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第百四話 きな臭い匂いが漂ってきてるけど何とかならないか。

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 通話を終えて画面を閉じると聖哉がニヤニヤとした顔でこちらをみてきた。


「柊主任もデレデレですね。エスカイア先輩とはもう夫婦同様ですよね。僕もイシュリーナと早く結婚したいなぁ」

「オレとエスカイアさんはまだ、婚約中だからね。そこは間違えないように」

「実質、同棲してるし夫婦じゃないですか」

「まぁ、まぁそうだけどさ。色々と段取りというものがあるんだよ。んんっ! 私語はこれまでだ。修行に入るぞ」


 聖哉が尚もエスカイアさんとのことを追求したそうな顔をしたので、咳払いで話を打ち切り目的であるオリハルコン鉱山の周辺を徹底的に害獣処理するつもりだった。魔物探知モンスター・ディテクションを発動させると、ディスプレイ下部にあったミニマップがオリハルコン鉱山周辺数キロの地図に切り替わり、赤い輝点が拡がっていく。マップ下に赤い輝点のカウントがされており、数千の数を表示していた。


 さすがに害獣討伐最重要地域に指定されることはあるな。数キロ四方でこの数の害獣……。ほかっておくと更に増加の一途だよな。前皇帝時代は派遣勇者代ケチって、自国民から有志という名の強制徴兵で兵を募り討伐していたとアレクセイも言っていたし。ある程度数を減らさないとオリハルコン鉱山の安全は得られない。


 予想を超える数の害獣であったが倒せない数ではないので、雑魚討伐は聖哉に任せておくことにして、オレは本来の目的である未収得のスキルを持つ害獣を選別するために魔物選別モンスター・スクリーニングを発動させる。すると、害獣を示す赤い輝点が次々に消え去っていき、残ったカウント数は五〇に満たない数字になっている。


「聖哉、オレはスキル集めしてるから、後のは討伐してもらえるか? 特にランクの高そうなのもいないし、ここら辺には害獣しかいないから殲滅系の魔術や技も解禁していいぞ」

「本当ですか!? 数千近い害獣を屠るにはちまちま倒すの大変だなとか思ってた所なんですよ。全力で狩り尽します」

 

 オリハルコン製の槍を手にした聖哉が満面の笑みで答えた。きっと、全力でこの地域の魔物を殲滅していくだろう。Sランクとはいえ聖哉はオレの下で高ランク害獣の討伐に携わってきているので、LVの上りも早く、親父さんに追いつくのは時間の問題に思えた。


「でも、今回は修行だからオレからのバフ系魔術は無しで頑張れよ。自分でかけるのはありでいいぞ危なくなったらオレが回復してやるから存分に戦え」


 今までは聖哉の安全を考えて過剰なバフをかけてドーピングしていたが、今回は修行も兼ねて自分自身の力だけで戦わせることに決めていた。でも、実際はコッソリと自動HP回復のバフだけは掛けてあって一定量以下に落ち込むと完全回復するようにしてある。


 聖哉もオレからバフがないと思えば本気で戦うであろうし、万が一が起きて大聖堂でリスポーンされるという失態も回避できるはずだ。日本人の派遣勇者は死なないがHPがゼロになると強制的に大聖堂に転移させられて一定期間の記憶を失ったあと復帰する仕様だけれど、そのリスポーンを行うと査定に著しいマイナス評価が付くらしく、頻繁に使われるものではないとクロード社長も言っていた。


 なので、部下である聖哉が修行で失敗してリスポーンしましたとかになると結構な一大事になるのだ。余裕で勝つとは思うもののリスク管理は大切であり、『まさか』が発生しないようにしておくことも上司の務めだと思う。


「じゃあ、僕は先に行ってきますね。さぁ、狩り尽すぞ!」


 槍を構えた聖哉が颯爽と深い森の中に降りていったかと思うと、一斉にあちらこちらから爆発が起こり木々が吹き飛んでいく風景が目に飛び込んできた。


 あっ、ちょっと自重させるべきだったかな。余りにもやりすぎたら、後始末は聖哉にやらせておこう。さぁ、オレも目的を遂行することにするか。


 聖哉の発する爆発を見ないことにしたオレは魔物選別モンスター・スクリーニングで未収得のスキルを持つ魔物達をピックアップしていく。五〇体ほどの害獣の内被っていないスキルは【吸血】、【剛撃】、【一閃】、【シールドキャンセラー】、【自己増殖】、【融合】、【閃光爆破】といったものだ。


 害獣系のスキルであるため、あまり充足させると、トルーデさんにまた一段と人外化するとか言われそうである。だが、【融合】スキルなんて相手の害獣の特性を取り込める力だし、【吸血】は害獣の血をHPに変換できるスキル、【剛撃】は素手での攻撃威力が上昇する。他にも【シールドキャンセラー】は障壁をすべて解除するスキルであるし、【一閃】は素手から真空波飛ばせるし、【自己増殖】なんて能力こそ移せないけど、もう一人の自分が創り出せちゃう素晴らしいスキル。【閃光爆破】も凄まじい光と音で相手の視力と聴力を奪う補助的なスキルだが使いどころによってはめちゃくちゃ有効なスキルになるものであった。


「ふむ、全部手に入れる予定だけど、スキル創造したらなんかヤバくなりそうな物も混じってそうだな……」


 SSランクとの戦いにおいて、勝つには勝ったが苦戦を強いられたことで、強くなるスキルはもちろんのこと、補助的なスキルも充足させて自分の戦闘力を高めなければ、あのSSランクが大量に発生した際に対抗することができない気がする。クロード社長を始めとした偉い人達は楽観視しているが、オレには例の館で東京への道が開かれていた夢が夢じゃ無かったように思われ、何かしらの組織が裏で暗躍しているように思えてならなかった。こんなことをクロード社長や東雲さんに話せば厨二病が過ぎると言われかねないが、不安感は日々増大してくる一方であるのだ。


 数百年に一度しか現れないはずのSSランクが大量に発生したらと想像するだけで、戦闘したことのあるオレは起こるべく被害を思って寒気を感じている。絶対にそれだけは阻止しなければならない。会社のためとかオレのためとかじゃなくて、このエルクラストに住む人達の暮らしを守れる力を授けられた者の使命だと思うからだ。


 世界を護るヒーローって柄でもないけど、そうなった時にオレはこのエルクラストを救える男になっておくべきだとの思いに突き動かされていた。


今度はエルクラスト周遊のスキル収集旅にでようか・・・このままだと人外派遣勇者とか言われかねない (柊翔魔)

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