だから多めの提示額を引き出させないとね。そういえば、柊君はトルーデさんに呼び出されてなかったっけ? いいの? ここで遊んでいても」


 涼香さんは仕事にハマり込むタイプのようで、目の前の仕事に意欲を燃やすのに集中する人であった。ようやく、肉食系女子である涼香さんの扱い方のヒントを見つけた気がした。


「あっと、そうでした。ちょっと大聖堂まで行ってきます」


 涼香さんに後を任せて、転移装置を使うと、エルクラストの大聖堂に飛んでいた。


こ、これよ。私の生き甲斐はこの仕事なのよ! ミチアス帝国を異世界最高国家へ育て上げなきゃ。そうしたら、柊君も私のことを好きになってくれるはず!(使命感)(青梅涼香)


涼香さんは半端ねぇえな。さっきの営業担当の人半泣きだった。やっぱ営業職選ばなくて正解だったな。オレもあんなに扱き下ろされたら心が折れる(´;ω;`)(柊翔魔)

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